「子どもがなかなか勉強してくれないし集中力がない」と悩む親御さんは、多いのではないでしょうか?受験生であれば、なおさら心配になりますよね。

  • 子どもに原因があるのだろうか?
  • 集中力をつけるためには何が大切?
  • 親はどのようなサポートをすればいいのか?

今回はこれらの疑問にお答えするために、集中力が続かない原因や集中力を高める方法などについてご紹介します。

子どもの集中力が続かない!集中力を高める方法はある?

子どもの集中力が続かないと感じるのは、子どもの集中力に対する大人の見方に原因があるのかもしれません。例えば「最低30分は集中するだろう」と思うのは大人の見方で、認知心理学者ジェマ・ブリッグズ氏によれば「平均的な集中時間」という考え方には意味がないそうです。

子どもが集中力を発揮するか否かは、与えられた課題や置かれた状況によると捉えた方がいいでしょう。つまり子どもを取り巻く人的あるいは物的環境を整えれば、集中力を高めることは可能なのです。まず、集中力がないのは子どもに原因があるとする見方を変え、環境全般を整える視点を持ってみましょう。

集中力が続かない原因は?

子どもの集中力が続かない原因を考える際、まずは環境が整っているかどうかを確かめる必要があります。子どもに集中力がないというより、集中できない環境を大人がつくっている可能性があるためです。

子どもの集中力を高める方法を知りたい場合は、大人や子どもを取り巻く環境すべてに目を向けましょう。ここでは、3つの原因を説明しますが、読み進める際は、必ず親や家族などにも着目してみてくださいね。

学びに楽しさを感じられていない

学習に向かう以前に、不安や悩みなどがあれば集中できないでしょう。例えば、子どもにとっては次のような点が気になります。

  • 学校で友達とけんかをした
  • 先生にひどく怒られた
  • 家族に傷つくことを言われた

勉強に関わる内容でけんかをしたり怒られたりすれば、余計に楽しさは感じられません。強制的に「勉強をしなさい」と言われ続けることで、やる気も失うでしょう。集中力を高める方法を試す前に、不安や悩み、イライラの原因を取り除く必要があります。 子どもに寄り添う姿勢が重要です。

集中できる環境が整っていない

集中力を保つには環境を整えなくてはいけません。集中力が続かない環境とは次のような例です。

  • 睡眠時間がとれない環境にある
  • 栄養が十分にとれていない
  • 騒音や誘惑などが多い

小学生は8~10時間のまとまった睡眠が必要であり、睡眠不足に陥ることは勉強への集中力を減らす要因になります。

集中力を維持するためには栄養も欠かせません。エネルギー不足は脳の働きを鈍らせ集中力に影響を与えるからです。また、テレビや動画の音声が大きくけんかが絶えない家庭では、子どもは安心して勉強できません。親や家族など、周りの人が環境を整える必要もあるでしょう。

親が口を出しすぎている

親から毎日「勉強しなさい」と言われれば、子どもはとりあえず従います。しかし、一時はがんばれたとしても主体的ではないため、集中力は長く続かないでしょう。親の強要で子どもが勉強するパターンをくり返せば、親がいなければ勉強しない子どもになってしまいます。

口出しは親が我慢できないからするもので、かえって子どもの意欲を低下させてしまうのです。子どもの意欲や集中力を高めるためには、まず親が我慢する必要があるでしょう。

子どもの集中力がアップすることで得られるメリット

本章では、集中力をアップすることで得られるメリットを説明します。集中力を高めて得られるメリットがわかれば、親が子どもをサポートする際に必要な方向性が定まります。本章で集中力アップのメリットをしっかりと確認し、子どもの学習に活かしましょう。

短時間で大きな学習効果を得られる

集中力をアップさせると、短時間で大きな学習効果を得られるようになります。

  • タイムリミットを決めて、その時間内で学習する
  • 優先順位を決めて学習を進めたり複数の教科を同時にこなしたりする
  • オンとオフをスパッと切り替えて学習できる

上記のような勉強の仕方ができるようになり、効率良く学習を進められるでしょう。

経験を積み重ねることで集中力はどんどん向上していき、集中力がアップすればするほど、さらに短時間で理解度を高められる状態となります。

ケアレスミスが減る

集中力がアップすると、注視する力が高まるためケアレスミスが減ります。

昨今研究が進んでいる認知科学では、「人は世界をそのまま見ているようで見ていない」とされています。これは、「見ているものは眼ではなく脳である」という意味です。例えば不安や悩みなどで注意力が散漫になると、目視を怠るためミスが生まれると考えられています。

一方、集中力を高められれば、物事を注意深く観察するためケアレスミスを減らせるのです。試験でやりがちなマークミスや誤字脱字なども、集中力をアップさせることで起こりにくくなるでしょう。

納得感や達成感が生まれる

集中力を保ったり高めたりすることで、想像以上の良い結果を手にできることがあります。例えば、

  • 毛筆の清書で集中したら今までで最高の字が書けた
  • 一打逆転のチャンスに集中したらホームランを打てた
  • あと5分しかなかったけど集中したら全問解けた

などの経験をしたことがある人もいるでしょう。

集中力を高めると良い結果が生まれ、納得感や達成感につながります。そして成功体験がエネルギーとなり、集中力をさらに向上するといった正のスパイラルにもなり得るのです。

集中力が続かない子どもに生じるデメリット

集中力が続かない子どもは、学習目標に到達できず不満が残ったままになります。またミスが増え、親や先生から叱られるため憂うつな気持ちになるでしょう。

人からの評価だけでなく自分に対する評価も下がり続けるかもしれません。心身にかかるストレスは大きくなり、いつも暗い表情で生活するなど、集中力が続かない場合のデメリットは大きいといえます。

いつまでも学習が先に進まない

集中力がなく何もやる気になれないとなれば、学習の進度に遅れが生じます。例えば、スマホやゲームを手にすれば時間はあっという間にたち、まったく勉強しなかった……という状態になるでしょう。

どうしたらいいかと悩んでも時間は戻らず、学習すべき内容はどんどん増えていくため、さらにやる気が失われます。集中力が続かないと負の連鎖から抜け出すのに苦労してしまうため、いつまで経っても学習が進まない状況になってしまうのです。

重要な場面でミスをしてしまう可能性がある

集中して学習する場合、相乗効果で注意力も上がるためミスをすることはありません。しかし、集中力が低下するとミスが増え、重要な場面で大きなミスをしてしまうこともあります。

  • 〇✖問題で意味を取り違えて反対の回答をしてしまった
  • マークシートの解答箇所が1つずつズレていた

上記のように入試問題などで大きなミスをしてしまうことは致命的で、大きな後悔につながるでしょう。

学習がストレスの原因になってしまう

集中力がなかなか続かない場合、学習効果が上がらずミスも増えるため、学習にストレスを感じるようになります。

強いストレスを感じたままでは良い状態で学習に向かえず、集中力は低下する一方です。はじめは苦手教科だけに対して抱えていたストレスが、得意教科にまで影響を与えるかもしれません。得意教科で成績が思うように伸びなければ、かろうじて保っていた自信も失われるため、大きなデメリットであると考えられるでしょう。

何をやっても集中してくれない時は?

親が「何とかしたい」と思い理想の環境づくりに努めたとしても、子どもの集中力に改善の兆しが見えない場合もあるかもしれません。

そのような時は、子ども自身が勉強に必要性を感じているかどうかを改めて確認してみましょう。

  • 子どもが集中力を高めることで得られるメリットをわかっているか
  • 子どもが集中力が続かない状態を続けることのデメリットをわかっているか
  • 親は子どもの思いをしっかり理解し、子どもは親の考えを理解しようとしているか

小学生に上記すべてを意識してもらうことは少し難しいかもしれません。しかし、親が子どもの不安や悩みに耳を傾け理解し、親の考えを伝えたり家族みんなで話し合ったりする機会を設けることで、少しずつ勉強に取り組むようになってくれることでしょう。

子どもの集中力を高める方法5つ

子どもの集中力を高める方法は、親の意識や姿勢が重要なポイントとなります。一方的に親が口出しするのではなく、子どもの特性や気持ちに応じた対応が必要でしょう。大切なのは、やはり子どもの自主性です。子どもに集中力がないからといって「一方的に押し付ける」のではなく、子どもが集中できる環境づくりや大人ができるサポートを考える姿勢が重要でしょう。

本章では、親の姿勢や視点を考える上でヒントとなる、子どもの集中力を高める方法を5つ紹介します。

学習時間と自由時間のメリハリをつける

「学習時間と自由時間のメリハリをつける」とは、ダラダラと時間を過ごすのではなく、オンとオフを区別することです。

例えば次のようなことをしてみましょう。

  • 集中できるか時間帯(朝か夜かなど)を確認した上で学習時間を設定する
  • ストップウォッチを使ってオン・オフの時間を必ず守る

やってみるとなかなかうまくいかない場合もありますが、うまくいかなければ改善しメリハリのつけ方を変えてみることで、徐々に子どもが集中できるようになるでしょう。

不必要な情報や刺激を遮断する

2つめの方法は、不必要な情報や刺激を遮断することです。スマホやゲーム・マンガなど、子どもが一旦始めるとずっと続けてしまいそうなものから遮断される状態を作りましょう。

遮断は覚悟がいりますが、集中力を高めるには重要なポイントです。ただ、逃げ道を少し作っておくのも有効です。

メリハリをつける目的で、例えば「1日に1回はスマホゲームOK」などとした方が、やる気をもって学習に向かえる場合もあるかもしれません。

子どもの性格や性質に合った環境を用意する

集中力を高めるには、子どもの特性に合わせた環境づくりが大切です。例えば、以下のような2つのタイプの子どもがいたとします。

  • すぐに集中モードとなり長く集中できるが、周囲の状況には気を取られる
  • 1つのことに没頭しやすく熱中できるが、集中モードになるまでに時間がかかる

前者の場合は集中しやすいことが特徴で、環境を整えれば長時間集中できます。ただし、ちょっとした騒音や環境の変化に敏感なため、「1人で使える勉強部屋を確保する」など落ち着いて学習できる空間が必要となるでしょう。

後者は集中するまでに時間がかかるため、集中モードに入りやすい工夫をする必要があります。例えば「○時には必ず机に向かうようにする」などといったルーティンを決めるようにし、毎日取り組むようにすると集中しやすくなっていくでしょう。

子どものライフスタイルや性格に合わせた環境・ルールなどを作り、集中力向上をサポートしていきましょう。

親は極力口出しをしない

子どもの集中力を高める方法の4つ目は、「親が口出しをしないこと」です。「ちゃんとやりなさい」「なぜ集中できないの?」などの言葉は、子どものやる気を減退させる可能性があります。

親が叱るのは、子どものためというより自分の気持ちを収めるため、ともいえます。我慢できないからつい子どもに言ってしまう、という人も少なくはないでしょう。

とはいっても学習の進捗状況が気になってしまうと思いますので、定期的に親子が話し合う場を設定し、学習を振り返る時間を子どもに与えると良いでしょう。ただし、話し合いの場でのみ親の考えを伝え、普段は口出しをしないようにすることが大切です。

学習時間と小休憩を細かく繰り返す

子どもが集中力を高める方法の最後は、学習時間と小休憩を繰り返すことです。フランチェスコ・シリロが提唱した時間管理術に、「ポモドーロ・テクニック」というものがあります。これは、「学習や仕事などを25分間続けたのち5分間の小休憩を挟むサイクルを4回続ける」もので、子どもの学習にも活用できます。

25分が長ければ、15分学習して5分休憩にするなど、時間をアレンジしても構いません。子どもの負担にならないように学習時間を設定することで、集中力を保って学習に取り組んでくれるようになるでしょう。

子どもの集中力を高めるなら『Wonder Code』

今回は子どもの集中力が続かない原因や、集中力を高める方法を解説しました。集中力を高められれば学力が上がるだけでなく、達成感を味わえ自信につながるというメリットもあります。逆に、集中力が続かない子どもは目標を達成できず、自信を失ってしまうこともあるでしょう。このように、集中力は学習面だけでなく心の成長にも影響を与えるのです。

Wonder Codeでは、英語やプログラミングを学ぶ中で子どもの集中力を高めるメソッドを多数取り入れています。主体性を大切にしながら効果を出せるカリキュラムを用意していますので、ぜひこの機会に詳しい情報をお問い合わせください。