自分の子どもが小学校受験に向いているかいないか、親としては気になりますよね。

小学校受験の試験科目には、面接や行動観察が含まれます。例えば受験の際、小学校側は「教育方針に合うか」「主体性や協調性があるか」など基準をもとに合否を判断します。親が「自然体のまま」で受験させたいと思っても、小学校側の判断基準によっては不合格となる場合があるでしょう。

どのような子どもが小学校受験に向いているのかを事前に知っておけば、対策を講じることができます。本記事で確認していきましょう。

小学校受験に向き不向きはあるのか?

結論をいえば、小学校受験に向き不向きはあります。ただ、小学校の教育方針は各校で異なっているため、親が自分の子どもに対して小学校受験には向いていないから受験はあきらめようと考えるのは時期尚早でしょう。

小学校受験に向いているか否かを考えることも必要ですが、子どもの特性を最大限に活かしてくれる小学校を選ぶのが先決です。

親が小学校の教育方針に共感し「この小学校ならば子どもの能力を伸ばせる」と判断した学校を選ぶことが大切です。目標とする小学校が定まったところで、受験準備を進めましょう。

受験するメリットとは

小学校を受験するメリットには次の3点があります。

  • 質の高い教育を受けられる
  • 才能を伸ばせるきっかけを作れる
  • 優秀な子どもたちとの人間関係が築ける

すべての親が受験を希望するわけではありません。ただ「子どもが、よりよい人間関係を築きながら、自分の能力を活かし、社会に貢献できる大人になってほしい」と強く願うのであれば、小学校受験は大きなチャンスとなるでしょう。

ここでは、3つのメリットについて詳しく解説します。

1.質の高い教育を受けられる

子どもの将来を考えると、小学校の教育方針だけではなく、教育設備やカリキュラムに目を向けるのも大切です。

例えば私立小学校の場合、次のように独自のカリキュラムを設定しています。

  • 英語教育:低学年から対象の英語weekやAll Englishの導入など
  • 国語教育:「書く」領域の系統学習や「日記」を6年間継続し文集にする
  • IT教育:電子黒板、iPadの導入でアクティブ・ラーニングの未来型授業
  • 体験学習:単元「働く人」、リーダーシップとインクルーシブをハイブリッド型学習、地元小学校の子どもたちとの体験合宿

また、大学付属小学校であれば、長期的な視点で質の高い教育を受けられます。

2.才能を伸ばすきっかけを作れる

小学校受験では、親が気づかなかった子どもの個性や能力を伸ばすきっかけを作れるメリットがあります。というのも、学習だけではなく生活態度や体育的・芸術的側面が評価の対象になっているからです。

小学校受験に向けて親が多面的に子どもを観察できるため、子どもを褒める機会が増えるでしょう。「一旦集中すると長時間やり続けられる」「何事も興味をもって取り組む」などの気づきは、子どもの良さを伸ばすきっかけになります。

小学校の教育方針や環境と子どもの特性が合えば、入学後の成長が期待できるでしょう。

3.優秀な子どもたちとの人間関係が築ける

子どもに小学校受験させる親は、教育に対して関心が高い傾向にあります。親の姿勢は子どもに影響し、子ども自身も合格を目標に取り組むでしょう。

また、小学校受験させる予定のほかの親や子どもも、学びに対して高い関心をもっています。同じ教育環境や価値観をもつ親や子が多いほど、優秀な子どもたちとよりよい人間関係が築けるでしょう。

良好な関係性の中でお互いが刺激し合い、才能をより伸ばせる可能性も高まります。

子どもの意欲・個性を尊重しよう

小学校受験で重要なのは、親が子どもに「〇〇小学校を受験させる」ではなく、子どもが「〇〇小学校を受験したい」と思う姿勢です。親の気持ちを押しつけないように注意しましょう。

子どもの意欲・個性を尊重する姿勢が大切です。意欲・個性とは「自分の良さを知り、自分の考えをもつ」ことで、次のような主体性とつながります。

  • 子どもが「〇〇ができる(得意だ)」と知っている
  • 子どもが「〇〇小学校に入りたい」と思い努力している
  • 子どもが「ぼく・私は~だと思う」と言える

主体性は子どもの意欲や個性の伸長に良い影響を与えます。そのため親は、子どもがさまざまなことに興味をもって学んだり活動したりする姿勢を大切にしましょう。

受験勉強に限らず口出ししてばかりでは、子どもの主体性は育ちにくくなります。

小学校受験に向いている子どもの特徴

小学校受験に向いている子どもの特徴は、小学校受験に限らず、その後の学校生活や社会に出てからも必要となってきます。

子どものもつ特徴は、本来の特性というよりも親のかかわり方や生活環境によるところが大きいかもしれません。

現時点で「小学校受験に向いていない」と思っていても、小学校受験に向けた準備や子どもの努力次第で、向き不向きが変わる場合もあります。改善の余地がある点を念頭においておきましょう。

1.意欲的に学ぶ姿勢がある

意欲的に学ぶ姿勢が定着している子どもは小学校受験に向いています。

何事にも前向きに取り組めれば、小学校入学後も新たな知識や技能を習得できるでしょう。また、意欲的に学ぶ姿勢が身についていれば、困難に直面しても自分で解決できます。

反対に親が必死なのに子どもにやる気がない場合は、小学校受験に向いていないかもしれません。親にしかられるから仕方なく勉強する姿勢では、習得する量や質も目標に到達できないでしょう。

自主的に学べる子どもは、小学校受験に向いているといえます。

2.競争心がある

小学校受験は他者との競争でもあります。ある程度の競争心がなければ、受験を勝ち抜くことは難しいでしょう。競争心のある子どもは、次のような言葉を発したり考えていたりします。

  • 運動会のかけっこが2番で悔しい
  • このクイズは絶対ひとりで解きたい
  • 1番に教室に入りたかったのに、〇〇ちゃんが1番だった

負けず嫌いな子どもは、周囲よりも上でいたいと思うため、受験に勝ち抜いていくでしょう。

しかし競争心が強すぎると、小学校入学後の人間関係づくりに苦労するかもしれません。相手を思いやる気持ちも必要です。

3.向上心がある

向上心がある子どももまた、小学校受験に向いている特徴のひとつです。

テスト問題の正解率がいいとしても「点数が取れたから大丈夫だろう」と安心して勉強がおろそかになったり、油断したりしていると、その後の成長がみられないかもしれません。

「ちょっとしたミスをなくしたい」「もっと難しい問題に挑戦したい」など向上心のある子どもは、1つの結果に満足せず次の目標を設定できるため、小学校受験に向いている子どもの要素といえます。

4.勉強を楽しんでいる

楽しみながら勉強している子どもは、小学校受験に向いているでしょう。勉強を苦に感じないため、親や先生に言われなくても自主的に取り組みますし、勉強した内容もすぐに吸収できます。

「勉強する」つもりでなくても、何かのきっかけで勉強が好きになる場合もあるでしょう。例えば、次のような例です。

  • 魚について図鑑で調べる→水族館が好き
  • 大好きなベート―ベンの伝記を読む→ピアノが好き
  • 投球の種類や打球の高さや飛距離を知りたい→野球が好き

一旦興味をもてば子どもはとことん調べます。勉強の楽しさがわかる子どもはぐんぐん伸びていくでしょう。

5.協調性がある

大人社会と同じように、子ども社会でも協調性は必要です。

同じような価値観をもつ環境で育った子どもが小学校に集まるとはいえ、それぞれ異なる個性をもっています。

お互いに楽しく生活するためには、何かをしてもらったら「ありがとう」、悪いことをしたら「ごめんなさい」と素直に言える姿勢が重要です。

また、自己主張するばかりではなく相手の思いを聞くことも大切です。クラスに協調性のある子どもが多ければ、学習環境もおのずと整うでしょう。

小学校受験に不向きな子どもの特徴

この章で解説する特徴をもっている子どもが、小学校受験に不向きであると断定するものではありません。小学校受験に不向きであるから受験資格はないということではないと認識しておきましょう。

小学校受験のメリットのひとつに、親が多面的に子どもを理解できる点があります。多面的な理解とは、受験に向いていない特徴を含めて子どもを丸ごと受け入れることです。また、小学校受験に不向きな特徴をプラスに転じることも可能です。

具体的に解説します。

1.スポーツなど他に没頭しているものがある

小学校受験に不向きな子どもの特徴は、勉強以外に没頭しているものがあることです。将来プロになるかは別として、没頭しているものにすべてを注ぎたいと考える子どもは、小学校受験に向いていないかもしれません。

例えば、以下のような場面があります。

  • サッカーが好きでたまらないから受験勉強より練習したい
  • ピアノがうまくなりたいから受験勉強の時間がもったいない

勉強をおろそかにするつもりはなく、好きなことにもっと時間をかけたいと思う子どもは少なくないでしょう。

ただ、集中力や根気があれば、勉強との両立を図る原動力になります。不向きから「向いている」に転じるかもしれません。

2.落ち着いて座っていることが苦手

落ち着いて座っていることが苦手な子どもは、小学校受験に向いていないかもしれません。受験当日はもちろん模擬テストでも、一定時間座って受ける必要があるからです。

30分から1時間の作業に集中して取り組める子どもは、勉強する力があると判断されるでしょう。逆にすぐに飽きてしまったり投げ出してしまったりすれば、集中力がないと評価されます。

好きなことに没頭できるから小学校受験に向いていると思っていても、小学校入学後の多様なカリキュラムに落ち着いて取り組めない可能性も。受験するか否か慎重に判断しましょう。

3.両親から言われたことを素直に受け入れることができない

やる気があっても、大人の話を素直に受け入れられない子どもは小学校側から敬遠されるでしょう。

「うちの子は幼稚園の先生の話はよく聞くから大丈夫」と思うかもしれません。確かに家の外でルールさえ守っていればいい、他人に迷惑をかけなければいいという考えもあります。

しかし、親の話を聞いて先生の話を聞かないケースと同様に、相手によって態度を変えるのは、協調性や公平性に欠けると思われるかもしれません。

親が子どもの話に耳を傾けるのは大切ですが、子どもが親の話を聞く姿勢も育てる必要があります。

4.勉強以外に秀でた才能がある

小学校受験を考える場合、子どもの才能をしっかり見極めましょう。勉強以外に秀でた才能があるにもかかわらず受験勉強に特化すれば、子どもの才能の芽を摘んでしまうかもしれません。例えば、次のようにして子どもの才能を見つけてみましょう。

  • 短時間でも座っていられない→水泳は何時間でも練習してタイムを更新する
  • 文字を覚えたり書いたりするのは苦手→楽譜なしで音を頼りにピアノが弾ける
  • 数をうまく数えられない→目にしたものを独特の色彩で表現する

子どもに運動や音楽、絵画などの才能があるのに、小学校受験させたいがために勉強を強いるのはやめましょう。勉強以外の優れた才能を見逃さず大切に育てるのも親の努めなのです。

5.消極的で自ら行動することが苦手

消極的で尻込みしてしまう子どもは、受験勉強に向いていない特徴のひとつです。小学校受験では面接があり、親のサポートが入らないと答えられない子どもは合格する確率が低いかもしれません。

小学校では、主体的な対話を通して学びを深める学習法「アクティブ・ラーニング」を導入しています。消極的な子どもは、この学習法になじめず学び自体に楽しさを見出せなくなることも。

とはいえ、サポートの仕方によっては積極的になれる子どももいるため、消極的であるから受験に不向きと即断しないことが大切です。

受験の準備はいつから始めるのが最適?

試験当日の約1年前から、小学校受験の準備を始める家庭が増えています。年長になって始めるのは少し遅いかもしれません。

すでに長男や長女で小学校受験を経験している家庭では諸事情を把握しているため、始めるのが遅くてもいいでしょう。いずれにしても親子が気持ちにゆとりをもって準備できるのが理想です。

受験準備を自宅ですべてやるのか、幼児教室に通わせるのかなどによっても、準備のスタート時期は異なります。また、小学校受験に必要な科目や子どもの性格によってもスタート時期が変わるかもしれません。

子どもの小学校受験を始める時期については、子どもの特性や気持ちを捉え、親としてどのようなサポートができるか考えたうえで決めましょう。

受験に役立つスキルを身につけるなら『Wonder Code』

小学校受験を考える際、受験に向いているか向いていないかが気になる親御さんへ、今回は受験の「向き不向き」をテーマに挙げました。

まず大切なのは、子どもの特性を活かし伸ばしてくれる小学校を選ぶことが大切です。小学校受験が子どもの成長にプラスと判断でき、受験に必要なスキルを身につけたいと考える際、初めて受験の向き不向きが課題になるかもしれません。

小学校受験に向いている向いていないにかかわらず、子どもの意欲や個性を伸ばしたいと考えているのであれば、Wonder Codeがおすすめです。

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