去る2020年、小学校でプログラミング学習が必修化され注目を集めました。とはいえ、保護者の中にはプログラミング学習が小学生の子供の能力にどのように影響を与えるかイメージできていない人も多いのではないでしょうか。今回は、小学生からプログラミングを学ぶメリットについてご紹介します。

子供に早くプログラミングを学ばせたい!

子供に物心が付いてくると、どの習い事を選択すべきか悩む人も多いでしょう。子供や大人に限らず、新しいことを始める時期はなるべく早いに越したことはありません。人生に与えられた時間は有限であるため、迷っている時間を学習にあてたほうが有意義だといえるでしょう。


さらに子供の場合は、習い事は9歳までに始めることがよいと言われています。なぜなら、9歳までに未経験のことや苦手だと認識したことは、これ以降も距離を置きやすくなるからです。文部科学省が提言する「子供の成長過程における発達段階ごとの特徴」によると、子供は小学校高学年(9歳以降)に物事をある程度対象化して認識できるようになるのだそう。よりわかりやすく解説すると、9歳頃に自分と他人を比べたり自分を客観視したりすることができるようになるのです。

この変化は、自分の得意分野を認識するために必要なものであり、反対に苦手分野を避けるようになることにもつながります。9歳までに未経験のことや苦手だと認識したことは、これ以降も距離を置きやすくなるのです。以上のことから、子供に何か新しいことをさせたいのであれば「苦手意識の付きづらい小学生の低学年まで、つまり9歳までに学ばせたほうがいい」といえるでしょう。

参考:文部科学省「3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」

プログラミング学習が注目されている理由

小学生からプログラミングを学習することでさまざまな能力が得られます。中でも「プログラミング的思考」という考え方が身につく点は、注目されている理由の一つです。文部科学省でも小学生のプログラミング必修化は、このプログラミング的思考を養うためのものであると説明しています。


プログラミング的思考とは、以下の2つを組み合わせた能力です。

  • 物事を抽象化する能力
  • 思い通りの動きをさせるために必要な能力


例えば、料理を作る手順を想像してみましょう。「今夜はカレーを食べたい」と思ったときには、カレーに必要な材料や工程を想像しますよね。これを抽象化といいます。そして実際に作るときには、野菜の皮むきや煮込み時間の把握などの作業を行います。これが思い通りの動きを実行するために必要な能力です。

つまり、自分が頭の中で考えていることや曖昧な事象を言葉にして、定量的に相手に伝えたり実行に移したりする能力が、プログラミング的思考です。

小学生からプログラミング的思考を会得すれば、目標達成のために必要な工程を考えたり、最短の方法や最善の方法を考えたりする力が身につきます。プログラミング的思考は職業としてのプログラマー・エンジニアだけではなく、あらゆる業種やビジネスで求められる力だといえるでしょう。

小学生でプログラミングを学ぶ7つのメリット

プログラミングを習っていない世代の保護者にとっては、小学生がプログラミングを覚えることでどのようなメリットにつながるのか、イメージしづらい人も多いのではないでしょうか。プログラミングによって向上するスキルは、コードの組み立てを覚えられるといった表面的なものだけではありません。

ここでは、小学生でプログラミングを学ぶ7つのメリットについてご紹介します。

小学校で必修化するため、よりスキルの向上につながる

2020年度より、小学校でプログラミングの授業が必修化されました。そのため、小学生の頃からプログラミングの授業で確実にスキルを身につけられます。しかし、授業とは別途プログラミングを学ぶことで、授業の理解度や進行度をスムーズにすることが可能です。

テストや課題などによる成功体験は自信につながり、学習意欲を向上させます。さまざまなメリットを持つプログラミングの授業にモチベーションが高い状態で臨めることで、プログラミングによってもたらされる能力の向上につながるでしょう。

IT化・グローバル化が進んでいるため、将来の仕事に役立つ

今、世界はIT化・グローバル化の真っただ中です。さまざまなサービスにIT技術が取り入れられ、技能を持った人材の需要が高まり続けています。小学生からプログラミングを学んでおけば、将来の仕事に役立つでしょう。

IT系やWeb系の就職・転職にはもちろん、一見関連性のない業種であっても、小学生の頃に身につけたプログラミングの知識は無駄にはなりません。ホームページやネット通販、Web広告、ネットユーザーの動向など、プログラミングの知識や技術をあらゆる場面で大いに生かせます。

想像力がつく

小学生からプログラミングを学ぶと、豊かな想像力が養われるでしょう。プログラミングでは、ゴールを自分で設定して目標にたどり着くまでのルートを考えます。そのルートはアイデアの数だけ無数に存在するため、自分で考える能力が必要なのです。

どのような方法を用いれば、最小のタスクで目標を達成できるのかを考える中で想像力が広がり、さまざまな可能性を見つけられる発想力も養われます。文字の羅列であるコードから実際の仕上がりを想像する力は、プログラミングの技能向上のためにも必須です。

右脳と左脳が鍛えられる

プログラミングは、右脳と左脳の両方を鍛えられる学習です。コードを書いたり論理的思考力を働かせたりするときには左脳が活発になり、バグが起こった原因を考えたり仕上がりを想像したりするときには右脳が活発になるといわれています。

小学生の頃からプログラミングを学べば、自分の気持ちや発想を言葉にする言語化能力と、自分ならではの考え方を持つために必要な想像力を鍛えられます。どちらも社会で働くうえで必要な能力であり、どちらかのみを鍛えればよいわけではありません。

仲間と成し遂げる達成感が得られる

小学生からプログラミングを学ぶと、仲間とともに目標を成し遂げる達成感が得られます。プログラミングは一人で黙々と進める作業のように思うかもしれませんが、実際に稼働するときにはチームの一員として納期やスケジュールを守ることが大切です。

自分のプログラミングがチームにどのような影響を与えるのかを考えながら、周りと相談したりアイデアを寄せ合ったりして作業を進めます。努力が報われる喜びは他には代えがたいものであり、仲間と喜びを共有できるはずです。

コミュニケーション能力がつく

プログラミングでは仲間と協力し合うことが重要であるため、連携する中でコミュニケーション能力も培われるでしょう。自分の意見を誤解がないように相手に伝える力や、お互いの考えを尊重し合う力が小学生から身につきます。

プログラミングでは、順調なときはもちろん、トラブルが起こったときにもコミュニケーション能力が試されます。仲間内で犯人捜しをするのではなく、お互いに支え合いフォローし合うことで、円滑な人間関係を構築するための必要な能力を会得できるのです。

協調性が身につく

小学生からプログラミングに触れることで、仲間と協力するために必要な協調性が身に付きます。一つのプロジェクトを成功に導くためには、自分だけが満足する作業をしてはいけません。

ときには、不満を抱えながらもチームに貢献することが求められ、抱いた不満を素直に伝える自己表現力も必要です。One for all & All for oneの精神が身につけば、思いやりと仲間意識を持った人間性を育めます。

小学生でプログラミングを学ぶデメリット

小学生からプログラミングを学ぶことは多くのメリットがある反面、特有の注意点も存在しています。

例えば、プログラミング学習はパソコンやタブレットなどの電子機器を用いるため、実際にノートに書いて学ぶ時間が減少してしまうことが挙げられます。電子機器とノートを用いた学習方法は、それぞれメリットやデメリットがあります。「手書きのほうが覚えやすい」子供にとっては、電子機器を用いた学習に慣れるまで時間がかかってしまうこともあるでしょう。

また現代の小学生は、物心が付いた頃から電子機器に触れる機会が多いものです。プログラミング学習を通してデバイスやガジェットに触れる機会がさらに増えるため、悪質なインターネットサイトへアクセスしてしまったり、オンライン特有のいじめが発生してしまったりする可能性がある点も注意すべき事項です。

もちろんこれらの原因は、電子機器やプログラミング学習の責任ではありません。IT技術やガジェットとの付き合い方は、学校や家庭でも教える必要があるでしょう。好奇心旺盛な子供は、プログラミング学習に用いるデバイスを通して、思いもよらない発想をするものです。

さらにプログラミング学習に利用するデバイスは、SNSやYouTubeなど小学生にとって魅力的なプラットフォームにアクセスしやすいため、学習のつもりが遊びの時間になってしまうことも考えられます。インターネットの利用制限をかけたり、保護者が近くで見張ったりするなどの工夫が必要です。

自宅で学ぶ、教室で学ぶ、どちらが早く習得できる?

プログラミングを自宅と教室どちらで学んだほうがよいかは、子供の性格やライフスタイルによって異なります。例えば、プログラミングの教室が自宅から片道1時間かかるような場所にある場合は、往復時間を学習に充てたほうが効率的ですよね。

プログラミングを自宅で学ぶメリットは往復時間を省略できることや、住み慣れた我が家でリラックスした状態で学べることです。人見知りの性格や緊張しやすい性格の子供は、あえて自宅を選択してもよいでしょう。昨今では、在宅学習により新型コロナウイルスの感染予防にもなります。

プログラミングを教室で学ぶメリットは、わからない部分をすぐに質問できたり、リアルなコミュニケーション能力が培われたりする点です。特にグループ学習の場合は、学校とは違う友達ができることで社交性が養われます。

自宅で学ぶメリットと教室で学ぶメリットをそれぞれ理解した上で、小学生の子供の環境や状況にあった学習環境を選択しましょう。プログラミングを自宅で学ぶ場合は、学習時間と休憩時間のメリハリをつけられるように、親がフォローしてあげることも大切です。

よりタメになる!プログラミングの学習方法

プログラミングを学習する際のコツは、スモールステップで成功体験を作っていくことです。プログラミングでは、最初からすべてを理解することは非常に難しいものです。プロとして活躍しているプログラマーでさえも、わからないことは逐一調べながら日々学んでいます。

学習において「わからない」「理解できない」感情は大きなストレスになります。小学生の早い段階からプログラミングにネガティブな印象を抱いてしまうと、後の学習も苦痛になり投げ出してしまうかもしれません。そのため、学習を進めながら小さな成功体験を重ねていくことが非常に重要です。

わからない部分はメモに残し、後から調べて解決する作業を繰り返しながら少しずつ知識を増やしていけるといいですよね。できることが増えていく感覚に楽しさを感じられれば、モチベーションもアップするでしょう。

プログラミング学習におすすめの教材『STEAM』

小学生のプログラミング学習において重要視されているのが、STEAM教育という考え方です。STEAM教育の思想は先進国を中心に進められており、以下の4つの分野を統合して問題解決能力の高い人材の育成を目的としています。

  1. Science(科学)
  2. Technology(技術)
  3. Engineering(工学)
  4. Mathematics(算数・数学)


STEAM教育における分野を満遍なく鍛えられるといわれているのがプログラミングです。プログラミングでは化学・技術・工学に触れながら、算数・数学で育まれる論理的思考力や問題解決能力を手に入れられます。

コンピューターやIT技術を用いるのが当たり前になっている現代で、新たな社会をけん引する人材を育てるために、小学生から取り入れるべき技能こそがプログラミングだといえるでしょう。

プログラミングを学習するなら、Wonder Code

今回は、小学生からプログラミングを学ぶメリットについてご紹介しました。プログラミングと同じく今求められている技能が、英会話です。グローバル化が進む昨今では、英会話を通じてさまざまな国や地域の人たちとコミュニケーションを取り、価値観を広げていくことができます。

そこでおすすめしたいのが、小学生からプログラミングと英語を同時に学べるWonder Codeです。Wonder Codeでは身近なテーマで子供の好奇心を刺激しつつ、楽しく主体的に学べるメソッドを取り入れています。

プログラミング的思考と英会話力が社会で求められている今だからこそ、Wonder Codeで小学生の子供の能力を最大限引き出してみてはいかがでしょうか。