子どものノートの取り方が、あまりうまくない…

ノートは、思考をまとめるための重要なツールです。頭の中で考えるだけよりも、実際に文字や図にして思考を整理することで学習の定着率が上がります。ノートを上手に取る技術は、学校だけではなく社会に出ても役立つ能力だといえるでしょう。

学校に通う子どもを持つ親としては、子どものノートの取り方はどうしても気になってしまいますよね。学習ノートなのに落書きが多く描かれていたり、ノートは綺麗に取れているのになぜか成績が上がらなかったりすることも珍しくありません。

今回は、学習が身に付きづらいノートの特徴や、勉強がさらにはかどるノートの取り方などをご紹介します。学習に本当に役立つノートの取り方を学び、子どもに適切なアドバイスを与えましょう。

学習が身に付きづらいノートの特徴

ここでは、学習が身に付きづらいノートの特徴を4つご紹介します。読みやすいノートと学習の実になるノートは、似ているようで違うものです。子どものノートの取り方を観察しながら、改善点や伸ばすべき点を見つけていきましょう。

複数のノートにまとめている

同じ分野の授業内容を複数のノートにまとめている場合は、学習が身に付きづらい傾向にあります。学習の内容を見返すときに時間がかかり、必要な情報を探している間に集中力が低下してしまいます。情報は分散させず、一つのノートにまとめるのがよいでしょう。

例えば算数の授業をノートに記載する場合「図形問題はAノート、文章問題はBノート、公式のまとめはCノート」のように分散していると、必要な情報を見つけるまでに余計な時間がかかってしまいます。手元や目線が分散することで情報をうまく処理できず、復習も困難になってしまうでしょう。

黒板の内容をそのまま書き写してしまっている

「ノートは美しくまとめられているのに学習の定着に反映されない」という悩みの原因の多くは、黒板の内容をそのまま書き写していることにあります。黒板を写すことばかりに時間と労力がとられ、肝心の内容が頭に入ってきません。

特に字を綺麗に書こうと努力している子や、ノートを美しくまとめること自体に美意識を抱いている子は「書いているのに身に入らない」という落とし穴にはまってしまいがちです。授業中にリアルタイムで内容を理解しようとする労力を使えていないため、書き写した内容を理解できないケースも多いでしょう。

色を使いすぎてしまっている

ノートに色を使いすぎてしまっている子は、学習が定着しづらい傾向にあります。本来の学習用ノートは、特に重要な部分にだけ色を使うものです。何色もの色を使っていたり、各所に赤ペンばかりを引いていたりする場合、後から見返したときにどこが重要なのかわからなくなってしまいます。

中でも陥りがちなミスは、重要度順にカラーを使い分けることです。赤や青の2種類程度なら問題ありませんが、4色、5色とバリエーションが増えるとカラフルになりすぎてしまい、見返しても混乱してしまいます。キラキラ系のカラーペンや可愛い文房具アイテムを多く持っている子どもは、特に注意を払いたいポイントです。

綺麗にノートを取ることばかりに注力してしまっている

綺麗にノートを取ることばかりに注力していると、肝心の内容がつかめなくなってしまいます。子どもの中の優先順位が、授業を理解することよりノートを取ることのほうが高くなってしまうのです。先生の声は聞こえていても頭には入ってこず「いかにノートを黒板通りに美しく書くか」が大切になっています。

もちろん、美しいノートは復習がしやすいものです。しかしノートの美しさは、授業を理解するという大きな目標があってこそ価値を発揮します。完璧にまとめられた綺麗なノートを作るだけであれば、最初から教科書や参考書を読んでいるだけで十分なのです。

頭がいい人のノートの取り方とは?

時折「頭がいい人はノートが汚い」という話を耳にしますよね。しかし、それは一概に言えることではありません。より詳細に言えば「頭がいい人は、自分にとって覚えやすいノートの取り方を理解している」ということです。

一見乱雑に見えるノートでも、自分が読めば要所や前後のつながりを理解できていればそれでよいのです。ノートは誰かに見せたり、発表して展示したりするものではありません。授業を理解し頭に入れ、テストの際に知識を思い出すためのサポートアイテムです。

頭がいい人は、黒板の通りに書き写すことはほぼありません。自分の性質を理解した上で、オリジナルの文章や記号を取り入れて記載しています。教科書や黒板だけでは理解しにくい部分に注釈をつけたり、自分なりのルールに沿ってまとめたりしています。

学習用ノートは自分さえ理解しやすければ、美しくなくても字が汚くても、どのように描いてもよいのです。

【小学生低学年向け】見やすいノートのまとめ方・コツ

ここでは、小学生低学年向けの見やすいノートの取り方についてご紹介します。中学や高校に入る前の、まだ授業内容が比較的簡単なうちに適切なノートの取り方を覚えましょう。小学生時代に身に付けた「ノート力」は、将来に渡って子どもの力になってくれます。

大事な部分のみ色を使う

見やすいノートづくりのためには、大事な部分のみ色を使うことが大切です。カラフルなペンでさまざまな場所に色を引いてあるノートは、一見すると「たくさん勉強している雰囲気」が演出されています。しかし当然ながら、雰囲気だけでは頭に入りませんよね。

ノートの本質的な役割は、学習への理解の定着です。そのためには、何が重要なのか・どの情報を紐づけて覚えればいいのかが大切です。重要度が分散するような書き方はやめ、地味であっても視覚的に理解しやすい取り方を心がけましょう。

教科書のページも書いておく

ノートを取るときには、書く内容が記載された教科書のページも書いておくのがおすすめです。ノートと教科書の情報が紐づけられ、記憶に定着しやすくなります。何より、ノートと教科書の往復時間を減らすことは集中力の維持に役立つでしょう。

ノートを複数使ってしまうことと同じように、情報の媒体が分散することはストレスを伴うものです。しかしノートの記載内容だけでは、どうしても思い出せない内容もありますよね。ページを書くことでリサーチに必要な労力が極力減らされ、スムーズな学習をサポートします。

ノートに余白を作る・1ページに詰め込みすぎない

ノートに余白を作ることで、視覚的に余裕が持て内容を理解しやすくなります。必要以上にページを往復しないためには、1ページに情報を多く明記すること自体は大切です。しかし情報を詰め込みすぎてしまうと視点がばらけ、重要なポイントを理解しにくくなります。

目を休めるスペースとしての余白を用意することで、そのページに何が書いてあるのかを一目で理解でき、内容を把握しやすくなるでしょう。また一定の余白は、後から追加情報を書き足したくなったときにも有効活用できます。

文字の大きさを揃える

わかりやすいノートづくりで大切なポイントは、文字の大きさを揃えることです。注釈や詳細を書き込む場合も、できれば文字を小さくせずに吹き出しやマーカーなどで工夫しましょう。ただし、重要な公式や主題などは大きく書いても構いません。

他の部分の文字サイズを統一することで、大きく書いた部分とのメリハリが生まれて理解しやすくなります。特にノートの書き取りにまだ慣れていない場合、情報の重要度は書き手の主観が影響している可能性があるものです。どの情報も平等に扱う訓練の一貫として、文字サイズの均一化は役立つでしょう。

【小学生高学年向け】見やすいノートのまとめ方・コツ

ここでは、小学生高学年向けの見やすいノートの取り方をご紹介します。学校の授業や基本的なノート取り方にも慣れてきた年齢だからこそ、今までよりもステップアップしたポイントをつかんで学習の定着率を上げていきましょう。

論点をまとめる

小学校高学年になったら、ノートを取る際に論点を簡潔にまとめる訓練をしていくことをおすすめします。授業で教わったことや教科書の内容を順番に書き取るのではなく、自分が「ここは重要だ」と思えるポイントをつかんで主題として取り込みます。

ノートをまとめ終わったあとに、授業で特に重要だったポイントを短い言葉でまとめるのもよいでしょう。テストに出てくる重要なポイントは黒板でも示されやすいため、目と耳でノートと授業を照らし合わせながら論点を探していく習慣が大切です。

図やグラフなど、テキスト以外のまとめ方も取り入れる

ノートの取り方に慣れてきたら、図形やグラフなどを用いてよりわかりやすくまとめてみましょう。例えば、三角形の面積の出し方は「底辺×高さ÷2」ですよね。テキストだけで理解することももちろん可能ですが、実際に公式の隣に図を描くことでさらにわかりやすくなります。

適当な三角形を描き、底辺と高さの部分に数字を書き、隣に「〇cm×〇cm÷2なので、この三角形の面積は△㎠」と記載することで、後から見返したときにイメージしやすくなります。自分がわかりやすくなるアイデアをどんどん取り入れ、改善していきましょう。

色は3色以内に収める

カラーペンやマーカーを取り入れる際は、3色までに収めることをおすすめします。色は使いすぎるとわかりづらくなるとご紹介しましたが、具体的な上限は3色がオーソドックスです。基本となる黒、最重要ポイントを示す赤、注釈や詳細の青、が一般的でしょう。

もしも黒以外に3色目を使う場合は、基本がペンであればマーカーのように質感を分けることで理解度が維持されます。自分がわかりやすいようにペンごとの役割を決め、3色を上手に使い分けてまとめてみましょう。

間違えた点を消さずに残しておく

高学年の子どもがノートを取る際は、間違えた点を消さずに残しておく癖を付けることが大切です。とはいえ、ノートに書くときに字を間違えたり書く部分を変えたりなどのシンプルな間違いであれば、もちろん消して構いません。

大切なのは、練習問題や暗記問題の間違いを残しておくことです。自分がどの部分で間違っていたのかを忘れないために、あえて残したまま下に続けて書いていきましょう。失敗を乗り越えて成長していく実感が持て、学習面での成功体験へもつながります。

ノートの取り方を変えるだけで、インプットが変わる!

ノートの取り方に変化を取り入れると、普段の授業や学習におけるインプット能力も変わります。ただ漫然と黒板を書き写すようなノートから、自分の理解を補佐するためのノートづくりに変化していくのです。

同じ授業でもしっかり耳に入るようになり、聞きながら「ノートにはどうやって書き起こそう」と思考を巡らせる機会が生まれます。その結果、授業における重要なテーマを聞き逃しづらくなったり、テストに出そうな部分を嗅ぎ分けられたりするなど、能力が養われるでしょう。

効率の良い勉強法を取り入れよう

 

最適な勉強方法は、子どもの個性や性格、ライフスタイルによって異なります。親にとってわかりやすい方法や学習書に記載されている方法が、子どもにとってのベストな勉強法だとは限りません。

子どもが勉強の仕方に迷っている間はアドバイスを与えますが、自ら試行錯誤を始めた時期には温かく見守ることも大切です。また子どもにとって勉強しやすい環境を作ってあげるのも親の役割の一つといえます。

家で勉強するのが難しそうであれば、カフェや図書館などに連れていってあげるのもおすすめです。子どもの個性と向き合いながら、ストレスの少ない学習法を親子で見つけていきましょう。

子どもの教育の幅を広げるなら、『Wonder Code』

今回は、学習が定着しづらいノートの特徴や、理解につながるノートの取り方のコツなどをご紹介しました。

授業参観以外で子どもの授業風景を見られない親にとって、ノートの内容は子どもの学習状態の重要な情報になります。テストの点数や成績に注目することももちろん大切ですが、ときにはノートの取り方からヒントを得つつ子どもの学習をサポートしていきましょう。

また、ノートをわかりやすくまとめるためには論理的思考力や想像力、創造力などが求められます。これらの能力を総合的に養ってくれる習い事が、プログラミングです。Wonder Codeでは、子どもの知的好奇心を刺激するメリットを取り入れながらプログラミングを学べます。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。