家庭内で両親の教育方針に相違が生じると、子供が混乱する原因になるだけではなく、保護者への不信感につながります。子供が自分らしい人生を納得して生きるためには、早い段階で家庭における教育方針を決めておくべきだといえるでしょう。今回は、家庭での教育方針を決めるための方法をご紹介します。子供の長所や短所を見極めながら、本人の意思を尊重できる教育方針について考えていきましょう。
【この記事の目次】
子供の教育方針が定まっていない…
家庭における子供の教育方針に悩んでいる保護者は多いのではないでしょうか。家庭内で教育方針が定まっていないと、子供にかける言葉への一貫性がなくなってしまいます。
父親と母親から違う言葉を投げかけられたり、矛盾する叱責を受けたりした子供は混乱し、どのように振る舞えばよいのかわからなくなってしまうでしょう。子供の親に対する疑念は、成長過程にもマイナスの影響を及ぼします。子供が健やかな心で育つためにも教育方針を一貫し、子供をどのような人間に育てたいかを家庭で共有しましょう。
家庭での教育方針を決めておくことのメリット
ここからは、家庭での教育方針を決めておくことのメリットについてご紹介します。子供が幼い頃から教育方針を決めておくことで、心の成長にもつながります。保護者の感情を一方的に押し付ける育児にならぬよう、教育のコンセプトを確立しておきましょう。
子供の受験などに役立つ
家庭内で子供の教育方針を決めておくと、子供の受験時に役立ちます。特に小学校受験をする場合は、家庭での教育方針は審査における重要なポイントになります。なぜなら、学校は教育理念に合った子供を選抜したいと考えるからです。
教育方針が一貫していないと曖昧な返答となり、面接で落とされてしまう可能性があります。また、受験用に無理やり教育方針を一貫させた場合も、入学後に周りと価値観が合わずに浮いてしまうことが考えられます。
塾や予備校などに入学させる際も、家庭での教育方針が定まっていると相性のよい授業や講師に出会いやすくなるでしょう。受験や学習において、子供がどのような環境で育っているかを周りに明確にアピールできる状態は、子供の能力をより引き出すためのきっかけとなるのです。
夫婦で子供のことを話し合う時間が作れる
家庭内で子供の教育方針を決めるためには、夫婦で時間をかけて話し合う必要があります。夫婦にとって子供は平等に大切な存在ですが、お互いが子供に抱いているビジョンは違うものです。家庭で子供に一貫した教育をするためには、夫婦で意見をすり合わせる必要があります。
話し合いの過程では、お互いの価値観の違いに気づいたり歯がゆい気持ちになったりすることもあるでしょう。しかし、子供という大切な存在の現在と未来における教育方針を話し合うことは、夫婦間の重要なコミュニケーションになります。
家庭内で腹を割って話すことで、子供に対する責任感を再認識できます。夫婦間でお互いの新たな一面を知れたり、愛情が深まったりすることもあるでしょう。子供の教育方針について話すことは、家族のライフプランや家庭のあり方にも大きく影響するのです。
目標が明確になる
家庭内で子供の教育方針を決めておくと、子供をどのように育てるのかというビジョンを夫婦で共有できます。結果、子育てにおける目標が明確になり、進路や習い事を決める際にも迷いづらくなるでしょう。
子供にとっても、親が自分にどのような成長を求めているかを判断しやすく、努力の方向性が一貫します。教育方針に基づいてビジョンを決定することで、子供に与えたい教育や、現在の子供に不足している能力を冷静に分析しやすくなります。
家庭内で教育方針がまとまっていないと、子供に求める将来性やスキルなどが曖昧になってしまいがちです。子供自身も、自分がどのような大人に成長するべきなのかがわからなくなってしまいます。「こんな大人になってほしい」と保護者の口からハッキリと伝えることで、子供は自分で目標を設定しやすくなるでしょう。
子供の個性や才能を伸ばせる
家庭内で子供の教育方針を明確にすることで、子供の個性や才能を伸ばしやすくなります。
例えば、子供が幼少期から多くの才能を持っている場合、一方からは特定分野の学習ばかりを求められ、もう一方からはオールマイティーに学習することを求められると混乱してしまうことでしょう。夫婦間で教育方針を一本化することで、子供が持つ個性や才能を潰さずに育てられるのです。
また、夫婦間で同じ教育方針を持っていると、共通の目標のもとに子供の学習に役立つ情報を持ち寄れます。子供が家庭内で安心して学べる環境が生まれ、迷いがない状態で努力を重ねられるのです。
子供の個性や才能を潰したくない!
家庭内で子供の教育方針を決めることは、子供の健やかな成長において重要です。しかし保護者としては、「子供と相性の悪い教育方針を設定することで個性や才能を潰してしまうのでは」という不安を抱えてしまうこともあるでしょう。子供の個性や才能を伸ばすためには、本人の意思が尊重されていることが大切です。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、子供自身が楽しんでいることや得意なことに真っ直ぐ進める家庭環境が、子供の才能を伸ばします。
「やりたい・極めたい・楽しみたい」という子供の気持ちを、自然な形で昇華するために必要なのが家庭内での教育方針の一貫性です。教育方針が明確であることで、子供は自信を持って自分らしい生き方を選べるようになります。教育方針とは、「これをやれ、あれはやるな」と子供の可能性を制限するものではありません。子供が安全な環境で自分らしさを発揮するために必要な、セーフティーラインでもあるのです。
家庭での教育方針を決める5の方法・ポイント
ここからは、家庭での教育方針を決めるための方法や、意識するべきポイントについてご紹介します。闇雲に保護者の理想を押し付けるのではなく、子供の個性や性格を尊重した上で決めていきましょう。
最終的な目標を決める
家庭で子供の教育方針を決める際は、最初に最終的な目標を設定しておくことをおすすめします。目標がない状態で教育方針の案を出してしまうと、「結局どのような大人になってほしいのか」が曖昧になり、子供を混乱させてしまいます。
表面的な教育ではなく精神的に一歩ずつ成長できる学びを与えるためにも、明確な目標を決めましょう。最終的な目標がハッキリしていれば、子供の教育のために不足している要素や現状維持するべき要素などがわかります。
目標を決める大きな理由は、子育てに必要なプロセスを判断するためです。家庭内で目標がシェアされることで、子供は安心して学習に取り組めます。また、目標がある上で教育方針を決めると子供が「自分がどう成長するべきか」を理解できるため、情緒の安定にもつながるでしょう。
夫婦で共通の指針を持つ
家庭で教育方針を決めるためには、夫婦で共通の指針を持つことが大切です。例えば一方が「誰にでも優しく思いやりがある子に育ってほしい」と思っていても、もう一方が「闘争心や競争心が強い大人になってほしい」と思っていた場合、家庭内での教育方針が一致しづらくなるでしょう。
夫婦で教育の指針が違うと子供が混乱するだけではなく、矛盾した物言いをする保護者に対して尊敬の意識が低くなってしまいます。保護者を尊敬できない子供に、教育方針を伝えようとしても難しいものです。
夫婦間でお互いの価値観のぶつけ合いになってしまう場合は、どちらかが会話の主導権を握ることも大切です。相手の意見も聞き入れつつ、普段から子供と接する時間が長いほうの意見を優先したり、より子供の心情に寄り添った意見を尊重したりするなどして、教育方針の妥協点を探していきましょう。
子供の長所・短所を書き出す
家庭内で教育方針を決める際には、子供の長所や短所を書き出す方法をおすすめします。社会で生きていく上でどうしても外せない要素でない限りは、子供の苦手な部分を無理やり伸ばす必要はないケースも多いものです。
短所に焦点を当てると子供を叱る回数が増え、自己肯定感が下がりがちに。反対に、長所を伸ばす教育方針を設定することで子供を褒める機会が増えます。自分を認めてもらえる実感を持てた子供は自己肯定感が上がり、挑戦意欲やコミュニケーション能力などが上昇していくでしょう。
子供の長所を明確に見極めるためには、子供を観察するだけではなく特徴を視覚化させることが重要になります。家庭内で話し合いをしやすくするためにも紙に書き、わかりやすい形で思考を共有していきましょう。
子供の将来の夢や目標を組み込む
家庭内で子供の教育方針を決めるときには、子供自身が抱いている夢や目標を組み込むことが大切です。例えば子供が「将来はメディアに出るような有名人になりたい」と思っているのにもかかわらず、保護者が「将来は社会に役に立つような人間になってほしい」という教育方針を持っていると、双方のビジョンが噛み合いません。
ただし、子供が抱えている夢は一過性のものであったり、夢の実現までのステップをイメージできていなかったりする可能性があります。本当に子供が求めているものは何かを見極めつつ、今抱えている夢を否定しない形での教育方針を家庭で共有しましょう。
具体的には、「有名人になりたい」という夢であれば、「目標のために努力できる人間になってほしい」や「世の中の変化に敏感に対応できる柔軟性を持ってほしい」などという教育方針にすることで、子供の夢を否定しない形での方向性を決められます。
子供が楽しんでいること・興味あることを書き出す
子供に寄り添った教育方針を家庭で共有する際は、子供自身が楽しんでいることや興味があることを書き出してみましょう。どんなに子供の能力を引き出す教育方針でも、子供が苦しんでいる状態では学習効果も半減してしまいます。
楽しめる何かがあることは、それだけで子供の長所です。子供がなぜそれを楽しめているのか、どのような感情の経緯があって興味を持てているのかなどを推察し、紙に書き出して家庭で共有しましょう。
表面的な事象だけではなく、感情の動き方に注目することが大切です。可能であれば、子供自身に「〇〇していてどんなときに楽しい?」「〇〇が好きな理由は何?」などと質問してみるといいでしょう。
子供の個性・将来を守る教育方針の具体例
子供の個性や将来を守る教育方針を家庭で決める際には、子供や周りの幸福度を上げる教育方針であることを心がける必要があります。教育方針に倣うことで子供自身がメリットを感じられると、納得感を抱いた状態で生活できるでしょう。以下に、家庭における教育方針の具体例を挙げます。
- 周りに優しく接する
- マナーやモラルを大事にする
- 周りへの感謝を忘れない
- 自分の考えをしっかり持つ
- 自分より弱い人を守る
- 自分のために他人を貶めない
- オリジナリティを大切にする
- 価値観が違う相手の考えを否定しない
- 誰かの役に立つ人間になる
- 一度失敗してもくじけない心を持つ など
家庭で教育方針を決めるときに大切なのは、子供自身の心を尊重することです。子供の言動がモラルに反するものだった場合は、闇雲に叱るのではなく「なぜいけないのか」を保護者の言葉で説明できるようになりましょう。
子供が行動に至った原因に耳を傾け、褒めるときも叱るときも、教育方針と照らし合わせた上で正しい道へと導きます。明確な教育方針は子供が成長していくための指針になり、自分自身の考えを持つ上で土台となることでしょう。
夫婦で協力することが何よりも大切
今回は、子供の将来に向けた家庭での教育方針についてご紹介しました。教育方針を決定するための指針はいくつかありますが、まずは子供自身の長所や得意なことを伸ばせる方向で考えてみてはいかがでしょうか。
教育方針を明確にするためには、夫婦で協力することが何よりも大切です。家庭内での会話や方針が一貫していることで、子供が学ぶ際に迷いがなくなります。子供が自分で学習の目的を設定できる環境が整えば、学習効果はどんどん上がっていくでしょう。
そして子供が自分で決めた目標を達成するためには、プログラミング的思考を養う必要があります。プログラミング的思考とは、目標達成に向けて効率を重視し、最適な解決策を考えることを指します。
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