勉強が嫌いな子どもにとって、勉強をすることはストレスの原因です。ときには「勉強したくない!」と親を困らせることもあるでしょう。今回は、勉強したくない子どもの心理や対処法をご紹介します。子どもを理解し寄り添い、子どもの特性や性格にあったアプローチしていきましょう。子どもがなぜ勉強を嫌っているか、原因を理解することが大切です。
【この記事の目次】
子どもが「勉強したくない!」と言う理由とは?
この章では、子どもが「勉強したくない」理由をご紹介します。子どもが勉強したくない原因はさまざまですが、多くの場合、勉強に対する意欲の低下や勉強する目的を見失っている可能性が考えられます。親が子どもの心理を理解し、やる気の回復につなげましょう。
勉強する意味がわからない
子ども自身が勉強することに意味を見出せなければ、勉強に対して苦痛を感じやすくなります。本来、勉強は手段ではなく目的です。目標を達成するためや、社会で滞りなく生きるために必要なものなのです。
しかし子どもにとって大人や未来は遠い存在であり、今の自分の行動と結びつけるのは難しいかもしれません。テストや暗記など、目先の苦しさに捉われることが、勉強したくない理由の一つと考えられます。
なんとなくやる気が起こらない
なんとなくやる気が起こらないときは、勉強したくないと感じるものです。大人でもやる気が出なくて、仕事や家事のモチベーションが上がらないときがあるでしょう。大人にとって仕事が義務であるように、子どもの義務は勉強です。義務化されるとやる気が起こらないのかもしれません。
内容が難しくて理解ができない
子どもが勉強したくないときは、内容が難しくて理解ができていない可能性があります。一度学校の授業に遅れてしまうと、習ったことを理解する前にどんどん周りに置いていかれてしまいます。
子どもにとって友達に差をつけられるのは大きなストレスです。頑張っても報われない日々が続くと「もう勉強したくない」と思ってしまうのも無理はありません。
勉強に集中できない
勉強に集中できないときは「勉強したくない」気持ちが強まる傾向にあります。勉強に励もうとしてもすぐに気が散ってしまったり、ストレスがたまってしまったりするのが一因です。
「やらなくてはいけないのにできない」ストレスは、子どもの自尊心を低下させます。すぐに注意力が散漫になる自分に嫌気がさし、ストレスの原因となる勉強自体に嫌悪感を抱いてしまうのです。
「勉強しなさい!」と言われるのが苦痛
親から勉強を強制されたりしかられたりすると「勉強したくない」という気持ちはどんどん膨らみます。そもそも子ども自身は、勉強が必要で大切なことであるのは理解しています。それなのに「勉強しなさい」と言われると、ますますやる気がなくなってしまうでしょう。
親は勉強しない子どもが心配であるため「言ってはいけない」と思っていても、つい口出ししてしまいがちです。結果、子どもは「言われなくてもわかっているのに」という気持ちになり、勉強のモチベーションがさらに下がってしまうのです。
勉強よりもやりたいことがある
勉強よりもやりたいことがある場合、勉強したくない気持ちが大きくなります。例えば、友達との会話や遊び、部活など、勉強に直接関係のないことに多くの時間を使う傾向にあります。
次第に子どもは、やりたいことを邪魔するのが勉強であると認識し、学習の重要さを軽視するかもしれません。そうならないようにするためには、子どものやりたいことを尊重するのももちろん大切ですが、今の勉強が将来どのように役立つのか、子どもと共有することが求められるでしょう。
子どもの勉強嫌いを放っておくとどうなる?
ここでは、子どもの勉強嫌いを放っておくことで生じる弊害について解説します。ストレスマネジメントにおいては「嫌なことは無理にやらない」のがルールですが、子ども時代の学習の場合、話は別です。勉強を放棄するデメリットを理解し、改善方法につなげていきましょう。
授業についていけなくなる
子どもの勉強嫌いを放っておくと、学校の授業についていけなくなる可能性があります。周りと比べて成績が落ちると劣等感を抱き、勉強について友達と同じ目線でコミュニケーションを取れなくなってしまうかもしれません。
積み重なった劣等感は大きなコンプレックスに変わり、勉強ができない自分と向き合えなくなることも。学校の勉強がわからなくなると通学すらも大きなストレスになり、さらに勉強嫌いになるという負のループに陥ることにもなりかねません。
勉強への苦手意識が強くなっていく
勉強したくない子どもを放置していると、勉強への苦手意識がどんどん強くなっていくでしょう。そもそも子どもが勉強したくない理由はさまざまですが、理由の一つに勉強に対するストレスがあることが考えられます。
ストレスを避けるのは人間として自然なことです。しかし子どもが勉強を避ける場合は、勉強への苦手意識が強まり、時間が経過するほど勉強を避けてしまいがちになることも。やらないから苦手なまま、苦手だからやらない、の悪循環になってしまいます。
受験でつまづく可能性が高くなる
勉強したくない子どもをそのままにしておくと、将来的に受験でつまづく可能性が高まります。子どもによっては、受験期間に入って初めてまともに勉強と向かい合う場合もあるでしょう。
「頑張って勉強すれば追いつく」と思っている子どももいますが、勉強するという習慣はコツコツと積み重ねないと身に付きません。長時間勉強に集中できず、学びが身に付かないまま貴重な時間が過ぎ去ってしまいます。
将来の選択肢が狭まる
勉強したくない子どもを楽観していると、子どもの将来の選択肢が狭まります。例えば企業によっては大卒以上の学歴しか受け入れないことも多いものです。
基礎的な学力がないとコミュニケーション能力や語彙力も上がりづらく、面接に失敗してしまったり自己アピールがうまくいかなかったりすることもあるでしょう。
頭ごなしに怒るのは逆効果
子どもが勉強に積極性を持てていない姿を見ると、親としては思わず強い言葉でしかりたくなるものです。しかし頭ごなしに怒るのは、勉強したくないと思っている子どもには逆効果になってしまいます。
基本的に、勉強は子どもにとってストレスの対象です。嫌いなことをやらないからと怒られるのは、大人であっても苦痛を感じるものです。「やらないといけないのはわかっている」という子どもの気持ちを尊重した声掛けが重要になります。
勉強が好きな子どもの特徴
子ども=勉強嫌いというイメージがあるかもしれませんが、中には自ら率先して勉学に励む子どもがいるのも事実です。勉強嫌いの子どもとの違いを明確にした上で、習慣や価値観を見習わせてもらいましょう。
ここでは、勉強が好きな子どもの特徴について解説します。
勉強に楽しさを見いだしている
勉強が好きな子どもは、勉強自体に楽しさを見いだしている傾向にあります。勉強の先にある目標を理解することも大切ですが、ゲームや遊びと同じように「勉強そのものが楽しい」と思えれば、自ら机に向かうでしょう。
例えば、自分の知的好奇心を満足させることに快感を覚えたり、勉強を通して自分の成長を実感できたりすると、勉強が楽しくなり学力向上につながります。
勉強することのメリットを理解している
子ども自身が勉強することのメリットを理解していると、自主的に学習するでしょう。目的もなく義務感だけで勉強している子どもと、夢や目標の実現のために勉強を手段として活用している子どもでは、同じ学習内容でも理解度が異なります。
勉強の目標は成績を上げることだけではなく、将来の選択肢を広げるためでもあります。また勉強することでコミュニケーション能力や語彙力、読解力が身につくでしょう。子どもが客観的に自分を観察できる能力を持っていると、自身の成長が実感でき、メリットをさらに自覚できるに違いありません。
よい人間関係を築いている
良好な人間関係を築けている子どもは、勉強が好きな子どもの特徴の一つです。例えば友達関係が良好だと、お互いに励まし合いながら勉強を頑張れます。もともとやる気がない子どもでも、友達が頑張っている姿を見て自分も感化されるのは珍しくありません。
親子関係が良好だと、親からのプレッシャーに動じることなく自分のペースで勉強に臨めます。親の機嫌を取る必要がないため、自分なりの目的を設定して将来を考えられるからです。
子どもが勉強したくなる13の方法
「勉強したくない」子どもに対して勉強したくなる13の方法をご紹介します。子どもの性格や個性に歩み寄りながら、無理のない範囲で少しずつ試してみましょう。子どもが自ら望んだ方法があれば、見守りながらサポートしてみてくださいね。
生活習慣を見直す
勉強したくない子どもの意識を変えるためには、生活習慣を見直すことから始めましょう。例えば、朝の学習習慣を取り入れようと思っても、スマホやゲームで夜更かしばかりしていては、早起きできません。
十分な睡眠時間や栄養バランスの整った食事は、勉強に集中するために必要な要素です。スマホやタブレットの利用時間に制限を設けたり、テレビを見る時間を決めたりして生活リズムを整えましょう。特にYouTubeのような動画視聴サイトは、一度見始めると永遠に見続けてしまいます。時間を決めることが大切です。
勉強できる環境をつくる
勉強に集中するためには、環境を整えることも重要です。例えば、子どもが「勉強しよう」と思っても、学習机の周りに漫画やゲームが置かれていると集中できません。
学習時間と自由時間のメリハリをつけるためにも、必要なもの以外は学習スペースに置かないようにしましょう。また、無音のほうが集中できる子もいれば、他人の気配があったほうが集中できる子もいます。子どもの性格に合わせて環境を整えることが大切です。
勉強の大切さを一緒に考える
勉強したくない気持ちを変えるためには、勉強の大切さを一緒に考える時間を設けましょう。勉強しないとどんな大人になってしまうのか、人生でどのような弊害が出るのか具体例を挙げて、子どもの危機感を養います。
例えば、大卒と中卒の平均給与を数字で提示するのもいいでしょう。大人になるとどれだけお金がかかるのか、具体的な金額で伝えるのもおすすめの方法の一つです。とはいえ、中卒や高卒など、学歴が低いこと自体悪いことではありません。その上で、安定した生活を送るためには勉強が必要であることを伝えましょう。
親も子どもと一緒に勉強する
子どもの学習意欲を養うために、親も一緒に勉強するのも一手です。子どもは親の姿を見て学びます。自分だけ「勉強しなさい」と言われても、「親は勉強していないのに、どうして私(僕)だけがしないといけないのか」と不満を抱くでしょう。
勉強したくない子どもの意識を変えるためには、親自身の意識も変えるべきです。子どもが学校に行っている間に資格の勉強をしたり、一緒の空間で親と子がお互い目に入るように勉強したりすると、子ども「親も頑張っているのだから、自分もがんばろう」と思うはずです。
勉強を習慣化する仕組みづくり
子どもが勉強したくなる方法の一つに、勉強を習慣化する仕組みづくりがあります。わかっていても毎日コツコツ勉強するのは難しいことでしょう。そこで、勉強を習慣化できるような仕組みづくりが大切だと考えます。
生活の中に勉強というルーティーンを取り入れるためには、一日のスケジュールを整理整頓しましょう。まずは一日30分の勉強時間をスケジュールに入れましょう。習慣化できれば、自然と机に向かうようになります。
スモールステップで成功体験を重ねる
子どもの勉強への意欲を高めるためには「自分ならできる」と思える自己肯定感を養うことが重要です。「どうせ頑張っても報われない……」という気持ちでは、勉強へのモチベーションは上がりません。
自己肯定感を高めるためには、スモールステップで成功体験を重ねましょう。勉強に限らず、子どもが何かを達成したらしっかりと褒めてあげることで、子どもは「できた」と実感できます。自分で自分のことを価値ある人間と思うことができれば、勉強へのモチベーションも高まるでしょう。
集中力を妨げるものをセーブする
子どもが「勉強したくない」と思う理由には、勉強よりも楽しいものを知っているからです。勉強以外の楽しいものをセーブすれば、相対的に集中力を高められます。
漫画やゲーム、SNS、YouTubeなど、勉強への集中力を妨げるものに制限をかけましょう。ただし完全にNGにすると必要以上に子どもの反発を買ったり、反動で余計に遊んでしまったりする可能性があります。勉強時間とのメリハリをつけることが大切です。
できたことをきちんと褒める
どんな小さなことでも、できたことをきちんと褒めてあげましょう。たとえ成功したとしても失敗したとしても、取り組んだ過程も含めて褒めてあげることが大切です。頑張ったのに褒められないと、勉強したくなくなります。
子どもを褒めつつも、子ども自身に勉強の目的を意識させることも大切です。「褒められるため」が勉強の目的になってしまうと、いつまでも自主的に学習しません。褒めることは、あくまで子どもにやる気を出させるためのきっかけであると認識しましょう。
興味のある分野や教科を見つける
勉強したくない子どものモチベーションを上げるためには、本人が興味のある分野や教科を見つけることが必要です。一人ひとり考え方や性格が違うように、得意教科や興味のある分野も人それぞれです。子どもが自分から興味を持った分野があれば、好奇心を引き出してあげましょう。
特に好きな分野がなければ、他の教科と比べて成績がいい教科を選ぶのもおすすめです。人より得意なものがあるのは才能の一つです。好きや得意を引き出す教育は成功体験を生みやすく、学習への自信につながります。
一緒に勉強の計画を立てる
一緒に勉強の計画を立てることは「勉強したくない」子どもが前向きに勉強に取り組む方法の一つです。やる気がないものに対して「自分で計画を立てなさい」と言われると、子どもでなくても苦痛ですよね。苦手なことや嫌いなことほど、誰かにサポートしてほしいと思うはずです。
もちろん、子どもだけの力でやらせることも成長には重要な要素です。しかし親が一緒に考えてあげることで「つらいときには頼ってもいいんだ」という気持ちが芽生えます。
孤独な精神状態で行う勉強は大きなストレスになるものです。親だけは味方だとアピールすることで、精神的に余裕が生まれます。また一緒に勉強の計画を立てることは、子どもの学習意欲や学習能力をチェックするきっかけにもなるでしょう。
目標ごとにご褒美を用意する
勉強したくない子どもにやる気を出させるためには、目標ごとにご褒美を用意することをおすすめします。ただし、子どもがご褒美のためだけに勉強することがないよう心がけましょう。ご褒美のために頑張る子どもは、ご褒美がなくなったりご褒美のレベルが下がったりした瞬間にやる気を失います。
また勉強のストレスがたまると「ご褒美をもらうための努力=苦しい」と脳が覚えてしまい、ご褒美自体に魅力がなくなってやる気を失う原因に。事前に「ここまで頑張ったら〇〇をあげる」というのではなく、頑張った後にサプライズとして渡すのがよいでしょう。
将来の夢から逆算する
子どもの学習へのモチベーションを高めるきっかけとして、将来の夢を聞いてみましょう。子どもにとって人生は長く、大人は遠い存在です。将来の自分と今の自分を結び付けられていない場合があります。
将来の夢を聞き、逆算して必要な勉強量や時間を提示することで、勉強の必要性を認識させましょう。今と未来は別々の時間軸ではなく、今の努力の延長線上に未来があるのだと子どもに自覚させることが大切です。
塾や勉強媒体を活用する
子どもが意欲的に勉強するためには、家庭内でするだけでは限界を感じるかもしれません。無理やり考えた勉強法では、かえってやる気を下げてしまうこともあるでしょう。
そんなときには、学習塾や他の勉強媒体を活用することがおすすめです。子ども用の学習アプリや、学習用タブレットを導入するのもいいでしょう。「勉強したくない」気持ちは勉強が楽しくないことから生じることもあるため、家庭以外で勉強の楽しさを感じられるとモチベーションを上げるきっかけになります。
勉強が楽しい!と感じられる体験を積み重ねよう
「勉強したくない」と思っている子どもを勉強に向かわせるには、子ども自身が勉強に楽しさを感じることが重要です。例えば、ゲームや遊びを通して学んだり、勉強という手段を使って子どもの好奇心を満たしたりする方法が有効です。
そのためには、子ども自身が何に楽しさを感じているのか、親が知る必要があります。勉強=楽しいものだと子どもが認識できれば、親がアプローチしなくても自ら学習に向かってくれるでしょう。
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