【この記事の目次】
プログラミングとは
プログラミングとは、コンピュータが動くために必要な具体的な命令(プログラム)を順番に提示するものです。プログラミングがなければ、スマートフォンやパソコンはもちろん、電化製品や乗り物などはまったく作動しません。プログラムされたコンピュータ自体が、自分で考えたり物事を想像したりすることはできないためです。
例えば、赤ちゃんは誰からも教わらず自ら歩こうしますが、コンピュータロボットに「歩きなさい」と口頭で命令するだけでは歩かないでしょう。プログラミングとは、動くための要素や順番をコンピュータに教え、動けるようにしてあげることといえます。
プログラミング関連用語を解説
プログラミングとは、コンピュータを動かすための命令を順番に書き出すことを表します。コンピュータは、正しく命令されれば迅速かつ正確に動作し、同じ命令であれば同じ処理を寸分違わず行います。
処理能力と精度の高いプログラムとプログラミングがあれば、人間の能力以上の働きをするといえるでしょう。ここでは“プログラム”と“プログラミング言語”について解説します。
プログラムとは
プログラムとは、コンピュータに与える具体的な情報であり、順番に示される命令を指します。プログラミングとは、命令の与え方です。
ロボットに正しい歩行を教えるとしましょう。
- 足裏の重心は「かかと」→「指のつけ根」→「指先」と移動
- 足裏はべったりつけずに、「中央外側」を意識してつける
- 指先は「小指の付け根」→「親指の付け根」と重心を移動
- 踏み込みは親指
ここでいうプログラムとは、「かかと」や「指」などの部位や「移動」「つける」「踏み込み」などの動作です。プログラミングとは、「→」で表したように流れを決めたり組み替えたりすることを指します。
プログラミング言語とは
プログラミング言語とは、コンピュータとのやり取りに使用する人工言語を指します。コンピュータは「ありがとう」「こんにちは」などの日本語を理解できません。コンピュータが理解できる言語である「プログラミング言語」が必要です。
プログラミング言語には、マイナーな言語を含めると200種類以上あるといわれます。それぞれのプログラミング言語には動作上の得手不得手があるため、目的に合う言語を使う必要があります。また子どもが使いやすいプログラミング言語として、幼児にはViscuit、小中学生にはScratchやSwiftがおすすめです。
- Viscuit:自分が描いたイラストを動かせる
- Scratch:ブロックの組み合わせでゲームやアニメーションを作成
- Swift:Apple系のアプリを作成
プログラミングが得意なこと
本記事で紹介するプログラミングが得意なことは、以下の3要素です。
- 自動化
- 高速処理
- 正確処理
プログラミングの発展に伴い、日常生活は大変便利になりました。タイマー付き家電製品やATMなどは、プログラミングの得意分野が発揮された証拠といえるでしょう。
自動化
プログラミングによる「自動化」とは、同じ処理を自動的に繰り返すシステムを表します。
人間が何かを処理する際、集中して正確に作業を進めるのは可能です。しかし不安があったり疲労感が残ったりする場合は、作業スピードや正確さを保てないでしょう。プログラミングされたコンピュータは、いつでもどこでも決められた工程に従い、正確に処理します。柔軟な対応は難しいとはいえ、プログラミングは一寸の狂いもなく、自動的に処理するのが得意です。
高速処理
プログラミングによる「高速化」とは、同じ処理を高速スピードで正確にやり遂げることを指します。
たとえば、人間が100マス計算を1分前後で解けたとしても、コンピュータの計算力は人間の比になりません。日本のスーパーコンピュータ「富岳」の計算速度は、なんと1秒あたり約44.2京回(京は千兆の10倍)です。
プログラミングの得意分野には、特定の処理を決められた時間や回数でくり返し行う自動化だけでなく、処理を行うスピードの速さも挙げられるでしょう。
正確処理
プログラミングによる「正確処理」とは、プログラムが高度な正確さを保ちながら処理を行うことを指します。
人間が処理する場合は、常にパーフェクトな結果は望めません。人間の場合、長時間の作業で体力的にも疲れ、集中力が切れてしまうためです。また、休憩によって作業が中断されるほかに、疲労によってパフォーマンスが低下すれば処理結果にも影響があります。
プログラミングの得意分野とは、長時間にわたって正確な処理を続けられることにあるといえるでしょう。
プログラミングで何ができるの?
私たちの生活は、プログラミングの発達によって多くの恩恵を受けています。そこで本章では、プログラミングの得意分野である「自動化」「高速処理」「正確処理」の要素が実際に活用されている例を紹介します。
複雑な作業の自動化
プログラミングによって、複雑な作業の自動化が可能です。複雑な作業の自動化には、次のような例が挙げられます。
- GmailやiPhoneとLINEなどの自動連携
- ブログの自動更新
- Excelでの作業を自動編集
連携や更新・入力作業などは決まった行程があり、すべて手動で行うと時間や労力がかかります。しかしプログラミングの活用によって、複雑な作業の自動化や効率化が可能です。
Webサイト開発
Webサイト開発とは、プログラミングによってWebサイトやアプリを新たに作成することを指します。既存のサイトやアプリとは、TwitterやFacebook・Instagramなどのソーシャルメディア、Amazonや楽天市場などのECサイト、YouTubeを例とする動画サイトなどです。
Webサイトやアプリはプログラミングで作成されており、すべてWeb上で処理されるアプリケーションです。プログラミングを学べば、より多くの悩みを解決するWebサイトを開発できるでしょう。
電子機器・システム開発
電子機器やシステム開発とは、スマートフォンやタブレットなどはもちろん、公的機関で使われるシステムの開発です電子機器開発には、エアコンや自動車・携帯電話などが挙げられます。日常生活をさせる多くのアイテムにプログラミングが活用されています。
システム開発とは、物流配送・ATM・コンビニの商品管理など、特定の業務を効率化するための開発です。開発には、システムエンジニアが関わるのが一般的で、高度なプログラミング技術が必要とされます。
AI(人工知能)・ロボット開発
AI(人工知能)とは、コンピュータの中でも人間と同様の判断や推測が可能とされるコンピュータ(ロボット)です。AIは、イメージしやすいPepper(感情認識パーソナルロボット)のようなロボット以外にも、多くの場面で活用されています。
- 「ルンバ」物を認識して掃除する掃除ロボット
- 「Siri」音声認識によるアシスタント機能
- 「Face ID」Appleの顔認証システム
AI・ロボット開発とは、今後も家庭やビジネス・医療分野などにおいてニーズが高まるといえるでしょう。
アプリ・ゲーム開発
アプリ・ゲーム開発とは、プログラミングによってアプリやゲームを新たに開発することを指します。現在のアプリやゲームの代表例として、LINE・ドラゴンクエスト・食べログ・企業の公式アプリといったサービスが挙げられるでしょう。昨今話題である、VRゴーグルを使うVRゲームも、プログラミングのなせる業といえます。
アプリ・ゲーム開発は、今後もさらに需要が高まる分野であり、子どもたちの憧れの仕事となるかもしれません。プログラミングを学習するモチベーションにもつながるでしょう。
子どもがプログラミングを学ぶメリット
今後も、プログラミングとは切っても切り離せない社会であるのは間違いないでしょう。将来を担う子どもたちがプログラミングを学ぶのは、自然の流れといえます。
プログラミングを学ぶメリットには、次の4点が挙げられます。
- 論理的思考力を育てられる
- 問題解決能力が身につく
- 社会的な需要が高く就職に役立つ
- 作りたいものを作る手段が身につく
論理的思考力を育てられる
プログラミングを学ぶことで、論理的思考力が育成されます。プログラミングそのものに、論理的思考力の流れが含まれているためです。
論理的思考力とは、事物事象を体系的に捉えて筋道を立てて考える力を指します。プログラミングにおける論理的思考力とは、ある動作をさせるためにプログラミング言語を使用して、適した形を導き出す力です。完成したプログラムでうまく作動しないかもしれません。この場合はプログラミングを見直し、原因を探りながら組み直します。
論理的思考力とは、プログラミングの過程で身につく力といえるでしょう。
問題解決能力が身につく
プログラミングによって試行錯誤が習慣になるため、問題解決能力が身につきやすくなります。
指示の入力を間違えれば、成果物は正常に動作しません。正常な動作を目指すためには、原因の特定や必要な指示の再入力といった工程が発生します。一連の流れで目標に向かって試行錯誤しながら思考することによって、問題解決能力が自然に形成されるでしょう。
社会的な需要が高く就職に役立つ
IT化によってプログラミングの社会的な需要は上昇し、高い技術を身につければ就職にも有利といえます。
日常生活や職場における利便性や効率化が改善され、いまや第5次産業革命(コンピュータ×バイオテクノロジー)であるといわれています。子どもにとってのプログラミングとは、論理的思考身につけるだけでなく、仕事の選択肢を増やす意味で重要な学びのひとつなのです。
作りたいものを作る手段が身につく
作りたいものを作る手段を身につけることで、仕事や趣味のあらゆる面において幅が広がります。
利用者として恩恵を受けるだけでなく、アプリやWebサイトなどの作成者として、自分好みのサービスを世の中に向けて発信できるようになります。プログラミングは、論理的思考能力の獲得や社会的な需要による必要性だけでなく、自分の考えを実現できる能力でもあるのです。
子どもがプログラミングを学ぶときの注意点
プログラミングは、子どもの将来に活かせる学習です。しかし子どもがプログラミングを学ぶ際は、注意すべき点もあります。そこで本章では、子どもの心身に与える影響や親が心得ておくべき注意点について、以下の3点を取り上げます。
- 電子機器などの環境を整えなければならない
- パソコンに長時間触れることになる
- スキルを身につけるのに時間がかかる
電子機器などの環境を整えなければいけない
プログラミングを学ぶには、電子機器などの環境を整える必要があるでしょう。電子機器とは、プログラミングで使うタブレットやパソコンなどです。幼児の場合はタブレットの方が使いやすいかもしれませんが、パソコンに慣れさせておいた方が、将来に活かせるでしょう。
子どもが使うパソコンとしては、ノートパソコンがおすすめです。持ち運びに便利で、いつでもどこでも手軽に学べるため、プログラミング教室に持ち込んで通う場合でも便利です。また子どもがアプリ開発や動画編集を希望する場合は、メモリやCPU・パーツなどの検討が必要でしょう。
パソコンに長時間触れることとなる
プログラミング学習とはいえ、長時間パソコンに触れると、ブルーライトを多く浴びることになります。ブルーライトとは、パソコンやスマートフォンから発せられる青色光です。強いブルーライトを長時間浴びると、視力や睡眠に影響を与えるといわれます。
視力低下については、文科省調査(2022年)で「小学校高学年で大人の平均に達するほど、近視が進行している」との調査結果が出ています。睡眠に関しては、長期的な影響はまだ解明されていません。しかし体内時計の乱れが起こるといわれているため「寝る前にブルーライとを浴びない」「睡眠時刻を守る」など、ルールを決めておくことは必要でしょう。
スキルを身につけるのに時間がかかる
プログラミングは、習得までに多くの時間が必要です。プログラミング言語にもよりますが、基礎を養うには一般的に200~250時間が必要だといわれます。200~250時間とは、毎日30分のプログラミング学習なら1年半、週1回60分のレッスンに通えば、約5年に該当します。
成果が見えなければ、親も子も不安になるでしょう。ただ、何事も身につけるまでには時間がかかります。長期目線で地道に学び続けるのが大切です。
子どもがプログラミングを学ぶ方法
子どもがプログラミングを学ぶ方法には、次の3つが挙げられます。
- 学校教育
- 書籍や動画
- プログラミング教室
学ぶ場所や方法によって、学べる内容が異なるでしょう。また初心者と習った経験がある子どもとでは、学び方は違ってきます。
学校教育で基礎的なスキルを習得する
学校のプログラミング教育とは、基礎的な考え方の習得に重点が置かれる教育です。つまり学校におけるプログラミングとは、プログラミング的思考(論理的思考力)の習得にあるといえるでしょう。
例えば、算数で正多角形を作図したり、理科で電気を点灯させたりする学習内容に「何をどの順番で、どのように並べたり組み合わせたりすればよいのか」考えるプロセスを取り入れています。またパソコンを使わず、カードを使ってプログラミング的な考え方を養うなどの工夫がされています。
書籍や動画などで学びを深める
自分のレベルに合う書籍を選び、実際にタブレットやパソコンを使いながら、より実践的にプログラミングの習得を目指します。また、YouTubeをはじめとする無料コンテンツを使って学ぶ方法もあります。評価の高いコンテンツを参考に、少しずつステップアップすれば、プログラミングを身につけやすくなるでしょう。
初心者の場合は、書籍や動画だけでは習得が難しいかもしれません。その場合は、教室やオンラインを通して、質問したり疑問点を解決したりする方法が有効です。
プログラミング教室に通う
プログラミング教室は、抵抗感なく楽しみながらプログラミングを学べる場所です。先生から教えてもらえるため、分からない部分はすぐに質問できる点がメリットのひとつです。
また、同じ目的で通う友達がいるため、教え合ったり競い合ったりしながら学べます。自分ひとりでは解決できないことも、先生のアドバイスや友達のやり方からヒントを得て、問題を解決できるかもしれません。授業料が必要ですが、レベルに合わせて専門家から系統的に教わる環境は、子どものプログラミングスキルの向上に役立つでしょう。
早い段階でプログラミングのスキルを身につけよう
プログラミングスキルを身につけるには、時間がかかりますが、だからこそ早い段階から始めると効果を感じやすいでしょう。
プログラミングとは、目的を達成するための道筋を考え、実際に手を動かすための技術を習得できます。失敗から原因を分析し、プログラムを修正したり入れ替えたりするなど、問題解決の方法も学べるでしょう。プログラミングを早い段階から始めて将来に活かせるスキルを身につけられれば、仕事の選択肢を増やしたり、趣味の幅を広げたりできます。
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