子供に自学は必要なの…?

自学とは主体的な学びです。すぐ終わる自学であっても、自分の興味のある内容を学習することで、内容理解が深まるだけでなく、さまざまな分野の学びにつながります。つまり、専門的で統合的な知性を養えるのです。自学力は、進化し続ける現代社会において必要な能力といえるでしょう。

そこで今回は、自学と自習の違いを明らかにした上で、自学についての理解を確かめます。また、親が子どもに自学させる場合のコツや、すぐ終わる自学ネタの紹介するため、参考にしてみてください。

自学の意味とは?自習との違い


自学と自習には、次のような違いがあります。

  • 自学とは、自分の力で学ぶこと
  • 自習とは、自分一人で学ぶこと

自学とは、先生や親から教わることなく、自ら学ぶ姿です。何をどのように学ぶかも、すべて自分で決めます。まさに自学は、主体的な学びといえるでしょう。

自習とはは、先生や親に頼らず一人静かに学ぶ姿です。他人に頼らず一人静かに学ぶことは、自学と似ているかもしれませんが、学ぶ内容は自学と異なります。自習で行う学習は、先生や親から教わった内容です。内容理解や技能習得に至るまで、ひたすら練習する姿が自習といえるでしょう。

つまり、自学が自分の興味や関心が起点になっていることに対して、自習は人から教わった内容を学び直す意味であると解釈できます。

自学することで得られるメリット

すぐ終わる自学であったとしても、自学で得られるメリットは自分の身になる事柄が多いといえるでしょう。自学は「知りたい」という欲求に沿うためです。

子どもは、自分の思いに沿って自学の内容を選び、学び続けます。初めは人から教わったり、すぐ終わる内容の場合もあるでしょう。ただ自学は興味から始まるため、自学を通して次のようなメリットを得られます。

 

  • 学習の習慣ができる
  • 短時間でも身になる学習ができる
  • 集中力が養われる
  • 自分が好きな学習に出会える

学習の習慣ができる

自学がすぐ終わるものであっても、学習習慣が身につきます。自学は、学びたい気持ちが根底にあり、目的設定や計画立案などが主体的であるためです。

例えば「流暢に英語を話したい」と思えば、アプリやYouTubeを利用し自学を始めるでしょう。「どうやったらうまく発音できるか」と考え、改善を繰り返すかもしれません。

すぐ終わる自学であっても、続けることで学習が習慣化されます。目標設定・計画・実践。結果分析を持続する力が身につき、自学の基礎が養われるでしょう。

短時間でも身になる学習ができる

自学は主体的な学びであり、思考力を育てられます。

例えば、子どもが大人から言われて渋々机に向かい、教科書の内容をノートにまとめるとします。すぐ終わることなく、1時間。まったく無駄とはいえませんが、ただ「書いただけ」となるでしょう。

自学の場合、「この問題を一人で解くぞ」と決めて取り組みます。集中して、たった5分。すぐ終わる自学であっても、活発に脳は働きます。自学で解いたノートから、思考の過程が見てとれるでしょう。すぐ終わる自学であっても、身になる学習といえます。

集中力が養われる

目標を定めて自学を行うと、集中して学べます。自学には「~したい」といった欲求に加えて、目標が明らかであるため集中力を必要とします。

例えば、すぐ終わる自学として「10分間で計算20問全正解!」に挑戦するとします。時間を意識してテンポよく解くのはプレッシャーがかかりますが、目標があるため集中してできるでしょう。

すぐ終わる自学であっても、集中して物事に取り組むことで、理解や技能の向上につながります。

自分が好きな学習に出会える

自学が当たり前になると、本当に好きな分野に出会えるチャンスが広がります。

人から言われた課題を行うだけの自習と異なり、自学は学びたい内容に取り組むため知的好奇心を刺激します。

サッカー好きな子が好奇心の延長で、身体づくりやトレーニング法を自学するとしましょう。自学の過程で、食事に興味をもち始めるかもしれません。すぐ終わる自学であっても、学びの幅を広げ、眠っている好奇心を呼び起こす可能性があるのです。

自学はすぐ終わる内容でもOK!

自学は、人から教わったり誘導されたりせず、自分の興味に従って学びたいように学べます。そして、すぐ終わる自学でも問題ありません。自学は「〇〇したい」「〇〇が好き」といった感情から始まっています。すぐ終わる自学であってもスタートは同じでしょう。

好きなことに取り組む自学の場合、脳内には記憶力を高めるドーパミンが働いています。つまり「好き」であれば行動だけでなく、脳内にもプラスの変化を与えるため、すぐ終わる自学であっても意味があるのです。

自学後にポジティブな感情が残ればOK!すぐ終わる自学を毎日継続していけば、学習そのものを楽しめる子に育つでしょう。

初めてでもできる自学のコツ

自学を初めて行う場合でも、取り組みやすい自学のコツを紹介します。自学を難しいものだと捉えず、すぐ終わる自学でもOK!と思って始めるのがポイントです。自学のコツは4点あります。

  • 時間を決めて行う
  • スマホやタブレットでもできる方法を取り入れる
  • 自学用のノートを用意する
  • 厳しいルールを作らない

大切なのは続けること。すぐ終わる自学で一旦は理解した内容でも、時間の経過で忘れてしまうかもしれません。効果を上げるためには、毎日続けていきましょう。

時間を決めて行う

集中力をキープする必要があるため、自学は時間を決めて行うことが重要です。

すぐ終わる自学であっても「少しだけ本を読む自学」より「〇時までの15分間本を読む自学」の方が、集中できます。また、漠然と「漢字を1ページやる」とするより「15分でどこまで漢字を書けるか」とした方が、自学のモチベーションも上がるでしょう。

自学がすぐ終わるものであっても、タイマーやストップウォッチなどを使い時間を区切って行いましょう。

スマホやタブレットでもできる方法を取り入れる

すぐ終わる自学でもあっても、スマホやタブレットを効果的に取り入れましょう。

教科書とノートでアナログ的な自学に価値を置く先生や親がいるかもしれません。ただ、子どもが「スマホやタブレットで自学したい」と思う場合は、興味や好奇心を尊重した方が効果が上がるでしょう。

スマホやタブレットを使えば、学習内容をより効率的に学べるでしょう。またスマホやタブレットによる自学で、弱点を発見でき、学習の理解を深められる良さもあります。

自学用のノートを用意する

自学ノートは、子どもの自学状況を記録するために必要です。すぐ終わる自学であっても、必ず自学を記録に残しましょう。自学ノートの必要性は、大きく分けて3つあります。

  • 自学の「振り返り」ができる
  • 自学の「成長」が見て取れる
  • 自学から「好き」や「興味」が分かる

「自学の記録を残す」ことは、子どもの励みになります。すぐ終わる自学でも、続ければ自学のコツが分かり、自学の内容も充実するでしょう。自学ノートを通して自分の成長を実感できれば、自信につながります。自学ノートに記録を取り続けると、自分の得意や興味が見つかるかもしれません。「自分は何が好きか分からない」と感じる子ほど、自学ノートで自分を知ることができるでしょう。

厳しいルールを作らない

自学について、最初は大人の手助けが必要でしょう。とはいえ自学は主体的な学びであるため、大人による厳しいルールは弊害になる可能性があります。

自学は、子どもが楽しみながら学べるのが理想です。すぐ終わる自学であっても、大人が指示したり、自学のやり方が悪いからと叱ったりしては、子どもが「自学はいやだ」と思ってしまいます。自学のルールを作るにしても「すぐ終わる自学でも毎日続ける」など、子どもが達成しやすいルールにしましょう。

すぐ終わる!小学生の簡単な自学ネタ11選

すぐ終わる自学ネタは数多くあります。小学生向けの簡単な自学ネタとしては、教科書の要約・漢字の練習・テキストの書き写しなど、意外とすぐ終わるものが挙げられるでしょう。

また自学で辞書の言葉を分析したり、小説を書いたりすることは、子どもの興味を広げたり深めたりするネタといえます。すぐ終わる自学であっても、続けていけば大切な「自学ノート」になるでしょう。他にも自分を知るためのネタとして、すぐ終わる自学の例を紹介します。お子さんがやりやすい自学ネタを探してみてください。

教科書を要約する

教科書の要約は、すぐ終わる自学ネタとして使えるでしょう。

要約は、学校で習った内容を本当に理解しているのか確かめるには、とっておきの方法です。自学で教科書を要約すると、読解力や表現力を伸ばせます。例えば「弟に分かりやすく解説するには?」と考え、できるだけ平易な表現で要約するのに挑戦することも、自学ネタのひとつです。また「5分で要約」と時間を決めてやると、すぐ終わる自学でも集中力を高められます。

同じ漢字を繰り返し書く

同じ漢字を繰り返し書くことは、意外とすぐ終わる自学ネタといえます。学校から宿題として出されるかもしれませんが、自学ではやり方を少し変えましょう。

例えば、特に難しい漢字を選んで自学ノートに練習します。字画の多い植物(薔薇や躑躅など)や動物(麒麟・蝙蝠など)を選び、何度も練習する自学です。すぐ終わる自学とはならず、夢中になって練習を続けるかもしれません。一般教養として楽しく学べる自学ネタといえます。

テキストを書き写す

テキスト(文章)を書き写すことは、すぐ終わる自学ネタとして始めやすいかもしれません。自学では、自分が好きな文章を選んで書き写します。あるいは「意味が分からない」文章のみを選べば、すぐ終わる自学として子どもがやりやすいでしょう。

書き写す(視写)行為には、以下のような効果があります。

  • 内容を理解できる
  • 表現のよさを味わえる

自学に視写を取り入れると、主述関係や句読点の位置などから、文章や段落同士のつながりが見えてきます。すぐ終わる視写であっても、内容をより正確に理解できるのです。また書き写す自学で、読むだけでは分からない表現の豊かさに気づけるでしょう。

間違えた問題だけをもう一度解く

テストや模擬試験などで間違えた問題は、自学ノートでもう一度解きましょう。たった1問、すぐ終わる自学であっても、丁寧にやり直せば力がつきます。

「なぜ間違えたのか」「どこで間違えたのか」など、自学的に詳しく分析するのです。自学ノートにやり直せば、気づかなかった落とし穴が見えてきます。発見した落とし穴や間違えないためのコツのみを自学ノートに書き込めば、すぐ終わる自学となり、やる気にもつながるでしょう。

教科書を音読する

すぐ終わる長さの文章であれ、音読は脳を活性化させます。自学のスタートに音読すれば、事後学習に良い影響を与えるでしょう。また読解力にも好影響を与えるため、教科書の理解を深めたい場合はおすすめです。

すぐ終わる自学とはいえ、次のように工夫してみましょう。

  • ニュースキャスターのように説明文を読む
  • 俳優や女優になったつもりで会話文を読む
  • 音読の声を録音して自己分析をする
  • 家族や友人に聞いてもらって感想を聞く

すぐ終わる自学に工夫次第で価値が生まれ、コミュニケーション力の向上にも役立つでしょう。

辞書の言葉を分析する

辞書の言葉を分析することは、すぐ終わる自学ネタです。言葉に興味をもつ子に合う自学といえます。

自学ノートに分からない言葉を書き出して意味を調べると、関連語句を知べたくなるかもしれません。言葉は、派生的に広がります。すぐ終わる自学とはいえ、子どもによっては尽きない自学ネタとなるでしょう。

自学で「紙一重」の意味を調べたのちに、十二単(じゅうにひとえ)を思い出し、一重(ひとえ)と単(ひとえ)のつながりに気づく子がいるかもしれません。

すぐ終わる自学であっても、派生的につながる世界を実感すれば、自学に楽しさを見い出すでしょう。

短い小説を書く

すぐ終わる自学として、音読や視写をくり返す過程で「少し書いてみようかな」と子どもが思えば、ぜひ小説を書かせてみましょう。

お気に入りの話があれば、まずは既存のテーマで自学ノートに書き始めるといいかもしれません。すぐ終わる短編(自学)であっても、誰に読んでほしいのか明確にしましょう。

最初は自学ノートに書いていた子が「パソコンで書きたい」と思う可能性があります。パソコンで自学させる場合も、自学ノートに、タイトルやテーマ・登場人物・起承転結などの重要な要素を残しておきましょう。

自己分析をする

自学としての「自己分析」は、自分を知ることで自己肯定感にもつながるため、すぐ終わる自学ネタとしておすすめです。

まずは、自学ノートに自己紹介を書くことから始めましょう。名前の由来・生年月日・好きな食べ物・飲み物・動物などは、すぐ終わる自学ネタです。自分が興味や関心をもつ対象について、好きな理由や背景を深掘りできる自学ノートにしましょう。すぐ終わるはずの自学が、自己分析を続けることで長時間の自学へつながるかもしれません。

思い出や感情を文字にする

思い出や感情を文字にするのは、すぐ終わる自学ネタです。自己分析と同様に、自分の見方や考え方を客観視するのに必要な学びです。

自分の感情の記録として自学ノートに書き込みます。長さはすぐ終わるもので大丈夫です。例えば自学ノートに「一日で楽しかったことベスト3」を書いてみます。理由を書き加えると、自分の内面をより深く分析できます。すぐ終わる内容であっても、毎日継続することで、自己を客観視する習慣が身につくでしょう。

マンダラートを作る

自学にマンダラートとは、想定しにくいかもしれません。マンダラートとは、マンダラ模様に似たマスにアイデアを書き込みながらアイデアを広げる技法のことです。

まず、3×3の9マスを書き、真ん中に言葉を入れましょう。すぐ終わる自学ネタにはならないかもしれませんが、漢字の熟語作りや数独に応用できます。

あるいは、テーマとして「自分」を挙げて自学ノートにマンダラートを作ります。自分が一番大事にしている言葉を真ん中のマスに置き、派生語を周囲のマスに広げていくのです。9マスであれば、意外とすぐ終わる自学ネタとなります。誰にも真似できない自学ネタとしてマンダラートを使ってみましょう。

ライフグラフを作る

ライフ(人生)グラフの作成は、自己分析や目標設定に使える自学ネタです。ぜひ自学としてライフグラフを作ってみましょう。

  1. グラフの枠組みを作成する
  2. ゴールを可視化する
  3. 数値を決める
  4. 出来事や感情を書く
  5. 印象的な出来事を選ぶ

自学ノートにグラフの枠組みを作り、目標を決めます。目標は子どもによって「100歳まで生きる」「30歳で会社をつくる」などさまざまで、グラフの数値や出来事も異なるかもしれません。ライフグラフづくりが1回ですぐ終わることになっても、時々自学で見直せば、目標や人生の見通せるようになるでしょう。

自学の効果を引き出すためには論理的思考力が大切

自学がすぐ終わるものであっても、自学の効果を引き出すためには論理的思考力が大切です。論理的思考力とは、客観的に物事を見て背景にあるものを抽出し、順序立てて解決の糸口を探る力です。

自学では、自分の興味の根源といった、物事の背景を探る姿勢を持ち続けることが重要でしょう。論理的思考力を養うには、自身に問い続ける力が必要であるためです。

自学において、問いを解決するための材を集め、材をどう組み立てるのか考察する過程を大切にします。すぐ終わる自学であっても、毎日少しずつでも「問いを生み、問いを解決するための材を組み立てる」プロセスをくり返すことで、論理的思考力は養われます。

論理的思考力を育むなら『Wonder Code』

論理的思考力を育むには、毎日の自学に「なぜ」「どうして」と問う姿勢が重要です。

『Wonder Code』では、自学の視点を大切にしながら、子どもの興味に基づき、論理的に物事を考える学習を展開中です。

例えば『Wonder Code』の自学的なカリキュラムでは、子どもが興味を持ちやすい物語から想像力を働かせ、角度や速度を計算しながらロボットを走らせるための工学を学びます。ロボットの動きから課題を抽出し、仮説検証を行いながら、思い通りに動くロボットを設計する過程を通して、論理的思考力が育まれます。

興味がある場合は、ぜひ『Wnder Code』のお問い合わせまでご連絡ください。