プログラミング言語は何から学び始めればいい?

2020年度から、小学校のカリキュラムでプログラミング教育が必修化されました。プログラミング教育に注目している親御さんも多いでしょう。

しかし、一口にプログラミングと言っても、さまざまなプログラミング言語があります。何から始めればいいのかわからないといった方もいるのではないでしょうか。

プログラミング言語によって、得意な領域や勉強法、学びやすい環境が整っているかどうかは異なります。選択方法を間違えると、プログラミングの技術が身につかないどころか、苦手意識を覚えてしまうこともあるでしょう。そこで今回は、子どもにおすすめのプログラミング言語の選び方やおすすめの学習方法を紹介します。プログラミング言語とはなにか、そしてプログラミング言語の種類についても解説するので、これを機にプログラミング学習を始めてみましょう。

そもそもプログラミング言語とは何?

プログラミング言語とは、プログラマーがコンピューターに指令を出すためのものです。プログラミング言語を用いて指令を送ることで、システムやサービス、アプリなどを開発できます。プログラミング言語はPythonやJava、JavaScript、PHPなどメジャーなものからマイナーなものまで含めると、全部で200種類以上あると言われています。プログラミング言語によって得意なことは異なり、Webページを作るのが得意な言語、Androidアプリに用いられる言語、人工知能の開発に利用される言語などさまざまです。

そのためプログラミングを学ぶときは、そのプログラミング言語がどのような領域が得意なのかを理解した上で学習する必要があります。

プログラミング言語の種類

代表的なプログラミング言語について、ご紹介します。

  • HTML
  • CSS
  • JavaScript
  • Java
  • Python
  • PHP
  • Ruby

HTML

HTMLはハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(Hyper Text Markup Language)のことで、Webページを構築する際に用いられます。厳密に言えばマークアップ言語と呼ばれるものですが、プログラミングを学習にあたって、多くの人がHTMLから学び始めます。

CSS

CSSはカスケーディング・スタイル・シート(Cascading Style Sheets)の略語で、HTMLで構築したWebページにデザインを施す言語です。正確にはマークアップ言語と呼ばれるものですが、HTMLとともに、Webサイト制作で使われます。

JavaScript

JavaScriptは、Webページに動きを付けるプログラミング言語です。ブラウザ上で動くので複雑な環境構築を行う必要がありません。そのため、初心者におすすめされることが多いです。

Java

Javaは世界中で使われているプログラミング言語です。汎用性が高いので、Webアプリ開発やAndroidアプリ開発、ソフトウェア開発など幅広い分野で使われています。

Python

Pythonは、人工知能開発の分野で注目を集めているプログラミング言語です。汎用性が高いという特徴がありながら、シンプルにコードを記述できるので、初心者でも学びやすく人気のプログラミング言語の一つです。

PHP

PHPは、Webアプリ開発の現場で用いられるプログラミング言語です。HTMLとともに記述することで、Webページに動きを付けられます。SQLとセットになることが多く、Webサイトやブログを作れるWordPressにも使用されています。

Ruby

Rubyは、Webアプリ開発やWebサイト制作、人工知能開発など幅広い分野で活躍するプログラミング言語です。日本人のまつもとゆきひろ氏によって開発されたので、日本語の情報も多く、学びやすい環境が整っています。

子どもがプログラミングを学ぶメリット

子どもがプログラミングを学ぶことで、さまざまなメリットがあると言われています。
その中でも、代表的なメリットの「論理的思考力・問題解決能力が身につく」「将来の職業の選択肢が広がる」「想像力・創造力が養われる」について見ていきましょう。

論理的思考力・問題解決能力が身につく

プログラミングを学ぶことで、論理的思考力・問題解決能力が身につきます。プログラミングでは、プログラミング言語を使ってコンピューターに的確で正確な指示を送らなければ、機能しないからです。
例えば、プログラムの文字が1文字だけ抜けていたり、全角が入っていたりするだけで、全くコードが動かないこともあります。それを解決しようとする中で、どのようにすれば動くのか、どうして動かないのかを考えることになるので、自然と論理的思考力・問題解決能力を習得できます。

将来の職業の選択肢が広がる

プログラミングを学べば、将来の職業の選択肢も広がります。プログラミング技術を持った人材は、どの分野でも重宝されるからです。現在、IT分野の人材不足は深刻です。2030年以降には40-80万人が不足すると言われてます。プログラミングを学んでいれば、売り手市場に身を置くことができるでしょう。

また、IT分野への進路を選ばないとしても、IT×その他の分野の知識を持っていると、希少な人材になれます。このように、プログラミングを学ぶことで、さまざまな職業を選択できるようになります。

想像力・創造力が養われる

プログラミングを学ぶメリットに、想像力・創造力が養われることもあげられます。プログラミングを学ぶことで、自分で考える力と、プログラミング言語を使ってアイディアを形にする力を伸ばすことができるからです。

例えば、業務を効率化するために、日常で行う作業を自動化させるといったことを思いつき、それを実行できるようになります。プログラミングを学習する過程で身についた想像力・創造力は、いろんな場面で活用できるでしょう。

子どもに合ったプログラミング言語の選び方

プログラミング言語と言っても、その種類は多いので、どの言語を選ぶのか決めることは重要です。

子どもに合ったおすすめのプログラミング言語の選び方を「難易度が高すぎないものを選ぶ」「教材が揃っているものを選ぶ」「目的に沿ったものを選ぶ」の3つの観点から見ていきましょう。

難易度が高すぎないものを選ぶ

プログラミング言語を選ぶ際は、難易度が高過ぎないものを選ぶことが重要です。難易度が高過ぎるものを選ぶと、挫折率が高く、プログラミングが嫌いになってしまう可能性があるからです。

例えば、プログラミング初心者がC言語を学習することはあまり薦められていません。C言語を扱うには、複雑な環境構築から行う必要があります。プログラミングを始めたての子どもが学ぶには、最適ではないでしょう。

子どもが学ぶプログラミング言語は、難易度が高すぎないものを選ぶことがおすすめです。

教材が揃っているものを選ぶ

教材が揃っているものを選ぶという、プログラミング言語の選択の仕方もあります。

プログラミングを学ぶ際、教材が揃っているかどうかは大事な指標です。学びやすさやエラーの解決のしやすさが変わります。
初心者向けのわかりやすい教材がなければ、どのように学べばいいのか、エラーをどう解決していいのかがわからないので、挫折率は高まるでしょう。子どもがプログラミングを学ぶ際は、学びやすさやエラーに詰まったときを考えて、教材が揃っている言語がおすすめです。

目的に沿ったものを選ぶ

プログラミング言語には、それぞれ得意領域があります。そのため目的に沿ってプログラミング言語を選ぶことも重要です。
目的を決め、それに合ったプログラミング言語を選択していないと、思ったような結果が出ず、プログラミングをおもしろくないものだと感じてしまう可能性があります。

Webページを作りたいなら、HTMLやCSS、JavaScriptを、Webアプリを作りたいなら、JavaやRuby、機械学習を学びたいならPythonやR言語を選択するといいでしょう。

質問環境が整っているものを選ぶ

プログラミング言語の選び方として、質問環境が整っているかどうかで判断するのもいいでしょう。プログラミングにエラーはつきものですが、それを質問できる場所があれば、挫折することなく楽しみながらでも、プログラミングを学べるからです。
例えば、オンラインスクールで提供されている言語などはおすすめです。仮にわからないところがあっても、すぐに質問できます。

このようにプログラミング言語を選ぶ際は、質問がしやすいかどうかを考えることは必須です。

子どもにおすすめ!人気のプログラミング言語は?

先ほどご紹介したように、子どもにおすすめなプログラミング言語は「難しすぎない」「目的に合っている」「教材が揃っている」「質問しやすい」ものを選ぶことが重要だとお伝えしました。

その観点で子どもにおすすめできるプログラミング言語は、以下の3つです。

  1. Scratch
  2. MakeCode
  3. Viscuit

それぞれの言語について、見ていきましょう。

Scratch

Scratchは、アメリカのMITメディア・ラボで開発されたビジュアルプログラミング言語です。マウスでブロックを積み重ねることが基本的な操作なので、難しいコードを使ってプログラムを書く必要がありません。そのため、子どもでも取り組みやすいおすすめのプログラミング言語です。

Scratchの操作はシンプルなものですが、組み合わせ方によって多くのプロダクトを作ることができるので、想像力・創造力も身に付きます。

MakeCode

MakeCodeは、マイクロソフト社が提供しているオープンソースのビジュアルプログラミング言語です。

MakeCodeで作ったプログラムをMicro:bitに書く込むことで、マインクラフトなどのゲームで実際に使用できます。ゲームの一環としてプログラミング言語を学べるのが、MakeCodeの特徴です。

JavaScriptブロックエディターを動かすので、本格的なプログラミング言語に触れることもできるでしょう。また、Pythonを使ってコーディングもできるので、スキルを高められる環境も整っています。初心者レベルから中級者へとステップアップもできる、おすすめのプログラミング言語です。

Viscuit

Viscuitは、合同会社デジタルポケット代表の原田康徳氏が開発したビジュアルプログラミング言語です。自分で絵を書いてプログラムを作り、それをめがねと呼ばれるアイテムを使ってコンピューターに伝えます。

仕組みは簡単ですが、絵とめがねの組み合わせ方は無限に存在するので、さまざまな動きをつけることが可能です。小学校のプログラミング教育でも採用されており、わかりやすく楽しく学べるおすすめのプログラミング言語です。

子どもは「ビジュアルプログラミング言語」から始めるのがおすすめ!

子どもがプログラミングを始める際は「ビジュアルプログラミング言語」から始めるのがおすすめです。ビジュアルプログラミング言語とは、記号や文字を使わず、図形やイラストを使ってコンピューターに指令を送るプログラミング言語です。

先ほど紹介した「Scratch」「MakeCode」「Viscuit」はいずれもビジュアルプログラミング言語となっています。

ビジュアルプログラミング言語は視覚的にわかりやすく、直感的にプログラムを組めるので、子どもが初めて学ぶ際におすすめされています。初めからいきなり本格的なプログラミング言語を学ぶと、難しく感じてしまうので、挫折する可能性が高くなってしまいます。

今回おすすめしたビジュアルプログラミング言語から学ぶことで、楽しみながらわかりやすく、プログラミングの本質を理解できるでしょう。

【初心者・子ども向け】プログラミング学習法

初心者や子どもがプログラミングを学ぶ際は、学びやすさや質問しやすい環境が整っているのかを考えなければなりません。
これらを考えると、以下の5つの方法がおすすめです。

  1. 動画投稿サイト
  2. イラストや図が多い参考書
  3. プログラミングスクール
  4. プログラミング学習アプリ
  5. ブラウザゲーム

以上5つの学習方法について、特徴やメリットを詳しく解説します。

動画投稿サイト

初心者や子どもがプログラミングを学習する際、YouTubeのような動画投稿サイトを使うことがおすすめです。
テキスト中心だとどうしてもわからない操作や動きを、動画を見て一緒に手を動かしながら学べます。今はプログラミング学習をわかりやすく解説しているYouTuberもたくさんいるので、挫折することなく楽しく学べるでしょう。

イラストや図が多い参考書

プログラミングの難しい概念や手順を理解するために、イラストや図が多い参考書を使うこともおすすめの学習方法です。
プログラミングの参考書はさまざまなものがありますが、なかにはテキスト中心の説明が多い、上級者向けの参考書もあります。

初めからそのような参考書を使うと理解できずに挫折する可能性が高いので、初心者や子どもはイラストや図が多い、入門者向けの参考書を使うといいでしょう。

プログラミングスクール

プログラミングスクールは、質問しやすい環境が整っており、挫折せずに学習を進められる点で、初心者や子どもにもおすすめな学習方法です。独学だと、どうしてもエラーの解決に時間がかかったり、どのように学習を進めていけばいいのかわからなかったりするので、挫折率が高まります。

プログラミングスクールは費用はかかるものの、メンターがついているため、わからないところでもすぐに質問して解決できます。プログラミングの初心者や子どもには、特におすすめの学習方法です。

プログラミング学習アプリ

プログラミング学習アプリは、簡単にサクッとプログラミングを始められるので、おすすめです。
プログラミング言語によっては、コンピューターに指令を送るための環境構築から始めます。ここは意外にもプログラミングに挫折しやすいところで、実際にプログラムを書く工程に進めないといったケースもあります。

多くのプログラミング学習アプリは、難しい環境構築が不要です。そのため、インストール後からすぐにプログラミングを学び始められます。

ブラウザゲーム

プログラミングを挫折せずに学ぶには、楽しみながら学習することが重要です。その要素がないと、特に初心者や子どもはプログラミングに苦手意識を持ち、挫折してしまうでしょう。その点、プログラミングを使って遊ぶブラウザゲームは、効率的に楽しく学べます。そのため、これからプログラミングを学びたい初心者や子どもも無理なく進められるのでおすすめです。

特にゲームが好きな人にとっては、遊んでいる感覚でプログラミングの知識や技術を習得できるでしょう。

子どもがプログラミングを楽しく学ぶなら『Wonder Code』

今回は、子どもにおすすめのプログラミング言語と選び方を中心に、プログラミングのメリットやおすすめのプログラミング言語、学習方法について解説しました。

プログラミング言語にはさまざまなものがありますが、子どもにおすすめなのは、図形やイラストを使って直感的にプログラムを組めるビジュアルプログラミング言語です。

ビジュアルプログラミング言語から始めれば、プログラミングの楽しさに気付き、本格的なプログラミング言語をマスターするきっかけにもなるでしょう。

お子さんにプログラミングを学ばせたいという保護者の方は、ぜひWonder Codeをご検討ください。Wonder Codeには、プログラミングを楽しく学び、挫折させない環境づくりが整っています。ぜひこの機会に、Wonder Codeへお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。