【この記事の目次】
グローバル化とは何?始まったのはいつから?
近年、子どもの教育で注目されている方針の一つが「グローバル教育」です。グローバル教育とは、テストや受験目的の学力を付ける勉強とは違い、物事を世界規模の視野で見て考える力を付けるための学習方法のことを指します。
グローバル教育は、もともと1960年代後半のアメリカで提唱された言葉です。昨今では「持続可能な社会」を考えるSDGsの理念が広まり、グローバル教育の重要性が改めて注目されました。日々複雑化・グローバル化・IT化する社会において子どもが将来的に活躍するためには、子どもの頃からグローバル的な思考を取り入れた教育を行うことが推奨されています。
今回は、グローバル教育の意味や子どもへの教育におけるヒントなどをご紹介します。私たちが生活する地球で進行している問題は、決して他人事ではありません。世界中が力を合わせて課題を乗り越えるためにも、子ども一人ひとりが視野を広げ、物事を考えていくことが求められるでしょう。
グローバル教育の3つの方向性
ここでは、グローバル教育の主な方向性を3つご紹介します。グローバル教育では、まず「自分以外の考え方や価値観を受け入れること」が重要です。他者への理解があってこそ、世界規模の問題の本質に着眼できるものです。多様性の受け入れを前提に、グローバル教育で尊重する考え方を学んでいきましょう。
地球的視野
グローバル教育では、地球的視野を持つことが求められます。私たちは個人レベルでさまざまなアイデンティティを所持しているものです。例えば性別や国籍・年齢・世代、地域、趣味・容姿など、一人ひとりが幅広い領域で「自分らしさ」を持っていますよね。
グローバル教育で必要になるのが「地球という星の一員である」というアイデンティティです。例えばある一つの国で起こっている環境問題を指摘する際も、自由な個人と「地球の一員」としての視点では違った意見になります。どの国で起こっている問題もすべて自分たちの問題であるとの認識を持ち、当事者目線で考えるための視野が大切なのです。
地球規模の問題
地球規模の問題を扱うことも、グローバル教育の重要な要素です。例えば、政治家のスキャンダルは国内の問題ですが、スキャンダルを取り扱うマスメディアの有り方は地球規模の問題となります。
情報の恣意的な操作は民衆の心理を動かし、民族のような大きなコミュニティにおける集団心理に影響します。その結果、地球規模の問題に発展していく可能性もあるでしょう。実際に今でも、偏ったメディアの情報によって事実とは異なる認識をしているケースは少なくありません。
例として挙げたマスメディア以外にも、地球規模の問題として、人種・ジェンダー・環境・平和・テクノロジー・文化・健康・経済・人権などが挙げられます。地球規模の問題に目を向け取り組むことで、グローバル教育へとつながっていくでしょう。
参加・体験・対話型学習
グローバル教育では、自分以外の他者を交えたアクティビティを重要視しています。ただ地球的問題を一人で考えるだけではなく、価値観や思想を他者と共有し、考えを深めていくことが重要です。
ディスカッションやディベートを通して他者の思想に触れることも、グローバル教育の要素の一つです。グローバル教育には多様性の受け入れが大前提として組み込まれているため、意見を交換することは地球的視野を広めていくことにも役立ちます。
グローバル教育と英語教育の違いとは
グローバル教育と英語教育は混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。英語教育は、言語としての英語を学ぶものです。2022年現在、世界の人口約75億人のうち英語話者は約15億人となっており、英語や英会話を学ぶことで地球人口の約20%と円滑なコミュニケーションが取れると考えられるでしょう。
英語教育があくまで個人レベルでの活躍や躍進をサポートするスキルである一方、グローバル教育はより広い領域を扱うものとなります。英語教育が「英語」を学ぶのであれば、グローバル教育では英語を含めた「言語」の有り方や歴史、動向、扱い方などを学ぶのです。
そのためグローバル教育の一環として、英語教育が取り入れられるケースもあります。英語を扱えることで対話できる対象や領域も増え、地球という大きな社会が抱える問題への理解にもつながっていくでしょう。
子どもの未来を広げる3つの教育法
ここでは、子どもの未来を広げるために取り入れたいグローバル教育のポイントをご紹介します。グローバルな視野を養うことは、子どもが世界で活躍できる可能性を増やしていくことにつながります。新しい考え方や視野を教育に取り入れながら、成長をサポートしていきましょう。
さまざまな国・言語の人たちと出会う機会を増やす
グローバル教育においては、さまざまな国出身の人や異なる言語を扱う人たちと出会う機会を増やすことが大切です。小学生の子どもにとっては、学校と家庭が社会の大部分です。習い事やボランティアなどの機会を設けない限りは、特定のコミュニティ外の人たちと出会うチャンスに恵まれづらいでしょう。
そのため子どものグローバル的な視野を広げるためには、親が率先して外に連れ出す必要があります。多国籍な人たちが集まる親子サロンに参加したり、英会話教室に通ったりすることなどを試してみましょう。他国の子どもたちと一緒に参加できるプチ留学や、ホームステイなどもおすすめです。
学校の成績以外で自己価値を高める
子どもにグローバル教育を行う際は、学校の成績以外で自己価値を高められるように努めましょう。受験や学校生活において偏差値やテストの点数が高いことは重要ですが、グローバルな視野を広げるためには、授業以外の体験や知識の豊富さが求められます。
授業では習わない社会問題に触れる機会を作ったり、人間関係の幅を広げるコミュニティに参加したりするなど、子どもの価値観を豊かにする環境を作りましょう。子ども自身が多くの体験を経て自己価値が高まれば、多文化の価値観を受け入れるための土壌が養われます。
世界に視野を広げて情報収集し、考える
グローバル教育において、世界に視野を広げて情報収集することは重要です。例えば、以下のような課題を与えて子どもに調べてもらいましょう。
- どうして地球温暖化が発生するのか?
- 地球温暖化の何が問題なのか?
- 今、自分たちができることは何なのか?
- 地球温暖化について、今後発生するかもしれない問題は何なのか?
地球規模の社会問題は義務教育でも学びますが、限られた授業時間の中で深掘りすることは難しいものです。知識をより深めていくためにも、家庭学習でサポートしていきましょう。
グローバルに活躍できるスキルを身につけるなら『Wonder Code』
今回はグローバル教育とは何かや、家庭でグローバル教育を取り入れる際のポイントなどをご紹介しました。
グローバル教育はただ受動的に学ぶだけではなく、子ども自身が興味を持ち、主体性を伴った形で学習することが大切です。まずは子どもが興味を持ちやすい分野を切り口とし、少しずつ体験や知識を広げていきましょう。
グローバル教育において心強いサポートになってくれるのが英語力です。「Wonder Code」では子どもの知的好奇心を刺激するメソッドを取り入れながら、英会話を含めたグローバル教育に役立つスキルを学べます。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。