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ギフテッド教育は普通の教育と何が違うの?
近年、日本でも聞く機会が増えてきつつある「ギフテッド教育」という言葉。ギフテッド教育と普通の教育の違いは、その対象者とカリキュラムにあります。
ギフテッド教育は生まれつき突出した才能をもつ子どもが対象で、能力を最大限発揮できるように学習内容や進度が工夫されています。
一方、普通の教育はギフテッド教育とは異なりすべての子どもが対象者で、社会で自立して生きていくために必要な基礎力や技能を習得するための教育だといえるでしょう。
ギフテッドの子どもが普通の教育を受け続けると、授業に違和感や物足りなさを感じたり、学習意欲をなくしたりする可能性があります。これを回避するために誕生したのがギフテッド教育なのです。
今回は、ギフテッド教育の概要とギフテッドとされる子どもの特徴、家庭におけるギフテッド教育などについて解説します。
今話題の「ギフテッド」の意味とは
ギフテッド教育の「ギフテッド」は、英単語の「gifted」に由来し、「贈られたもの」と訳せます。神あるいは天から与えられた「天賦の資質」ともいえるでしょう。
ギフテッド教育の対象領域は、数学や語学などの知覚的分野にとどまらず、絵画やダンス・スポーツなどの感覚的分野も含まれており多種多様です。
なお、子どもがギフテッド教育を受けられるか否かについて、明確には定義づけられていません。ギフテッド教育先進国のアメリカでも、州や学区ごとに判断基準が異なります。
つまり、ギフテッドの定義はあくまでも同世代の子どもと比べて突出した才能をもつ子どもを指すもので、絶対的な概念ではないといえるでしょう。
ギフテッドの子どもの特徴
ギフテッド教育を受ける子どもは幼少期から抜群の記憶力や集中力を示すことが多く、知識や技能を習得しやすいなどといった特徴があります。
ただ、勉強を積み重ねて好成績を上げる子どもと異なり、刺激に過剰反応したり強いこだわりを見せたりして、周囲を困らせる子もいるかもしれません。
ここでは、ギフテッド教育が必要な子どもに表れやすい特性について解説します。子どもがギフテッド教育を受けるべきかどうかを判断し、適切なサポートをしていきましょう。
特定の分野に突出した才能がある
子どもに突出した才能があるかどうかは、ギフテッド教育を受けさせるにあたって判断材料になります。突出した才能とは、例えば下記のようなものが挙げられます。
- 幼児で2ヶ国語のコミュニケーションができる
- さまざまな音楽を一度聴いただけで再現できる
- 小学生の時に中学校や高校の数学を理解できる
- 一度見た高度なダンスをすぐに覚えて踊る
このような才能のある子どもは、特別なプログラムが組まれているギフテッド教育を受けることで、さらにその才能を大きく開花させられるでしょう。
過度激動である
ギフテッド教育の対象となる子どもの特徴に「過度激動」という概念があります。過度激動とは、日常における刺激をほかの人より強く感じ、不快感を示すことを指します。過度に喜怒哀楽を表すため、周囲から好奇の目で見られることもあるかもしれません。
これらの特性はギフテッドの特徴である「特定の才能」とつながっており、自覚症状や周囲から受ける刺激に高い反応を示す能力の表れだといえるでしょう。
同世代の集団になじみづらい
ギフテッド教育を受ける子どもは、同世代の集団になじみづらい側面をもっています。その理由は、ギフテッドには特定の分野にのみ突出した才能を表す子どもがいるためです。
たとえば、数学で稀有な才能を発揮できても身体能力が極端に低く、大きな劣等感を味わうケースなどがあるでしょう。また、ギフテッド教育が必要な子どもには精神面や社会性に遅れのある子もいて、同世代の子から距離を置かれてしまうケースも考えられます。
質問が多く完璧主義な傾向にある
質問が多く完璧主義である点も、ギフテッドの特徴だといわれています。ここにはギフテッドの特性である「並みはずれた好奇心」が関係しており、物事に対する関心が非常に高く、社会問題についても深く知ろうとする姿勢が表れています。
ギフテッド教育を受ける子どもは物事の詳細まで完璧に知りたい気持ちが強いため、どうしても質問が多くなってしまうのです。
ギフテッドの子どもに合わせた「ギフテッド教育」の特徴
ギフテッド教育は、先天的に特別な才能をもつ子どもに対しておこなう特別プログラムであり、突出した個性を可能な限り伸ばすことが主な目的です。
そのため、ギフテッド教育では個に応じた教育方法が採用されており、普通の教育のように画一的な学習内容と速度で学習するスタイルではありません。
ここでは、そのようなギフテッド教育の特徴を具体的に解説します。
子どもの突出した能力に合わせてカリキュラムを組む
ギフテッド教育の先進国であるアメリカでは、ギフテッドの子どもがもつ能力に合わせた特別なカリキュラムが用意されており、具体的には下記のような方式が採用されています。
- エンリッチメント方式
- プルアウト方式
- アクセルレイト方式
エンリッチメント方式とは、通常級において授業を受けながら、特別な課題を与えられるギフテッド教育のことを指します。プルアウト方式は通常級に通いながら別枠でギフテッド教育を受けるスタイルであり、アクセルレイト方式とは飛び級や飛び入学などを認める方式です。
このように、特定の能力を最大限生かすことを目的に、個に合わせて柔軟なカリキュラムを作成するのがギフテッド教育の特徴でしょう。
個々が抱いている問題へのサポート・支援が行われる
ギフテッド教育は、突出した才能を伸ばすだけの教育ではありません。特別な才能をもっているがゆえに悩みを抱える子どもを、サポート・支援する教育だともいえます。
実はギフテッド教育が必要な子どものなかには、発達障害などをあわせもつ子どもたちも多くいます。また、ギフテッド教育でない普通の教育が合わず、自信を失ってしまった子も少なくはありません。
こうした子どもの悩みに寄り添い、支援や突出した才能を発揮できるようなギフテッド教育を提供する必要があるでしょう。
ギフテッド教育を家庭で取り入れる上でのポイント
ギフテッド教育は、教育機関だけでなく家庭で取り入れることも可能です。子どもに一番近い存在は家族であるため、家庭でも子どもの才能や個性を最大限に伸ばしたいですよね。
実は、ギフテッド教育が進んでいるアメリカではホームスクールが充実しています。ホームスクールとは、親や家庭教師が学校の先生に代わって勉強を教えたり、オンライン学習教材を活用したりして学びを進めるスタイルを指します。
ここでは、ギフテッド教育を家庭で取り入れる上での4つのポイントについて、くわしく解説します。
子どもの得意なことをどんどんやらせる
学校におけるギフテッド教育と同様に、家庭でも子どもの得意なことをどんどんやらせることが大切です。
ギフテッド教育が必要である子どもは、特定のことについて類いまれな能力を発揮します。場合によっては、寝る間も惜しんで一つのことをやり続けるかもしれません。そのような場合でも、静止せずにそっと見守りましょう。
また、子どもの特性に応じて将棋や囲碁、プログラミングなどのクラブに参加したり、家庭教師に個人レッスンをお願いしたりすることも効果的な教育だと考えられます。
苦手なことは無理にやらせない
家庭でギフテッド教育をおこなう場合、「苦手なことにも挑戦させたい」と思う親御さんもいるでしょう。ただし、ギフテッドの子どもに苦手なことを押し付けることは逆効果となります。
その理由は、ギフテッドの子どもには苦手な分野が多い場合があり、無理にさせることで自信を失う可能性があるためです。苦手なことより得意なことを伸ばして、子どもに自信をもたせるのがギフテッド教育であるため、子どものできない面よりできる面に着目してサポートする姿勢が大切です。
人間関係をフォローする
ギフテッド教育において、人間関係に関するフォローは重要です。
ギフテッドの子どもは特異な能力をもっているがゆえ、周囲から特別な目で見られることがあります。なかには、「変わっているね」などと言われて傷つく子どももいるでしょう。このように人間関係で悩むギフテッドの子どもは多いため、家庭でもしっかりサポートすることが大切です。
ギフテッド教育を家庭でおこなう場合は子どもの悩みにじっくり耳を傾けるとともに、ポジティブな言葉をかけ、子どもを認めるようにしましょう。
能力の偏りに寛容になる
ギフテッド教育を受ける子どもは、できることとできないことのギャップが大きいという特徴があります。
親御さんのなかには心配になる人も多いと思いますが、このギャップこそがギフテッドの素晴らしさだととらえましょう。ギフテッド教育において重要な視点は、バランスのとれた育成というより突出した部分をぐんぐん伸ばしていくことです。
プラスの部分に着目してマイナスの部分に対しては寛容な姿勢でいることが、家庭におけるギフテッド教育でも大切だといえます。
多面的な能力を養うなら『Wonder Code』
今回は、ギフテッド教育の概要などについて解説しました。ギフテッド教育は、生まれつき特別な才能をもつ子どもに合うカリキュラムを組み、能力を最大限発揮させる教育です。
個々人の才能や個性に合う学習内容・進度で、カリキュラムを設定することが大切でしょう。そして、ギフテッド教育におけるサポートは、学校だけでなく家庭でもおこなえます。
プログラミングなどを通してさまざまな能力を身につけられるWonderCodeは、家庭でギフテッド教育をサポートしたいと思っている親御さんにおすすめのスクールです。子どもに自信をもたせ、才能を開花させたいと考える方は、ぜひWonderCodeまでご連絡ください。