ワーキングメモリーという言葉を見聞きしたことはあるけれど、具体的にどのような意味か分からないという人もいることでしょう。
この記事では、ワーキングメモリーが何を意味するかについて分かりやすく説明した上で、子どもへの影響や効果についてお伝えします。
ワーキングメモリーを意識した教育を実践するための参考になさってください。
【この記事の目次】
ワーキングメモリーとは?
ワーキングメモリーとは、「ある仕事や課題を達成するために必要な情報を一時的に覚えておく能力」のことを言います。類似性のある表現としては、「短期記憶」という語が挙げられます。
「短期記憶」と「ワーキングメモリー」は、一時的な記憶という点では共通していますが、両者には大きな違いがありますので、違いをきちんと覚えておきましょう。
「短期記憶」は情報を単に覚えているだけで、何らかの処理をするわけではありません。
一方で、「ワーキングメモリー」は、脳に入ってきた情報を取捨選択したり、優先度を付けたりするといった操作を行います。
「ワーキングメモリー」は、脳の働きを指す表現であり、認知能力の指標を表すIQとは、概念が違います。
しかしながら、言語読解や処理速度に関わるワーキングメモリーは、IQにも影響を与える一因と考えられています。
IQの高い子どもに育てたいという場合、ワーキングメモリーを鍛えるためのトレーニングを取り入れると効果的です。
【トレーニング方法】楽しくて知的な遊びでワーキングメモリーを鍛えよう
子どもが大好きな遊びを生かしてワーキングメモリーを鍛えるには、どのような遊びがおすすめなのでしょうか。
脳の前頭葉に刺激を与えることで、ワーキングメモリーを鍛えられる遊びとしては、折り紙やあやとり、トランプといったカードゲームなどが挙げられます。
めんこや花札、かるたといった昔懐かしい遊びにも、思考力や判断力、そしてワーキングメモリーを養うのに役立つ遊びが多数あります。
また、最近流行りのゲームやアプリを使って、ワーキングメモリーを鍛える方法も有効です。
特におすすめなのが、ナンプレや脳トレといった計算系のゲームです。無料アプリでプレイできるゲームも多いので、デジタル機器の操作が好きな子どもの場合、アプリを活用して、ワーキングメモリーのトレーニングをするとよいでしょう。
【トレーニング方法】ポジティブシンキングでワーキングメモリーを鍛えよう
実際にワーキングメモリーを鍛えるには、どのようなトレーニングをするのがよいのでしょうか。簡単に行える実践法をお伝えしましょう。
ワーキングメモリーを鍛える上で欠かせないのが、ポジティブシンキングを身につけるということです。
悲観的な考え方をするのではなく、楽しいことを思い出したり、将来に対して前向きな展望を持ったりする方が、ワーキングメモリーに関わる脳の領域が活性化されます。純真でまっすぐな子どもの好奇心を伸ばしてあげられるように、保護者が良いところを見つけて褒めてあげるようにしましょう。
否定的な表現で話しかけるのではなく、プラスのニュアンスを持つ言い方に変えて話しかけると、子どもがポジティブな思考を身につけやすくなります。「なぜ出来ないの?」ではなく、「どうしたらできるようになるかな?」と語りかけるようにすると、子どもの思考力が養われ、ワーキングメモリーをコントロールする脳の領域の活性化にもつながります。
【トレーニング方法】2つ以上の物事を同時に行う作業でワーキングメモリーを鍛えよう
複数の情報を処理するワーキングメモリーを鍛えるには、2つ以上の物事を同時に行う作業を習慣化することが大切です。最初は同時に複数のことをこなすのが難しかった子どもでも、ながら作業の回数を重ねるうちに、スマートにながら作業がこなせるようになります。
例えば、遊ぶ時に「歌いながら絵を描いてみて」と子どもを誘ってみると、最初は歌に集中することで絵を描く手が止まってしまったり、絵を描くのに夢中になるあまりに歌詞が抜けてしまったりするものです。しかし、次第に慣れてくるにつれ、上手に歌を歌いながら、なめらかに手を動かして絵を描くこともできるようになるでしょう。
トレーニングと堅苦しく考えすぎることなく、子どもが楽しく挑戦できる方法で、ながら作業を習慣化するようにしてください。
また、想像力を養うことでも、子どものワーキングメモリーが鍛えられます。
イメージングを通して、何かを思い浮かべるきっかけとしておすすめなのが、朗読や読み聞かせです。
朗読や読み聞かせは、耳から入ってくる情報をもとにイメージ映像を組み立てることができるものです。読み聞かせを聞きながら、物語の流れに沿って、新しいイメージ映像を生み出せるようになるには、それなりに高度なワーキングメモリーを持っていることが求められます。ワーキングメモリーを生かして、イメージ映像を自然に思い浮かべられる力を身につけるためにも、夕食後や寝る前といった家族が触れ合える時間を有効に使って、読み聞かせを積極的に取り入れましょう。
ワーキングメモリを鍛えるメリットは2つ
ワーキングメリットは多様な記憶力を適切に使っており、記憶力の違いは、幼少期の早い時期から現れてくるものです。ワーキングメモリーが強い子どもの特徴を理解して、健やかな成長に結び付けましょう。
ここではワーキングメモリーを身につけることによるメリットを2つご紹介します。
情報の取捨選択が得意になる
例えば、家に帰った時に「学校はどうだった?早く手を洗ってね」と保護者から話しかけられた場合、手を洗う作業を先に行ってから、学校であったことをスムーズに報告するといった判断ができます。
また、複数の情報を理解できるため、ケアレスミスや忘れ物が少ないという点も、ワーキングメモリーが高い子どもの特性です
学校からの帰り支度をする際に、ロッカーから絵具セットと体操着を出し、机の引き出しから教科書とノートを出してランドセルに入れて、さらに給食袋を付けて持って帰るという作業をするのは、ワーキングメモリーが低い子どもには難しいこともあります。
複数の情報を処理できるワーキングメモリーが鍛えられていると、行うべき作業を忘れずに一つずつ丁寧に行えるため、複雑な作業でも漏れなく、きちんとやり遂げやすくなります。
集中力が高くなる
また、集中力が高いのも、ワーキングメモリーが強い子どもの特徴です。
例えば、授業における先生の発言内容や板書の内容、教科書や参考書に書かれた内容、そして自分が書き写しているノートの内容といった複数の情報をワーキングメモリーを生かしてスムーズに理解でき、効率よく学習が進められます。
幼い頃からワーキングメモリーを鍛えておくと、自分は今何をすべきか、を的確に判断する基礎を養えるため、授業の難易度が上がる中高時代にも、高い学習効果を維持しやすいです。
ワーキングメモリーが強い子どもは、複数の物事の処理や、物事の取捨選択が得意です。そのため、一度に複数の指示を出された場合に、適切に優先順位をつけて、優先順位の高い物事から取り組むことが可能です。
ワーキングメモリーを鍛えるなら「Wonder Code」
ワーキングメモリーは、一時的な情報の記憶や活用をするための脳の働きです。ワーキングメモリーが強い人は、複数の物事を同時に処理したり、取捨選択したりできます。
子どもの頃から、ワーキングメモリーを鍛えるトレーニングや遊びを積極的に取り入れるようにしてください。
ながら作業の習慣化や読み聞かせによる想像を上手に活用するのがおすすめです。
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