スマートフォンを持つ子どもの低年齢化が進んでいるという話を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。スマホを持たせるタイミングは、いつが正解という決まりがあるわけではなく、家庭の事情によって判断することが必要です。

今回の記事ではスマホを子どもに持たせるメリット、デメリットの双方をお伝えし、覚えておきたい注意点も分かりやすくご紹介します。

子どものスマホ事情を知っておこう

2021年4月に発表された東京都庁の「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」によると、都内の小学生のスマホの所持率はおよそ30%程度です。

さらに詳しく数字をみると、小学生低学年の所持率22.4%に対し、高学年になると34.4%の子どもがスマホを持っています。小学生でスマホを持っている子どもは、まだまだ少数派ではありますが、3分の1ほどの小学生が自分のスマホを持っているということが分かります。

 

この傾向が加速してスマホを持つ子どものさらなる低年齢化が進めば、低学年でもスマホを持っているのが多数派という時代が来る可能性もあります。

 

自分専用のスマホを持っていなくても、生まれた頃から保護者のスマホが身近にあった子どもたちは、幼少期からスマホに触れて育ってきています。保護者と共用のスマホを使ってインターネットで何かを検索したり、ゲームを楽しんだりしている子どもは少なくありません。

 

自分のスマホを持っていなくても、スマホの操作自体は抵抗感なく行えるという子どもが多い時代になっているといえるでしょう。保護者と共用のスマホを使って、スマホでできることの可能性を知るうちに、自分専用のスマホが欲しいと考えるようになる子どもも少なくありません。

 

子どもにスマホを持たせるメリットとは?

子どもにスマホを持たせることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。いつでもすぐに連絡が取れる、コミュニケーションの幅が広がる、ITリテラシーが身につく、外出時にも居場所が把握できて安心、という4つのメリットについて説明しましょう。

 

いつでもすぐに連絡が取れて安心

いつでもすぐに連絡が取れるという点は、子どもにスマホを持たせる大きなメリットです。日常生活だけではなく、災害時や不測の事態が起こったときにスマホは安全の確認ができる貴重な連絡手段となります。塾や習い事に行っている子どもの場合、帰宅時間が遅くなると保護者が心配することもあるでしょう。スマホでいつでも連絡が取れる状態であれば、そうした不安や心配は緩和されます。メールや電話で連絡を取り合うことで得られる安心感は軽視できない大きなメリットです。

 

コミュニケーションの幅が広がる

子どもがスマホを持つことで保護者とのコミュニケーションが円滑に行えるだけでなく、周囲の人とも連絡が取りやすくなります。友人同士でスマホで連絡を取り合って、親交を深めることもできるのは、今の時代ならではのメリットです。遠方に住んでいる祖父母や従兄弟などの親戚と容易に連絡を取ることもできます。周囲にスマホを持っている友人が少ない間は特に問題はありませんが、周囲にスマホを持っている友人が増えてきたら、スマホを持たせることを検討してもよいでしょう。

 

適切なITリテラシーが身につく

スマホを持つことのメリットとしては、適切なITリテラシーが身につくという点も挙げられます。2020年度以降は小学校におけるプログラミング教育が必須となるなど教育のIT化が進んだ現代では、子どもの頃からITリテラシーを高めておくことが重要となっています。プログラミング学習はパソコンやタブレットでの学習が中心となります。自分専用のスマホを持つことで、普段の生活で気になったことがあったらネット検索をして調べる習慣が自然と習得でき、時代に応じたITリテラシーが養われることでしょう。情報共有の大切さや、アプリやツールの利便性の多寡に気付けるところも、スマホの大きなメリットです。

 

外出時にも居場所が把握できて安心

現在のスマホはGPS機能を備えた機種が主流となっており、外出時に子どもにスマホを持たせておくことで子どものいる場所がリアルタイムで把握できるという点も大きなメリットです。外出している子どもの帰りが遅いと感じた時、GPS機能で居場所を調べることができれば、無用な心配をせずに済みます。塾や習い事に通っている子どもであれば、寄り道をしたりすることもありますので、常に子どものいる場所が情報が把握できると安心して帰宅を待つことができるでしょう。

 

子どもにスマホを持たせるデメリットとは?

子どもにスマホを持たせることには、多様なメリットがある一方で、デメリットが伴うのも事実です。スマホ依存になる、有害なサイトにアクセスしてしまうリスクがある、健康に悪影響を及ぼす、という3つのデメリットについてお伝えしましょう。

 

長時間スマホを使用することでスマホ依存になってしまう

充実した機能を備えたスマホは夢中になって使用しているうちに、想像以上に時間が経っていることがあるものです。特に自分専用のスマホを買ってもらったばかりの頃はスマホに触れる時間が長くなってしまいがちです。子どもが深刻なスマホ依存に陥ってしまわないように、使用する時間や場所を予め決めたうえでスマホを使うとよいでしょう。また、スクリーンタイムの機能を活用すると、どれぐらいの時間スマホを使っていたかを把握できて便利です。スマホに触れる時間が長くなると、勉強をする時間が削られてしまい、学力低下につながる可能性もありますので注意してください。

 

有害なサイトにアクセスするリスクがある

自分のスマホを使い始めた当初の子どもは、色んなサイトを検索しているうちに、悪意のあるサイトや有害なサイトにアクセスしてしまう可能性があります。世の中には危険なサイトもあることを子どもにきちんと伝えた上で、スマホを渡すようにしましょう。フィルタリングサービスを利用すれば、好ましくないサイトにアクセスするリスクを回避できるようになるため、積極的にフィルタリングサービスを取り入れてください。フィルタリングの強度を適切に調整し、必要な情報にだけ子どもが触れられる状態にしてあげることが必要です。

 

心身の健康に好ましくない影響を及ぼす

スマホを使用するうえで注意したいのが、心身の健康に対して好ましくない影響を与える可能性があるという点です。まず、スマホの液晶画面が発するブルーライトは、目に対するダメージが強く、視力低下の原因となります。小さな画面を至近距離で長時間見てしまうことも視力低下につながります。目の健康を守るために、長時間スマホを見続けるのことは避け、適度な休憩を挟んで使用するように子どもに伝えてください。

 

また、スマホを夜遅くまで使用していて、睡眠障害や睡眠不足になってしまう可能性もあります。ゲームやSNSでのやり取りをしているうちに、脳が活性化してしまって寝るタイミングを逃してしまったり、睡眠時間が短くなってしまうことがないように注意してください。就寝時間前になったら、保護者がスマホを預かるといったルールを作っておいてもよいでしょう。

 

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現代は、スマホを持つ子どもの低年齢化が進んでいるとはいえ、小学生でスマホを持っている子どもはまだ少数派ではあります。家族の事情なども加味して、スマホを持たせるタイミングを決めるようにしてください。子どもにスマホを持たせる前には、メリットとデメリットの双方をきちんと認識しておくようにしましょう。スマホを持たせるメリットとしては、いつでも連絡が取れる、コミュニケーションの幅が広がる、ITリテラシーが高まる、外出時にも居場所が把握できるという点が挙げられます。一方で、スマホ依存になる、健康を害するといったデメリットもあるため、十分に注意をしてスマホを使用させることが求められます。スマホを健全に使うためのルールを決めておき、子どもが安心してスマホを使える環境を整えてあげてください。

 

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