子どもの個性を伸ばしたい…親としてできることは?

子どもは一人ひとり違った個性を持っています。個性とは子どもが身の内に秘めている特性であり、他の人がまねできるものではありません。世界に一つの宝物である個性を活かすためには、家庭でのコミュニケーションや子ども時代の育成環境が重要です。

今回は子どもの個性を見つける方法や、個性をさらに引き出すためのポイントをご紹介します。親が望む姿を子どもに求めるのではなく、子ども自身が自然に放つ光のような個性を見つけていきましょう。

子どもの個性の見つけ方

ここでは、子どもの個性を見つける方法として取り入れたいアイデアを3つご紹介します。子どもの個性の可能性は、まさに無限大です。生まれたときから持っている個性をどれだけ引き延ばせるかは、親の発見力にかかっています。子どもの魅力をいくつも見つけ、教育やコミュニケーションのヒントにしていきましょう。

学校の成績から個性を読み解く

子どもの個性を見つける方法の一つが、学校の成績からの読み解きです。例えば算数は苦手でも国語の成績がよい場合は、想像力や読解力が強い可能性があると考えられます。また、読書や絵画などのクリエイティブな物事に触れてもらうことでも、子どもの個性をさらに引き延ばせられるでしょう。

一方、算数が得意な場合は、子どもの頃から計算力や論理的思考力が高いという点が強みかもしれません。そろばんやプログラミングなど、個性をさらにブラッシュアップする習い事を勧めるのもよいでしょう。また座学以外の、美術や体育などの成績にも注目していきたいものです。

子どもと仲がよい子を観察する

子どもの個性を見つけるためには、子どもと仲がよい子を観察してみましょう。自分の周囲の人間関係は、当人を鏡で表したようなものです。もちろん一概にそうだとは言えませんが、アクティブな子の周りには同じように元気な子が集まりやすく、大人しい子の友達は穏やかで控え目なタイプという傾向があるでしょう。

子どもの友達は、間接的に子ども自身の個性を観察できる絶好の要素です。一見した性格だけではなく、コミュニケーションの取り方やグループ内での関わり方などにも注目してみることをおすすめします。友達の個性を分析することで、子どもの個性も浮かび上がってくることでしょう。

子どもの遊び方を観察する

子どもの遊び方を観察することで、内包された個性を発見できます。例えば絵を一枚描いてもらうだけでも、子どもの内面世界を客観的に観察できるものです。特に注目したいのは、複数人のグループで遊ぶときの子どもの行動です。

例えばみんなで遊んでいるときに、途中から一人遊びを始める子もいるでしょう。これは「協調性がない」というネガティブな要素だけではありません。独自の世界観を持っていたり、主体性があったりするなどの長所にもつながります。グループにおける他人との関わり方を観察し、子どもの個性を見いだしていきましょう。

子どもの個性を伸ばす4つの方法

ここでは、子どもの個性を伸ばすための方法を4つご紹介します。私たちは生まれたときから一人ひとり違った個性を持っており、個性や強みを生かすも殺すも自分次第です。しかし、子どもは人生における選択肢がまだ少なく、周囲の大人の対応次第で個性を伸ばせるかどうかが決まるでしょう。子どもの魅力に着目し、可能性をどんどん広げていきましょう。

世話を焼きすぎず、自主性・主体性を尊重する

子どもの個性を伸ばすためには、親が子供の世話を焼きすぎないことが大切です。個性を伸ばすためには子どもの主体性が非常に重要であり、基本的には子どもが「やりたい」と思ったことをやらせ、のびのびと育てることが個性の育成につながります。

子どもと親は、血がつながっていても別の人間であることに変わりありません。子どもがやりたいことと親がやらせたいことは、違っていて当たり前なのです。子どもが社会で困らないために必要最低限の教育や教養は教えつつも、子ども自身の自主性を尊重しましょう。子どもが自分で考えて選択する中で、少しずつ自分らしさ・個性を獲得していきます。

遊びや学習方法に選択肢を用意する

遊びや学習方法に選択肢を用意することで、子どもの個性を伸ばしやすくなるものです。例えば子どもに読書を勧める際には、親が読んでほしい書籍を渡すのではなく、子どもと一緒に図書館や本屋へ探しに行きましょう。そして「自分が読みたいものを選んでごらん」と子どもに意志決定を任せます。

ゲームのような遊びの中でも、親が口出しをする必要はありません。アクション要素が強いゲームでもキャラクターのコスチュームにばかり着目する子がいるように、同じゲームや作品でも、遊び方や捉え方に個性の違いが出るものです。親は子供の行動を尊重した上で、さらに子どもが楽しめる選択肢を提供していきましょう。

集中力が高い状態で没頭させる

子どもの個性を伸ばすためには、子どもの集中力がキープされている状態を邪魔してはいけません。周りの声が気にならないほど集中できることを見つけられているのであれば、それは大きな財産です。そして、子どもの集中力の向かう先に、個性を見つけるためのヒントがあると考えられます。

そこで親が声をかけて子どもの集中力が途切れてしまうと、熱中していた物事に対してネガティブなイメージがついてしまうかもしれません。集中力がキープできているときは、子ども自身の能力を伸ばすチャンスです。子どもが自分の「好き」や「得意」を見つけるためにも、個性が伸びる機会を妨害しないように気をつけましょう。

短所を否定せずに、カバーする方法を教える

長所と短所は、基本的に表裏一体だと考えられます。例えばコミュニケーション能力が高い子どもは、意思表示をはっきりすることから相手を知らない間に傷つけてしまったり、馴れ馴れしさを抱かせてしまったりすることもあるものです。

しかし、子どもが自らの個性によってネガティブな出来事に直面した際には、個性自体を否定する必要はありません。誰しも長所と短所は必ずあることや価値観は一つではないことを伝え、その上で失敗をカバーする方法を教えましょう。子どもの「らしさ」はそのままに、よりポジティブな出来事を増やしていくためのアドバイスを与えることが大切です。