ネットリテラシーが高い子どもに育てたい

生まれた頃からスマートフォンやタブレットが身近にある環境で育ってきている子どもたちにとって、インターネットは生活に欠かせない存在となっています。小学校では一人一台タブレットが配布されるなど、これからの時代を生き抜く子どもたちにデジタル機器の技術が必要とされていることは言うまでもありません。

インターネットは、便利な一方で多くの危険もあわせ持っています。ルールを知らずに使っているとどんなリスクがあるのか、自分に降りかかるかもしれない危険とその対策を知っておかなければなりません。

小さいうちからインターネットが身近にある子どもたちだからこそ「ネットリテラシー教育」が必要です。子どものうちからコンピューター機器とインターネットへの正しい知識と技術を身につけることこそが、デジタルネイティブ世代に求められる課題でしょう。

ネットリテラシーの意味とは

ネットリテラシーとは、インターネットに関して正しい知識を持ったうえで使いこなせる能力のことです。

現代では誰でも簡単に情報を発信することができます。そのため、インターネット上にある多くの情報の中から正しい情報を適切に選びとり、活用する判断力が求められるのです。

ネットリテラシーが低いままインターネットに触れていると、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。それらのリスクをしっかりと知り、被害者や加害者にならないように自分の身を守れるよう対策を講じておくことが重要です。

このように、ネットリテラシーは重要であるにもかかわらず、子どもを守る親世代はネットリテラシーに関する教育をあまり受けていないため、知識が無い方も少なくありません。

情報を受信したり発信したりする際、ウイルスなどの侵入を防ぐなどのポイントを意識しながら、インターネットと正しく付き合う方法を親子で学びましょう。

子どものネットリテラシーが低いことで引き起こされる問題

ネットリテラシーとは、数多くある情報の中から正しい情報を選び取る力のことです。ネットリテラシーが高い場合、自分の身を守るための防衛力となるでしょう。一方でネットリテラシーが低い場合、トラブルに巻き込まれたり、誰かを傷つけて加害者になったりすることもあり得ます。

ここでは、ネットリテラシーが低いことで子どもたちに起こりがちな主なトラブルを紹介していきます。実際に起きた事例を参考に、トラブルの防止に必要な注意点を考えていきましょう。

知らないうちに課金されてしまっている

知らないうちにオンラインゲームなどで課金されてしまっていたというトラブルは少なくありません。

未成年者が保護者の同意を得ないまま交わした契約は「未成年者取消」により取り消すことが可能です。しかし、オンラインゲームや家庭用ゲーム機器からの課金の場合、証明するのが非常に困難です。

子どもが扱う機器にクレジットカードやキャリア決済がひもづけされていないか、今一度確認しておきましょう。また、万が一トラブルが起きたら子どもからの情報を得たうえで、消費者生活センターへ相談するのが大切です。

不適切なサイトへのアクセス

インターネットを利用していると、無料ゲームやさまざまなサイトから不適切なサイトへ勝手に誘導されてしまうことがあります。アダルトサイトや暴力的な内容が含まれたサイトに加え、外部からのウイルス感染やハッキングの被害に合う可能性もあるでしょう。

スマートフォンやパソコンには意図的であろうが意図的でなかろうが、危険なサイトへアクセスしないように「フィルタリング」という機能が搭載されています。したがって、子どもが危険なサイトを閲覧できないように、子どもたちが使うスマートフォンを大人がコントロールしましょう。

ストーカーや犯罪に巻き込まれる

情報を発信する上で、自覚しないうちに個人情報を発信してしまうことがあります。一度インターネット上に発信した個人情報は完全に削除することはできません。何気なく投稿した写真に、自分の名前や住所など特定・推測できる内容が映っていたことで、ストーキングされたなどの事件も数多く起きています。

また、顔が見えないゆえに個人を特定できないだろうと安易に他者の情報を発信してしまうと、思っていた以上の被害を与えてしまうかもしれません。

情報発信へのリスクを日頃から親子で話し合い、責任を持った内容を発信するよう教育しておきましょう。これらの犯罪を最小限におさえるためにも、ネットリテラシーは広く求められているのです。

SNSでトラブルに巻き込まれることも…

SNSでは顔や名前を公開せずに簡単に情報を発信することができます。匿名だからといって、他者や家族のひぼう中傷や個人情報を発信すると、いじめや事件に巻き込まれかねません。また、SNSから知り合った相手から性的被害を受けるケースが増えています。

加えて、意外にも子どもに多く起きているトラブルの一つに著作権問題があります。SNSに自分の好きなアイドルやアニメ、キャラクターを使用することは著作権の侵害にあたる場合も。

ネットリテラシーとは、情報を発信する立場では相手を巻き込む危険性を考え、正しい知識を身につけておきたい能力です。

子どもをトラブルから守れるのは、両親だけ!

子どもが巻き込まれる可能性のあるトラブルは、多くの場合、保護者が意識すれば回避できるでしょう。

ネットリテラシーとは、これからの時代を生きる子どもだけではなく実は大人も時代に合わせて学び続けなければいけない知識の一つです。パソコン機器が苦手だからといって、手放しで子どもに与えていては子どもたちを危険にさらすことにつながりかねません。

現実社会よりも全貌が見えにくいのもインターネットの特徴です。子どもたちが、トラブルに巻き込まれることなく安全にインターネットを有効活用するためには、以下を必ず行ってください。

  • 保護者が利用状況を把握する
  • 子どもが扱う機器にフィルタリング機能を活用し、不適切なアクセスを防ぐ
  • 家庭でのルールを決め、困った際にはすぐに相談できるよう話し合う

ネットリテラシーとは、こうしたルールやマナーをしっかり守って、安全にインターネットを活用することが大切です。

ネットリテラシーに対する教育はいつから開始するべき?

インターネットを利用し始める年齢は、それぞれの家庭によって異なります。とはいえ、タブレットやスマートフォンなどの端末を利用した学習は、低年齢化してきています。低学年から一人一台端末を配布される地域もあるでしょう。一人でパソコン機器やインターネットを利用するようになったら、ネットリテラシーとはなぜ大切なのかをしっかり伝えることが大切です。

インターネットにおけるトラブルは、年々低年齢化しており、文部科学省からは年齢別の『情報モラル啓発リーフレット』も発表されています。

子どもたちがインターネットを安全に使えるためにも、年齢に合わせた最低限の知識とルールが必要です。「まだ小さいから大丈夫」と安心せず、親子で日頃からネットリテラシーを大切な課題として対策を心がけましょう。

子どものネットリテラシーを高める6つの方法

これまでインターネットの危険とリスクについてお伝えしてきましたが、もちろんインターネットはこれからの時代必須の便利なツールです。ネットリテラシーを高めてインターネットと上手に付き合っていくコツを知っておきましょう。

ネットリテラシーとは、インターネットを利用する全ての人に求められるものです。子どものネットリテラシーを高めるためには、まずは保護者も一緒に学ぶことが近道になります。親子で一緒に楽しみながら学ぶこと、一度ではなく定期的に繰り返し学ぶことを意識しながら取り組んでいきましょう。

匿名でも個人情報を特定される場合があることを教える

最初に知っておきたいのが、インターネットの危険性です。「匿名だから」「すぐに削除できる」と安易にモラルに欠ける内容を発信してしまうと、トラブルに結びつきます。

自分自身や大切な人を守るためにも、ルールとマナーを守ってインターネットを使うことがネットリテラシーの要です。自分だけではなく、友だちや家族の大切な情報が間違った使われ方をされないよう、どのような配慮が必要なのかをしっかりと考えておきましょう。

ネットの世界に慣れるまでは一緒に使うこと

小さいうちは複雑な操作を身につけさせるのは難しいでしょう。しかし、成長と共に子ども自身で端末を操作できるようになっていきます。そのスピードの速さに大人は驚くことでしょう。

ネットリテラシーが低いがゆえに、故意でなくても危険なサイトにアクセスしてしまったり課金してしまったりすることが起こる可能性があります。インターネットの世界に慣れるまでは大人の管理下で使用させるようにしましょう。一緒に使っているうちに、子どもの使い方で危うい部分や注意すべき点が見えてくることがあります。

また、大人と一緒に使うことを基本としていれば、困ったときには助けを求めることが習慣化されるでしょう。

子どもとの間にルールを作る

子ども専用の端末を与えたり、一人で使う機会が増えてきたりしたときこそ、親子でルールをしっかりと決めておくことが必要です。使用する時間、勝手にダウンロードしない、必要な情報のみを調べるなど、ルールを決めておきましょう。

ネットリテラシーを身につけて、子どもにルールを守ってもらうためには、大人が見本となるような行動で示すことが必要です。また、一方的にルールを押し付けるのではなく話し合って決めておくと、子ども自身が守りやすくなります。

そしてここでも何より大切なルールは、何か少しでもおかしいなと感じたら隠さずに親に相談すること。子どもだけでは解決できないこともあるので、安心して話せる環境を整えておきましょう。

ネットのメリット・デメリットを最初に伝える

ネットリテラシーを学ぶにあたり、その第一歩がメリットとデメリットを正しく知ることです。

これまで伝えてきたデメリットの部分はもちろん、なぜインターネットが必要なのかというメリットも正しく伝えていきましょう。これからの時代、インターネットは欠かせないものであり、生活するうえで必要なツールとなるでしょう。インターネットに関連した事件が報道されると、どうしても危険性に目が向きやすくなりますが、メリットがあるからこそ学ぶべき存在でもあるのです。

インターネットを使うことで何ができるのか、今後どのように変わっていくのかなどを子どもと一緒に考える時間を持つのも良いでしょう。

ネット詐欺・犯罪などトラブルを教えておく

ネット詐欺や犯罪など実際に起こったトラブルは自分に置き換えやすく、子どもが自分で考える良いきっかけとなります。どの部分が間違っていたのか、どうしたら良かったのかなどをクイズ形式で考えるのも、子どもが楽しく学べる方法の一つです。

ただし、怖い記憶はこどもにとって刺激も強く残りやすいものです。必要以上に恐怖心を与えたり、インターネットへの不信感をあおったりしないよう注意しましょう。

ネットリテラシーは、メリットとデメリット両面を知ることが重要なのです。

信ぴょう性のある情報の見極め方を教える

インターネットには、数多くの情報があります。子どもが学校の宿題などで何かを調べるときには、信ぴょう性の高い情報の見極め方を伝えていきましょう。

  • 多くの情報を比較する
  • 本や新聞などからも調べる
  • 公共機関や専門サイトから調べる

このように一つの情報から判断せず、たくさんの情報から自分自身で信ぴょう性の高い情報を選び取る力が今後の力につながっていくでしょう。ネットリテラシーを高めるには、すぐに答えを与えず、子ども自身が調べる過程を見守ることも必要です。

これからの時代、子どものネットリテラシー向上は重要な教育

インターネットが身近にある環境で当たり前のように育ち、これからの時代を生きていく子どもたちにとって「ネットリテラシー」は今以上に必要とされていくでしょう。

内閣府が発表している『令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査』では小学生(10歳以上)~高校生のインターネット利用率は97.7%となっており、ほとんどの子どもがインターネットを利用していることが分かります。一方で、無知がゆえに子どもがインターネットにおけるトラブルに巻き込まれる件数も増えているのです。

ネットリテラシーは、見えにくい能力でもあります。しかし、小学校でもネットリテラシー教育が取り入れられるなど求められる年齢も年々下がっています。ネットリテラシーの早期教育は今後もっと重要視されていくでしょう。

ネットリテラシーとは、今後インターネットの進化にともない、より高く求められる能力となっていくことは間違いありません。インターネットと上手に付き合っていく能力をしっかりと身につけ、世界で活躍できる子どもたちの未来を広げましょう。

これからの時代に役立つスキルを身につけるなら『Wonder Code』

世界中とつながるインターネットは、これからの時代を生きていく子どもたちにとって避けて通ることはできません。可能性や楽しさ、危険性や怖さを理解した上で、正しくインターネットと付き合っていきましょう。

今回ご紹介したネットリテラシーは、インターネットのみにとどまらず、幅広い分野で相手の立場を考えた思考にもつながる能力です。情報を受信するだけではなく、正しい情報を発信するためにもプログラミングの技術とネットリテラシーをあわせ持つことが重要です。

『Wonder Code』では、これからの時代に合わせた技術と能力を育成します。これからのIT時代を生き抜く子どもたちの未来を一緒に広げていきましょう。