子どもが自分で実行できる力を身につけるには?

子どもは、成長するにつれて自分の意思を強く持ち、行動力が高まっていきます。親としては成長が嬉しい反面、子どもの個性が色濃く出てくる時期になると、つい周りの子と比べてしまうものですよね。

中には、まだ小学生程度の子どもながら、大人顔負けの実行力を持っている子どももいます。もちろんすべての子どもの個性や性格は尊重されるべきですが、自分の子どもが行動力に乏しかったり実行力が欠けていたりするのを見ると、親は不安を感じてしまいがちです。

今回は、実行力が高い子どもの特徴や、子どもの計画実行力・目標実現力を高める方法などをご紹介します。子ども時代に養われた実行力や自己実現力は、社会に出たときに役立ちます。子どもがより自分らしい人生を生きられるよう、保護者としてサポートしていきましょう。

実行力とは

学校でも社会でも求められる実行力は、周りの人たちと力を合わせながら目標を実現するために必要な力です。また、自分で目標を設定した上で逆算して過程を考え、実際の行動に移していく力でもあります。

実行力とは目標を実現する力であるため、判断力やコミュニケーション能力、論理的思考力、想像力などが総合的に求められる能力です。目標は自分一人の力のみでは達成できないことが多いため、他者を思いやれる心や、お互いのメリットを提示する頭の回転の速さなども必要とされます。

また実行力のためには、何度失敗しても努力し続けられる忍耐力・精神力も大切です。さらに、継続のためには未来の自分を信じるための自己肯定感も求められるため、いかに自分を愛せているかも重要なポイントだといえるでしょう。

実行力がある子どもの特徴

ここでは、実行力がある子どもの特徴を5つご紹介します。実行力の有無自体に年齢はあまり関係なく、大人になるにつれて人脈や知識が広がっていくため、もともとあった行動力・実行力がさらに広がっていくという認識です。子どもの頃から実行力に満ちている子の特徴を学び、教育に役立てていきましょう。

責任感が強い

実行力がある子どもは、責任感が強く自分に与えられた責務を最後までまっとうしようとする姿勢が目立ちます。グループのリーダーとして活躍することも多く、自分に従ってくれるメンバーを大切にする優しさもあるでしょう。

子どもの頃から人間的な信頼を多く集めているため、クラスメイトや先生からの評価も高い傾向にあります。勉強や部活など、自分で決めた目標は最後までやり遂げる精神力を持っており、すぐに結果が付いてこなくても地道に努力を重ねられる点も特徴です。

指示される前に動くのが得意

実行力が高い子どもは、周りに指示される前に動くタイプが多いでしょう。例えば、親から「勉強しなさい」と言われる前に、既に宿題や復習を終わらせることが得意な傾向があります。スケジュールを立てたり実行したりする能力が高いため、自立した生活リズムを構築できるのです。

自分がやるべきことや心身の状態などを把握しており、子どもながらに「面倒臭いことを先に終わらせておいたほうが自分にとってメリットがある」と理解しています。親や大人からは、「手のかからないしっかりした子」と思われていることが多いことも特徴です。

意志が強い

周りの子どもと比べて意思が強いことも、実行力が高い子どもの特徴です。自分が決めたことを最後まで貫き通す心の強さを持っており、時に頑固になりながらも実行力に反映させます。とはいえ、実行力が高い子どもは頭が柔軟な傾向にあるため、手段のために目標を見失うことはありません。

意思の強さの中には、一つのことを貫き通す強さだけではなく、目標達成のために選択・判断していく視野の広さも含まれています。そのため、意志が強い子どもは自分が何を大切にしているかを理解した上で、周りに流されずに後悔のない選択を繰り返していけるのです。

中途半端なことが嫌い

実行力が高い子どもは、完璧主義者な一面があり中途半端なことを嫌います。例えば、「学校から帰ってきたら宿題を半分やって、少し遊んでから続きをやろう」といったようなスケジュールは立てません。

勉強は勉強、遊びは遊びとメリハリがあり、どちらかの時間に別の要素を考えることはしないのです。部活や部屋の掃除なども中途半端になることが嫌であるため、自分が満足できるようにしっかりと計画を立てた上で着手する傾向があるでしょう。

優先順位をつけることが上手

実行力が高い子どもは、物事の優先順位をつけることが得意です。例えば、子どもの日々のタスクの中には「友達との遊び・部屋の掃除・宿題・予習復習」などがあります。多くの子どもにとって遊びの時間は勉強よりも魅力的ですが、「勉強しないと怒られる」とはわかっていても、つい誘惑に負けてしまう子もいるでしょう。

しかし実行力が高い子どもは、友達との遊びを思い切り楽しむために、あえて勉強の優先順位を上げて最初に取り組める力を持っています。自分にとって大切な物事の順番を正しく見極め、そのために必要な行動を逆算して考えられるのです。また、誘惑に負けない心の強さも持っており、自立心が強くテストや受験などに強い点も特徴でしょう。

子どもの実行力が伸びるのはいつから?

個人差はありますが、子どもの実行力が伸びるのは2歳頃からといわれています。その理由は、実行力のために必要な「我慢」が備わるのが、2歳頃だとされているためです。そして、3歳・4歳と年齢を重ねるにつれて、待てる時間がどんどん伸びていきます。

実行力を育むためには、自分の欲求や感情を抑制できる力が必要です。目先の利益や快楽に気を取られず、将来的な目標を達成するために求められる忍耐力は、実行力の成長に強く影響します。子どもの性格や個性と向き合いながら、忍耐力を取り入れることで実行力の育成を進めていきましょう。

計画実行力・目標実現力を身につける方法

ここでは、子どもに計画実行力や目標実現力を身につけさせる方法を4つご紹介します。実行力が控えめな性格は、決して悪いわけではありません。行動力の乏しさは、用心深さや想像力の裏返しでもあるためです。

あくまで子どもの個性や考え方を尊重した上で、より子どもが後悔のない毎日を歩めるようにサポートしていくことが大切です。目標実現力や計画実行力は「なくてはならないもの」ではなく、子どもが自分らしく幸せに生きるための手段の一つだと考えておきましょう。

まずは時間の管理や計画を立てるところから一緒に行う

子どもの実行力を養うためには、まず時間の管理や計画を立てる方法を覚えさせましょう。大人になるにつれて時間の管理は必須スキルとなりますが、子どものうちはまだ時間管理能力が乏しいものです。好きなことや興味があることを目の前にすると、時間を忘れてしまいがちになる子は多いでしょう。

その結果、勉強や宿題などのやらなくてはいけないことが後回しになり、スケジュールが崩れてしまいます。時間の管理は訓練で身についていくものであるため、慣れるまでは親と一緒に実現性の高い予定を組んでいくようにしましょう。

親子で一緒に優先順位の付け方を考える

親子で一緒に優先順位の付け方を考えることは、子どもの実行力を育てるために有効な方法です。子どもは大人と比べて、自分の欲望を制御する力が低い傾向にあります。子どもが好きなことをしっかり楽しむためにも、タスクを可視化させて整理整頓する必要があるのです。

優先順位を決めたらスケジュールを組み、タスク達成までに必要な時間を一緒に決めていきます。この際に大切なのが、理想的な所要時間とは別に、実際にかかる可能性が高い時間を設定しておくことです。子どもの能力や性格と照らし合わせながら、無理のないスケジュールを共有するといいでしょう。

目標を一緒に立てる

子どもの実行力を伸ばしていくためには、親子で一緒に目標を立てることをおすすめします。子どもにとって親は最も身近な存在であり、お手本になりうる大人です。親も一緒に目標を立てることでフェアな関係が築け、子どもからの信頼にもつながるでしょう。

日々の中で子どもと一緒にコツコツと努力していると、子どもに「お母さん(お父さん)も頑張っているのだから、自分も頑張ろう」とポジティブな気持ちが芽生えるものです。身近な味方と支え合うことで、子どものモチベーションが上がりやすい状態を作っていきましょう。

小さなことでも達成するたびに褒める

子どもの実行力を引き出すためには、たとえ小さなことであっても成功体験を褒めることが大切です。テストの点数が1点でも上がったときはもちろん、努力がなかなか報われないときなどでも、賞賛の言葉を与えるとよいでしょう。

社会では結果を出すことが最優先とされがちですが、そのためにはまず実際に行動し継続することが大切です。結果だけではなく過程を尊重することで子どもの自己肯定感は上がり、「自分のやり方はこれでいいんだ」と自信が持てます。行動や努力へのポジティブな評価は、実行力に反映されていくことでしょう。

これからの時代に必要なスキルを身につけよう!

実行力とは、さまざまな能力が複合的に合わさった力です。例えば、目標から逆算して過程を考える論理的思考力も、実行力につながる能力の一つ。

他には、実現可能な目標を設定できる想像力や、自分の能力を客観的に把握する視野の広さなども実行力向上のために求められます。どのスキルも社会で役立ち、キャリアアップや自分らしい人生を歩むために必要な力です。

実行力を高めることは、これから多様化する社会を生き抜く力を身につけることに直結します。子どもとのコミュニケーションの中で楽しく実行力を育みながら、子どもの人生をサポートしていきましょう。

21世紀型スキルを身につけるなら『Wonder Code』

今回は実行力がある子どもの特徴や、子どもの実行力を育む方法などをご紹介しました。実行力が高い子どもは主体性があり、自分の道を自分で切り開いていく人間的な強さがあります。学校だけではなく習い事や家庭での時間も活用して、子どもの実行力を育てていきましょう。

Wonder Codeでは、子どもが能動的に学習に向かいやすいメソッドを取り入れています。プログラミングやロボットを用いた学習を通して自分で目標を設定し行動していく力は、社会に出た際に役立つスキルとなるでしょう。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。