子どもの情報リテラシー教育を強化したい

私たちは日々、多くのデジタルデバイスやデジタルコンテンツに触れています。私たちとデジタルの関係性はビジネスの枠組みを超えており、他者とのコミュニケーションやショッピング・娯楽・教育など幅広い観点から生活の利便性を与えてくれています。

今後もデジタル技術の躍進に応じて、新しいコンテンツはどんどん増えていくでしょう。デジタル技術が日々進化していく現代において、重要となるのが情報リテラシーの教育です。特に子どもの情報リテラシーを養うことは、子どもの将来の可能性を広げるだけではなく子ども自身を守るためにも役立ちます。

今回は情報リテラシーの意味や、情報リテラシーの教育方法などをご紹介します。スマホやパソコン、インターネットが当たり前に存在する生活だからこそ、今一度情報リテラシーの重要性を学び教育に生かしていきましょう。

 

情報リテラシーとは

情報リテラシーにおける「情報」とは、私たちが日々受け取っているさまざまな知識や見識を指します。そして「リテラシー」とは、もともとは読み書きの能力を意味する言葉です。しかし現代では、特定の分野に関する知識や能力を上手に活用する力という意味で広まっています。

情報リテラシーとは、情報を適切に判断して決定を下す能力です。例えば、異なる人物から矛盾する2つの情報を与えられたとします。どちらか片方の意見だけ鵜呑みにして自分の意見のように考えてしまう場合は、情報リテラシーが高いとはいえません。

2つの意見が矛盾した背景を考え、自分で事実や知識を調べた上で、他者依存ではない思考力で自分の意見を創造していくことが、情報リテラシーの高さにつながります。情報リテラシーの高さは物事を判別する力につながり、情報化が進む社会において自身を助けてくれます。

 

ネットリテラシーとの違い

情報リテラシーと混同されやすい言葉が、ネットリテラシーです。ネットリテラシーとはインターネットリテラシーを略した言葉で、インターネットにおける情報や知識を正しく理解して運用する能力を指します。

インターネットには、過去未来含めて膨大な情報が存在しています。しかし、すべての情報が正しいわけではありません。どの情報が信憑性が高いのかを見抜き、判断できる力こそがネットリテラシーです。固定観念に捕らわれず、事象のみを認識する力も含まれます。

 

コンピューターリテラシーとの違い

オンライン上の情報におけるリテラシーと、実際のデバイスにおけるリテラシーは別の概念です。機器としてのコンピューターやスマホを正しく理解し、使いこなす能力はコンピューターリテラシーと呼ばれます。ネットリテラシーと同様に、これからの時代に求められているリテラシーのひとつです。

マウスやキーボードの使い方のような基本操作はもちろん、必要な情報を調べる能力やソフト・アプリケーションを使いこなす能力、ハードウェアやソフトウェアへの理解度の高さが含まれます。企業のデジタル化が進む昨今では、最低限のコンピューターリテラシーを持っていることはビジネスパーソンとして必須の要素だといえるでしょう。

 

メディアリテラシーとの違い

メディアリテラシーとは、他者の意見に左右されずに自分の価値観をもってメディアを読み解く能力です。現代におけるメディアとはテレビ・ラジオ・雑誌・インターネット・新聞など多岐に渡りますが、どのメディアにおいても客観的な視野で分析・評価する能力が求められます。

書き手や発信者の趣旨・意向に捉われず、情報を否定的に捉えた上で自ら真偽を調べ、自己表現に充てる力といえます。メディアの情報をただ正直に受け入れるだけではなく、先入観を手放した状態で正しい情報を選別できる能力です。メディアリテラシーが高いことで、いわゆる「メディアに踊らされる状態」を回避することが可能です。

 

情報リテラシー教育の重要性

情報リテラシー教育の最たる重要性は、正確な情報を判別できることにあるでしょう。世の中の情報は、事象を元にしてさまざまなメディアで幅広いニュアンスを通して発信されます。しかし中には、事象すらない状態で虚構の情報が伝達されることもあるでしょう。

情報リテラシーを高めることは、表現方法にとらわれず事実を見抜く力を養うことであると同時に、嘘を嘘であると見抜く力を育むことでもあります。いくらでも嘘を本当のように発信できる世の中だからこそ、情報をまず疑うことが情報リテラシー教育の目標です。

また情報を見分ける力が養われるとともに、一次体験や主体性の強さも育まれます。他者がどのような情報を発信していようとも「自分はこう思う」と思える意思の強さがあれば、固定観念に振り回されずに生きていけるのです。

 

情報リテラシーを身につけるメリット

ここでは、情報リテラシーを身につけるメリットを5つご紹介します。

  • 文章編集力が身につく
  • 自分で情報の取捨選択できるようになる
  • 論理的思考が身につく
  • 読解力が身につく
  • 将来役に立つスキルが手に入る

私たちの生活は膨大な情報量にあふれているため、情報リテラシーを身につけることは日々の生きやすさにつながります。世の中に振り回されない人生を手に入れるためにも、メリットを学び知見に反映させていきましょう。

 

文章編集力が身につく

情報リテラシーを養うと、物事を適切に分析・理解する能力が身につきます。その結果、思考を整理整頓しやすくなり、頭の中で考えていることを正しく言葉にする能力も身につきます。併せて文章編集力が身につき、相手に伝わりやすい文章を書きやすくなるでしょう。

情報リテラシーの向上は、言葉やニュアンスを適切に理解することにもつながります。メディアの種類や読み手に合わせて表現方法を変えたり、より読みやすいように校正したりといった能力が伸びていきます。美しい文章は読み手へ好印象を与え、キャリアアップにもつながるでしょう。

 

自分で情報の取捨選択できるようになる

情報リテラシーが高くなると、自分で情報の取捨選択ができるようになります。世の中には日々膨大な量の情報が発信されているため、どれが自分にとって必要な情報かを見極めなければ情報の海で溺れてしまいます。不必要な情報に振り回されてもよいほど、人生に与えられた時間は長くはありません。

自分の目標やビジョンに必要な情報のみを選別する力は、プロセスを歩むにおいて時間短縮になります。集中力が維持され、余計なストレスを抱え込むリスクも減少するでしょう。時間や心にも余裕が生まれるため、自分らしい人生を歩むための有力なスキルになります。

 

論理的思考が身につく

情報リテラシーを養うことは、論理的思考力の向上に結びつきます。情報リテラシーは情報を正しく認識するだけではなく、情報を整理整頓する能力でもあるためです。情報の属性や優先度を整理することで、物事を体系的に理解しやすくなります。

情報リテラシーが低い状態だと情報の取捨選択ができないため、どの情報も自分にとって重要なものに感じてしまいます。しかし情報が整理できていると、必要なときに必要な情報だけを頭から取り出せるのです。少ないコストで情報を活用するために、論理的思考力は重要な能力だといえるでしょう。

 

読解力が身につく

情報リテラシーは、読解力と深い関係があります。そもそも読解力とは、文章を読んで内容を正しく理解・解釈する力のことです。文章には、言語の種類・補助動詞・主語・述語・ニュアンス・物語性などのさまざまな情報が含まれています。

情報リテラシーを高めることで文章を適切に理解できるようになるため、学業やビジネスなど幅広いシーンで役立ちます。読解力の高さはコミュニケーション能力とも関連しており、円滑な人間関係の構築にもつながるでしょう。

 

将来役に立つスキルが手に入る

情報リテラシーの教育によってもたらされる能力は、子どもの将来に満遍なく役立つものです。例えば読解力の高さは、レギュレーションや契約書を読み解く力につながります。コミュニケーション能力はどの職場でも重宝され、キャリアアップの鍵となるシーンも多いといえるでしょう。

ビジネスにおいて論理的思考力や問題解決能力は、あらゆる成果を上げるために必要になります。社会で活躍するためには、一つの能力のみを特化させるだけでは心もとないものです。情報リテラシーの底上げによって多角的に養われる能力は、子どもの人生をより安定させます。

 

子どもの情報リテラシーが低いと引き起こす問題

情報リテラシーは、子どもが安全に情報化社会を生き抜くための必須スキルです。情報リテラシーが低いことで、自分にとって利益のある情報を見逃してしまったり、危険のサインに気づけなかったりする可能性があります。

例えば情報リテラシーが低い人は、特定の人物の言葉だけを信じてしまい「何が起こったか」よりも「誰が表現したか」を優先してしまうことがあります。真実がAだったとしても、ある人物がBだといえば、聞いた側はBだと信じ込んでしまうのです。

情報リテラシーが不安定な状態で社会に出てしまうと、人に騙されやすくなったり、不利益の多い契約を結んでしまったりするリスクが高まります。情報化社会の世の中では、情報の判別や取捨選択ができないことは尊厳や資産の搾取を招いてしまうでしょう。

 

子どもの情報リテラシーを高める5つの方法

ここでは、子どもの情報リテラシーを高める方法を5つご紹介します。

  1. さまざまな媒体でリサーチする方法を教える
  2. ネットで調べるときは隣で見守る
  3. 一緒に情報の取捨選択をする
  4. 類似する情報を比較する
  5. 情報を見て、どのように感じたのか親子で話し合う

情報リテラシーは日々の生活や教育の中で少しずつ磨かれていくものです。子どもが実際の経験の中から自らの意思で判断力を高めていくために、保護者はできる限りのサポートを行いましょう。

 

さまざまな媒体でリサーチする方法を教える

子どもの情報リテラシーを高めるためには、さまざまな媒体でリサーチする方法を教えることが大切です。例えば一つの情報をインターネットで調べた際に、サイトによってまったく異なる情報が出てくることも珍しくありません。

最初に出てきた情報源のみで満足せず、複数の情報源を活用して自分にとっての正解を判別する訓練を行いましょう。またインターネットだけではなく、書籍を用いたリサーチの習慣も大切です。できる限り子どもが自分の力で調べるために、基本的に保護者は見守りに徹しましょう。

 

ネットで調べるときは隣で見守る

子どもの情報リテラシーを高める過程で、スマホやパソコンを用いる際は保護者が付き添って見守る習慣をつけてください。なぜならまだITリテラシーに疎い年齢の子どもは、セキュリティや個人情報に対する意識が低い傾向にあるためです。

子どもは好奇心が旺盛であることが自然です。悪気はなくても詐欺サイトをクリックしてしまったり、ショッピングサイトで商品をカートに入れてしまったりすることもあるでしょう。

保護者から見たときに危険な行為を発見しても、決して強い言葉で叱らずにサポートをしてあげることが大切です。「ここを押すとお買い物をしちゃうよ」「何かわからないことが起こったら、まずはお父さん(お母さん)に相談してね」のように、優しい声掛けを通してデジタルデバイスに慣れ親しんでもらいましょう。

 

一緒に情報の取捨選択をする

子どもの情報リテラシーを高める過程では、保護者も一緒に情報の取捨選択をしていきます。例えば子どもと一緒に調べ事をした際に、キーワードを検索してトップに出てきたサイトを10個ほど開きます。

ここで子どもに「この中で本当に役に立つと思うサイトを5つ選んでみて」と声掛けしてください。子どもに選んでもらった後は、厳選したサイトの見出しをピックアップして不必要な内容をさらに選んでもらいましょう。

結果的には、10サイトを上から下まで細かくチェックするよりも、半分以下の時間で必要な情報に辿り着くはずです。もちろん、子どもに選んでもらった情報が適切とは限りません。保護者も同じ取捨選択をしながら、お互いの選び方の違いについてコミュニケーションを取ってみてください。

同じような訓練を繰り返していくと、子どもが感覚的に必要な情報を選びやすくなってきます。速度を高められたら次は信憑性といったように、多角的にリテラシーを高める練習を続けていきましょう。

 

類似する情報を比較する

類似する情報を比較することは、子どもの情報リテラシーの教育につながります。比較の際は子どもにとって興味がある物事を活用しましょう。例えばファッションに興味がある子どもの場合はジュニア向けファッション雑誌を用いて、似たコーディネートを見比べて要素を抽出します。

コーディネートに使われているアイテムの違いはもちろん、その違いがもたらす印象の違いや価格の違いなどを見比べ、明文化してみましょう。興味や関心を深堀りする中で、情報の違いを整理整頓していくことは自分らしさの獲得にもつながります。

 

情報を見て、どのように感じたのか親子で話し合う

情報リテラシーの教育では、他者の価値観を取り入れることで新しい気づきが生まれます。情報リテラシー教育における目標は「主体性を持って情報を受け取り、物事を批判的に分析すること」です。

その判断基準の引き出しを増やすためには、自分だけの価値観だけでは困難でしょう。子どもにとって最も身近な大人である両親とコミュニケーションを交わすことで、価値観が広がり情報を取捨選択する術が増えていきます。

 

情報リテラシーを向上して、子どもの能力を高めよう!

現代に生きる子どもたちは、物心がついた頃から当たり前にインターネットやスマホが存在しています。私たちが想像している以上に、子どもたちにとってオンラインの世界は身近なものだといえるでしょう。

子どもたちは日常の中でインターネット上の嘘や虚構、偏ったメディアの情報に触れています。そして人生経験を重ねる中で、嘘を嘘だと見抜く力も養われています。しかし「自分たちはインターネットに慣れている」「毎日のようにデジタルコンテンツに触れている」といった自意識こそが、情報リテラシーの低下を招くのです。

インターネットに身近な世代だからこそ、危険な情報に疑いや危機感を持たずに触れてしまう可能性もあるでしょう。親子のコミュニケーションの中で情報リテラシーを向上させる機会を設け、子どもの洞察力や注意力を底上げしていくことが大切です。

 

21世紀型スキルを身につけるなら『Wonder Code』で学ぼう!

今回は情報リテラシーの種類や特徴、子どもの情報リテラシーを育む方法などをご紹介しました。情報リテラシーを高めることは、子どもが間違った情報に惑わされない人生を歩むための手助けになります。

子どもの主体性を尊重しながら、正しい情報に辿り着くためのサポートを行いましょう。安全な段階であえて子どもに間違わせることも一つの教育法です。情報化社会の中で生き抜く力を身につけるためにも、生活や遊びの中でリテラシーを身につけていきましょう。

『Wonder Code』は、情報リテラシーの中でもコンピューターリテラシーやITリテラシーを身につけることに特化した習い事です。ロボットやプログラミングを通して、現代社会を生き抜く力を学ぶことができます。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。