問題解決能力(問題解決力)の意味とは?

インターネットやグローバルな社会が進化している中で、これからの未来を生き抜く子どもたちに「問題解決能力」が求められています。親元で守られていた世界から少しずつ社会に出るにつれて、ときには困難に遭遇する機会も増えていくでしょう。

目の前で何か問題が起きたときに、「今どのような問題が起きているのか」や「なぜこのような問題が起きたのか」「どのように解決すべきか」を冷静に分析し、自ら解決しようとする能力こそが「問題解決能力」です。

問題解決能力が高い人の特徴

問題解決能力は、学校や学習、家庭内などあらゆる環境において発揮されます。それゆえ、総合的な能力として他者から評価される機会が多くなるでしょう。したがって、問題解決能力に優れた子どもは、学習能力が高かったり周囲と協力してリーダーシップを発揮したりする子どもが多くなる傾向にあります。

また、大人になり社会に出てもこの問題解決能力は絶対的に求められます。問題点を自ら見つけて定義づけ、問題解決までのプロセスにて臨機応変に対応し、明確に伝えられる人材こそが今以上に求められていくことでしょう。

ここからは、問題解決能力が高い人にはどのような特徴があるのかについて解説していきます。

物事を表面的にだけではなく深く考えられる

第一に、問題を解決するには、しっかりとその問題の根源を知らなくてはなりません。

なぜそのトラブルが起きたのか、原因を追求する必要があります。その原因によって「話し合いが必要なのか」「大人の助けが必要なのか」「もしくは原因が別にあるのではないか」などとあらゆる視点から物事を深く考えることで、解決策を判断できるのです。

このことから、物事を深く考えられる子どもは、問題の根源を正確に見極め解決する能力が高いと言えるでしょう。

目標を設定して逆算することが得意

問題を解決するには、下記のようなstepがあるとされています。

  • step1 理想のゴールを定める
  • step2 情報を集め、必要な要素を洗い出す
  • step3 どのように行動するのかを決める

上記のように逆算の思考を働かせると、自分は次にどのような行動を起こすべきかが明確に見えてきます。これは、問題解決へのルートを自分で考え出せる力とも言えるでしょう。

特にstep2でプロセスを考えることは、最も大切な要素となります。自分にはどのようなことができるのか、どのような行動が必要なのか、どのような方法で取り組めば良いのかを丁寧に考えることで、逆算して解決への近道を見出せるでしょう。

常に冷静でパニックになりづらい

問題解決能力が高い人は、物事を冷静に受け止め的確な判断ができるという特徴があります。たとえ問題点を定め解決へのプロセスをしっかりと立てたとしても、ときに予期せぬ事態が起こることもあるでしょう。

特にここ数年、世界中で予期せぬ事態が重なり混乱を招くようなことが多くありました。そのようなときに、問題点を解決するだけでなく、落ち着いていかにプラスな発想に変えていけるかが重要となります。

どのような事態も冷静に受け止めて、柔軟に考えを変更することが必要です。問題解決の途中でのプロセス変更等にも慌てることなく冷静に、更には臨機応変に対応できる力がある人こそ、問題解決能力が高い人だといえるでしょう。

思考を言語化することが得意

問題解決能力が高い人は、誰に助けを求めるべきかを判断し、状況を伝えて一緒に問題解決できるという特徴があります。問題解決をするには、一人では難しいこともあるものです。そのようなときには、友だちや教師、両親に協力を求めることが大切です。

問題が起きた状況や自分の考え、どのような協力が必要なのかを言葉で伝え、理解してもらう必要があります。自分の考えを相手にしっかりと伝えられれば、問題解決への近道にもつながるでしょう。

このように自分の思考を言語化できる人は、問題解決能力やコミュニケーション能力が高い人であると考えられます。

子どもの問題解決能力を高める3つの教育法

問題解決能力を身につけるためには、子どもの頃からの日常生活内での過ごし方が大きく関わってきます。幼少期からの日常的な習慣の中で、子どもへの接し方を考えてみる必要があるでしょう。

子どもの頃から問題解決能力を身につけておけば、あらゆる困難や失敗に遭遇しても、自分で解決しながら前向きな思考を持って生きていけるはずです。迷ったときにはどの道をえらべば良いのか、失敗したときにどう立ち直るかなどは、全て経験により覚えていくものです。

これから紹介する3つのポイントをふまえて、子どものうちから問題解決能力を高められるような経験をさせてあげましょう。

問題や感情を可視化させる習慣をつける

問題解決能力を高めるには、「目標を設定して逆算することが得意」の見出しでも伝えたように、目的・プロセス・実際の行動といった要素を明確にすることが大切です。要するに、問題が起こった際にあらゆる項目を可視化する力が必要となるでしょう。

可視化とは、目に見えない物を見える状況にし、誰が見てもわかりやすく整えることを意味します。子どもの日常の中で問題が起こったとき、まずは「何が起きているのか」や「どうして起きたのか」「どうしたら解決につながるか」などを分析し、あらゆる問題を分解して考える習慣をつけさせていきましょう。

なお、問題を分解し可視化するためには、子どもの意見を聞きながら文字でまとめてあげる方法もおすすめです。可視化する作業は問題を誰にでもわかりやすくするだけでなく、自分が全体を整理して考えることにも役立つでしょう。

問題解決のために必要な順番を考えてもらう

問題を捉えて可視化した次のステップは、問題解決へのプロセスを考えることです。どのような順番で行動していけば良いのかを考えることは、あらゆる場面で必要な先読みの能力にもつながっていきます。子どもがこの順番を考えるためには、日頃から考える癖をつけさせることが大切です。

例えば、朝の身支度で出発時間を設定してそのために必要な行動を考えるなど、身近で考えやすい状況から始めるのが良いでしょう。また、子どもが自ら順番を考えるには、両親の質問の仕方も重要となります。例えば「最初に何をする?」「次はどうしようか?」などと伝え、子ども自身が考えるような言葉を選んでサポートしていきましょう。

物事を順序だてて考える習慣が、問題解決能力を大きく伸ばす鍵となります。この順番は人によって違ったり、間違えたりすることもあるかもしれません。しかし、間違えたらやり直せば良いという気持ちも一緒に身につけていくことで、遠回りしたとしても問題解決に前向きに立ち向かう精神を育めます。

子どもの行動を先回りせず、主体性を育む

小学生・中学生と成長するにつれて親は子どもに思い通りの返答を求めてしまいがちですが、最も重要なことは、大人が答えを出さないこと子ども自身の考えを受け止めることです。

問題が起きたときや失敗したときには、子ども自身が極端に落ち込んでしまうこともあるでしょう。そのようなときに大人はすぐに助けてあげたいと思ってしまいますが、そこを耐えて子ども自身が自分で答えを導き出せるよう、サポートしてあげる必要があります。

「どうしてうまくいかなかったんだろう?」「何か他の方法はあるかな?」などと伝え、子どもの主体性を育むことが大切です。子どもが主体となって問題に向き合ったあとは、「それは良い方法だね!」とか「あなたの考えで成功したね」などと褒めると良いでしょう。自分で解決したという実感こそが、子どもの問題解決能力を高めるのです。

問題解決能力を高めるためにプログラミングが注目されている理由

2020年度から、学校教育におけるプログラミング学習が必修化されました。小学生からプログラミングが必修化された背景には、今後のIT化社会に向けた人材育成の他に、プログラミング的思考を養うという目的があります。プログラミング的思考とは、物事を順序立てて捉え、結論を出すことです。このような物事を理論的に考えられる力は、今後更に求められるようになるでしょう。

特に小学校のプログラミング教育においては、パソコンなどのIT技術よりも、このプログラミング的思考の部分を重視して教育に取り込まれているようです。

プログラミングでは、一つひとつの作業をパズルのように組み合わせて目的に向かいます。その過程の中で、エラーが発生したときには何度でも作業をやり直します。このトライ&エラーの経験こそが、問題解決能力の向上に役立つため注目される教育となっているのです。

一見プログラミングとは関係なく思えるような行動も、このプログラミング的思考で考察していくことで、子どもたちの能力向上につながります。また、あらゆる問題の解決に向かって最後まであきらめずにやり遂げる思考を身につけるという意味でも、プログラミング教育が注目されているのです。

問題解決に必要な力を身につけるなら『Wonder Code』

今回は、問題解決能力が高い人の特徴やその高め方、プログラミングが注目されている理由などについて紹介しました。日常生活の中で、問題に出会わずに過ごすことはまずありません。大切なのは、問題が起きた際にいかに前向きに考え、解決しようとするかです。

物事を理論的に分解して考え、解決へのプロセスを導き出す能力は、これからの社会を生きていく上で役立つスキルとなるでしょう。

『Wonder Code』では、ロボットなどを使って、問題解決能力につながるプログラミング的思考を身につけられるカリキュラムを取り入れています。あらゆる問題に立ち向かい前向きに解決できる力を培うために、まずは無料体験や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。