小学生の子どもをお持ちの保護者にとって、なぜ子どもが一人で集中して勉強に取り組めないことに対して悩みを抱いている人も少なくないものです。この記事では、家では勉強に集中できない理由を解説した上で、集中して勉強をしやすいおすすめの場所や、自宅外で勉強をする際の注意点についての情報をお届けします。子どもが集中してスムーズに勉強に取り組み、学習意欲を前向きに維持するための参考になれば幸いです。

なぜ家では勉強に集中しづらいのか?

一人で勉強をするのが難しい場合、まずはなぜ集中しづらいかという原因を把握しておくことが大切です。自宅で勉強がしづらい理由としては、静かすぎる環境に対して、子どもが落ち着かないと感じてしまうということが挙げられます。静かな場所にいると、人間は自然に物音を立てないように用心して過ごすものです。

子どもによっては、物音を立ててはいけないという方にばかり意識が取られてしまって、肝心の勉強に身が入らないこともあります。人間が集中しやすい環境は、無音ではなく、70dB程度の音が聞こえる環境であると言われています。70dBの環境は、外から雨音やセミの音が聞こえる程度の環境です。あまりにもシーンと静まり返っていることが原因で、子どもが勉強に集中できていないケースもあると認識しましょう。

 

子どもが家でなかなか勉強に集中できない大きな原因となるのが、家の中には様々な誘惑があるということです。小学校の入学前に子ども部屋にきちんと学習机を用意して、学習しやすい環境を整えたはずなのに、期待しているほど集中力が続かないというケースもあるでしょう。

個室内に、テレビやスマートフォン、ゲーム機といった楽しいコンテンツを提供する電子機器があると、ついつい気になってしまい、勉強に集中できなくなってしまいます。勉強をする間は、できるだけ誘惑の対象となる物が目に入らないような環境を整えるのが好ましいと言えます。

 

静か過ぎることが集中しづらい原因となるケースもあれば、他の家族の生活音が勉強の妨げになるケースもあります。子どもが個室で勉強している際に、リビングからテレビの音が聞こえてきたり、家族が話している声が聞こえてきたりすると、子どもはなかなか集中できません。ドアの開閉をする音や階段を上り下りする音なども、場合によっては、集中力の妨げとなってしまいます。

一人で勉強するのにおすすめの場所①図書館

子どもが一人で集中して勉強しづらい場合、勉強する場所を変えてみることを検討しましょう。「なぜ集中できないの?」と頭ごなしに怒鳴ったりするのは、厳禁です。なかなか勉強が捗らないことには、環境的な要素が影響を与えていると認識し、子どもに新たな勉強場所の提案をしてあげてください。

 

静かに勉強に集中して取り組みやすいおすすめの場所の代表格が、図書館です。公共の図書館には、館内に自習室を設けているところも数多くみられます。一人ずつのブースに分かれていて、勉強用のスタンドなども取り付けられている机があれば、勉強に取り組みやすいでしょう。図書館内は、周りに読書や勉強に励んでいる人がいる環境であるため、周囲の人々が良い刺激になって、学習に対するモチベーションが高まりやすいというメリットもあります。

 

ただし、図書館の中は基本的には飲食が禁止となっています。自宅のように気軽に水分補給をしたり、おやつを食べたりすることは難しいです。また、子どもの本が置いてあるスペースであれば、子どもが多いですが、基本的には大人が利用者の中心となる施設でもあります。子どもによっては、そういった慣れない空間で勉強をしようとすることがストレスになってしまうことも考えられます。一般的に集中がしやすいと評価されている図書館ではありますが、図書館で勉強をすることを無理強いすることなく、子どもの勉強の進捗状況を確認して、図書館での勉強を継続させるか否かを決めるようにしましょう。

 

一人で勉強するのにおすすめの場所②公民館やコワーキングスペース

 

公共の施設の利用を検討する場合、公民館や地域交流センター、コワーキングスペースを利用する方法もあります。公共の施設には、無料で利用できる上、管理がしっかり行き届いていて安心感があるというメリットも挙げられます。校区内にある公民館であれば、小学生の子どもでも徒歩や自転車で通いやすく、毎日放課後に公民館に行って勉強をする習慣を付けることも可能です。学校の友達と誘い合わせて一緒に勉強をするといった方法を選択することもでき、活用の幅が広い場所であると言えます。

ただし、複数の貸会議室などを備える公民館については、貸し会議室を利用して音楽関係のサークルが活動していて、音が気になるケースもみられます。必ずしも同じような環境で勉強ができるという保証があるわけではないという点には注意した上で、公民館を利用するようにしてください。

 

自治体によっては、無料で利用できるコワーキングスペースを設けているところもみられます。広めのデスクが置かれており、綺麗な空間で集中して勉強に取り組みやすいのは、コワーキングスペースのメリットです。作業効率を考えて設計されているコワーキングスペースならではの特徴を知り、子どもの勉強にも役立てるようにするとよいでしょう。協同的なスペースという性質上、分からない点があれば、周りの大人に質問をして解決することも可能です。

働き方のスタイルが多様化している時代、子どもが将来的に大きくなって社会人になった際にも、コワーキングスペースの活用法を知っておくとプラスになる部分があります。作業効率を高めるための空間を生かす方法を子どもの頃から身につけておけば、シーンに応じて柔軟に作業ができる人間に成長しやすくなるはずです。

一人で勉強するのにおすすめの場所③学校や塾

 

自宅でなかなか勉強に集中できない場合、学校や学習塾で勉強をすることも検討してください。学校であれば、学校内の図書室で勉強をしたり、教室に残って勉強をしたりすることができます。教室で勉強をする際には、先生側の都合も考慮する必要が生じるため、授業後に長時間残って学習をするのは難しい部分もあるでしょう。たとえ限られた時間ではあっても、日頃から授業を受けている空間の方が集中しやすいという子どもであれば、教室内で宿題を済ませて帰るのがおすすめです。学校内の図書室は、司書の先生も見守ってくれていることも多く、子どもが安心して勉強をしやすい環境です。勉強で分かりづらい部分があったり、さらに内容を掘り下げて学びたいことが見つかったりしたら、司書の先生におすすめの本を尋ねることができます。

 

学習塾に通っている子どもについては、自習室の利用がおすすめです。自習室自体の利用料金を支払う必要はなく、通塾している生徒であれば、授業日以外にも、自習室は自由に利用できるという仕組みになっている学習塾が多いものです。自宅から学習塾までが徒歩圏にあるといったケースでは、学習塾内の自習室での勉強を習慣づけるとよいでしょう。分かりづらい点を塾の先生に質問をして解決できるところも、学習塾で自習をするメリットです。自宅よりも緊張感を持って学習に取り組みやすい環境が整っているので、積極的に活用するようにしましょう。

自宅外で小学生が勉強をする際の注意点とは?

小学生が自宅外で勉強をする際には、どうしても保護者の目が行き届かない部分があります。利用する施設のマナーを理解し、注意点を押さえて勉強をするように子どもにしっかり伝えましょう。公共の施設などで勉強をする場合、利用する施設のマナーを理解し、利用者に対する配慮をすることが求められます。長時間に渡って、一人で同じスペースを占拠してしまうと、他の利用者が利用しづらいと感じる可能性があります。利用者に対して不快感を与えないように注意して利用する姿勢を身につけられるようにしてください。        

 

また、保護者との連絡手段や門限を決めておくことも、自宅以外で勉強をする上での重要なポイントとなります。自由に自宅外で勉強をしてもよいという取り決めにしてしまうと、子どもがどこに行っているのかが分からなくなってしまうリスクがあります。何時までには必ず帰宅をする、といった約束をした上で、子どもを自宅外の勉強場所に向かわせるようにしましょう。また、図書館や公民館といった公共の施設については、ある程度安心感があるものの、保護者の目が行き届かない以上、何らかの事件などに巻き込まれてしまう可能性もゼロではありません。子どもが本当に安心して勉強ができる場所であるかをしっかり見極めてから、利用させるようにしてください。

 

自宅外で子どもに一人で勉強をさせる方法を取る際には、子どもの勉強の進捗状況を把握することも忘れないようにしましょう。子どもを信頼することは大切ですが、場合によっては、勉強をしに行っているはずなのに、勉強をせずに遊んでいるといったケースもみられます。小学生の子どもには、まだ自己管理を徹底するのが難しい側面もあると認識し、子どもが勉強を問題なく行えているかについて、保護者がしっかりチェックしてあげることが必要です。

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子どもが自宅でなかなか勉強にしづらいと感じている場合、別の場所で勉強する方法を検討してみましょう。自宅外でおすすめの勉強場所としては、図書館が挙げられます。図書館以外に、公民館やコワーキングスペースといった公共の施設を利用する方法もあります。また、学校の教室や図書室、学習塾の自習室で勉強をするのもおすすめです。なお、自宅外で勉強をする場合、保護者の目が行き届かないというデメリットもあるので、その点には十分に注意してください。門限や連絡手段をきちんと決めておく、学習の進捗状況をチェックするといった心掛けを忘れないようにすることが必要です。

 

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