進化し続けるAI技術…今後なくなる可能性がある仕事を知っておこう

AI技術が進化をとげ、各種産業に深く浸透しつつある現代。AIにより仕事の一部自動化が進むと、従来の人間が担当していた職種の一部がなくなる可能性があります。オックスフォード大学の研究によると、雇用の約半数が高度なAIとロボットによる自動化のリスクにさらされているとしているのです。AI技術が今後ますます進化していくことで、子どもたちの職業選択に不安を覚える保護者もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、「AIの普及でなくなると予測される仕事」と「AIに仕事を奪われないために保護者ができるサポート」について紹介します。AIが発展した世界でも生き残る力を、子どものころから育ててあげましょう。

参考:野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

AI(人工知能)とは

AI(人工知能)は、人間の知識をコンピューターに学習させ、人間と同じように考えたり判断したりする技術です。データ解析・パターン認識・自然言語処理など多岐にわたる領域で使用されています。

そもそもAIは、1956年にジョン・マッカーシーによって初めて名付けられました。それ以来、AIは飛躍的に進歩をとげています。今やビジネスだけでなく私たちの日常でもよく触れる技術の一つです。例えば、自動運転・顔認証システム・医療画像の分析などの分野で活用されています。

AIによってなくなる可能性のある仕事の特徴

AIやロボット技術の発展にともない、将来的になくなる可能性のある仕事もあります。それらの仕事には、どんな特徴があるでしょうか。この章では、AIによってなくなる可能性のある仕事の特徴について解説します。

数字やデータを扱う仕事

AI技術と機械学習技術の発展で、大量の数字やデータを扱う定型的な仕事は自動化されていくでしょう。AIが人間より遙かに高速かつ精密に実行できるようになるため、データ入力やデータ分析などの職種がなくなる可能性があります。

また、AIは大量のデータを高速分析し、パターンやトレンドを見つけ出すのにも役立つでしょう。データ活用の観点からも、AIが大量の数字やデータを扱う仕事を人間の代わりに担うには十分といえます。

命の危険が伴う仕事

AIとロボット技術の進化により、命の危険が伴う作業も自動化され、人間が直面するリスクを減らせる可能性があります。AIは人間にとって過酷な環境でも作業を続けられるため、労働安全を満たさなくても作業を続けられるのが強みです。

具体的には、採掘作業・高温の炉心を清掃する作業などが挙げられます。さらに、これまで安全性が確保できず人間にはできなかった作業も可能になるでしょう。

機械的な単純作業

AIの発展により、反復的なタスク処理など機械的な単純作業は大きな変革を迎えるでしょう。一部はAIによって置き換えられる可能性もあります。AIやロボットは、効率良く高精度で単純作業を実行できます。そのため、こういった作業をあえて人間が行う必要がなくなるのです。

具体的な例を見ていきましょう。例えば、製造ラインでの単純作業が挙げられます。可能な箇所は自動化され、人間の作業者はより複雑なタスクや機器の監視・メンテナンスなどに移行する企業が増加中です。また、AIによる音声認識と自然言語処理技術の進歩により、AIチャットボットが問い合わせに対応するケースもあります。

AI普及でこれからなくなる仕事9選

AIによってなくなる可能性がある仕事の特徴には、数字・データを扱う仕事や、危険な仕事、単純作業などがあげられます。では、具体的になくなる仕事にはどんなものがあるのでしょうか。

ここでは、AIの普及でこれからなくなる可能性がある仕事を具体的に9つ紹介します。

受付嬢

AIと自動化の普及により、受付嬢のように顧客対応をする役割は徐々に減少し、完全にAIによって置き換えられる可能性があります。AIの音声認識と自然言語処理能力が進化したことで、受付や顧客対応の役割を担えるようになりました。

さらに、顔認識技術を利用したチェックインシステムも登場し、受付業務の自動化が可能に。最近ではAIチャットボットが顧客からの問い合わせに対応する例も増えています。

銀行員

AIとデジタル技術の進歩は、金融業界に大きな変化をもたらしています。金融機関の窓口業務を担う銀行員の仕事の一部は、AIや自動化によって置き換えられる可能性があるのです。

例えば銀行の窓口で行われていた多くの取引は、現在ではATMやオンラインバンキングを通じて行われることがほとんど。実際に、オンラインバンキングの普及・モバイル支払い・AIロボを搭載した投資アドバイザーの活用などが進んでいます。

建設作業員

AIとロボット技術の進化により、建設作業員の仕事の一部は自動化され、人間の役割が変化する可能性があります。建設業界では、危険を伴う作業や重労働を行うAIやロボット技術の利用が進行中です。これにより作業効率が向上し、作業員の安全性も担保されるでしょう。

また、高度な計画やデザイン作業にAIを活用することで、建設プロジェクトの精度や効率性が向上する可能性があります。建築作業員の業務の一部AI化は、建築業界にも大きな変化をもたらすかもしれません。

工場作業員

AI技術とロボット技術の進化により、工場作業員の仕事も自動化されつつあります。工場作業は、反復的なタスクを扱うことが多く、これらのタスクはAIやロボットにより容易に自動化できるのです。

また、AIを使用することで、品質検査の精度を向上させ、労働者の作業負荷を軽減することが可能です。効率性と生産性を向上させ、コスト削減にもつながるでしょう。

一般事務員

AIの発展により、一般事務員の仕事が自動化され需要が減る可能性があります。一般事務員の主な仕事は、データ入力・スケジュール管理・書類整理など、反復的で予測可能なタスクが多いです。AIは、これらのタスクを高速かつ高精度に実行できます。

例えば、AIチャットボットにより、問い合わせ応答や情報提供などを自動化できます。AIを活用したスケジューリングソフトウエアを使用することで、会議のスケジュール調整やリマインダーの自動設定も可能です。

警備員

AIとロボット技術の発展により、警備員の仕事の一部が自動化、または変革される可能性があります。警備員の仕事は、監視・異常行動の検知・即時対応などがあげられますが、その一部はAI技術により代替可能です。

例えば、AIが組み込まれた監視カメラは、異常行動を自動的に検知し、人間の警備員へ通知できます。人間による24時間監視に比べて、より効率的で確実な監視が可能となるでしょう。また、企業や公共スペースでの巡回・監視業務を行うセキュリティロボットも開発中です。異常を感知し、必要に応じて警備員や警察に通報する機能があるため、人間の負担を減らしつつ高いセキュリティも確保されるというメリットにつながります。

タクシー・トラック運転手

AIによる自動運転技術の進化により、タクシーやトラックの運転手の仕事が減少・あるいは失われやすくなるでしょう。自動運転技術は、現在急速に進化しています。AIが安全に運転するための複雑な決定を行い、通常人間の運転手が行う業務を自動化できるようになるのです。

Google系列の企業『Waymo』は、アメリカの一部地域で自動運転のタクシーサービスを始めました。またAI技術を活用した自動運転トラックも実験段階を終えて商用化が進んでいます。これにより、長距離輸送などのトラック運転手の仕事は大きく変わる可能性があるといえるでしょう。

スーパー・コンビニ店員

AIの普及により、スーパーやコンビニ店員の役割は変化し、一部の業務が自動化される可能性があります。具体的には商品の管理・在庫の補充・レジ業務などです。特にレジ業務の自動化は、労働力の節約とともに、コンビニやスーパーの混雑を軽減できます。顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

例えばAmazonによる自動で支払いが行われるコンビニ『Amazon Go』は、AIとセンサー技術を活用した試みです。ほかにもスーパーやコンビニ店員の業務をAIで置き換えている企業は多く、今後の更なる進化が期待できる分野でもあります。

ライター・イラストレーター

AIの進歩により、ライターやイラストレーターの仕事も自動化がすすむ可能性があります。AIは一部の文書作成やイラスト生成に使用可能です。

OpenAIが開発したGPT-3やGPT-4のような高度な自然言語生成AIは、記事やエッセイの初稿を作成する能力があります。また、DALL-EのようなAIは、特定の指示に基づいてイラストなどの画像生成も可能です。クリエイティブの分野でもAIの活用は進んでいるため、クリエイターはAIとどう向き合うか考える必要があるでしょう。

AIに奪われにくい仕事7選

AIの発達によって自動化の波が広がり、一部の仕事はなくなる可能性があるとみられています。一方で、AIが発展したとしても奪われにくい仕事も。

この章では、AIに奪われにくい仕事を具体的に7つ紹介します。

カウンセラー

カウンセラーは、AIによって奪われにくい仕事の一つといえるでしょう。AIが持つ情報処理やパターン認識の能力は非常に高いです。しかし、人間の感情や心理状態を理解し、思いやりや共感を繊細に表現する能力はまだ実現できていません。

『Woebo』というAIチャットボットは、短期的なストレスや不安を管理するための対話型セラピーを提供しています。しかし、これは人間のカウンセラーの代替品ではなく、あくまで支援ツールとして位置づけられているのです。AIの技術が進化し続ける一方で、人間の心理や感情に対する理解と共感は、今後も重要なスキルとして残る可能性が高いでしょう。

営業職

営業職も、AIに奪われにくい仕事であると考えられます。AIは情報分析などには役立ちますが、人間の個々のニーズへの対応・説得力・人間関係の構築という営業の重要な側面にはまだ対応できません。

個々の細かなニーズを汲み取ったり人間関係を構築するためには、高度な社会的スキルと感情的知性が必要です。現状AIには足りない能力のため、営業職はAIによって完全に置き換えられるとは考えにくいといえます。

介護士

介護士もAIによる代替が難しいとされています。AIにより、介護の一部タスクの自動化が可能になりました。実際に現場では介護ロボットの活用も進んでいます。

しかし、人間の感情的サポート・対話といった面では、まだAIは人間を超えられません。介護は技術的なスキルだけでなく、対人スキルや感情的な対応能力も必要とするため、AIによる完全な代替は難しいと考えられます。

ITエンジニア・プログラマー

ITエンジニアやプログラマーは、AIによる自動化の波の影響をそこまで受けない職業といえます。高度な論理的思考・創造性・AI自体の設計と改良が期待されるためです。AIや他のテクノロジーが進化し続ける一方で、プロダクトを設計、実装、維持する人間の専門家が必要とされています。

また、AIには問題解決のための新たなアプローチの提案など、高度な論理的思考と創造性を必要とするタスクをこなすのは難しいでしょう。AIは、一部のプログラミングタスクの自動化は可能ですが、ITエンジニアやプログラマーに求められる創造性・論理的思考・人間とのコミュニケーションはまだ代替できないのです。

教師

AIにより、教師の一部業務が変化する可能性はあるものの、比較的なくなりにくい職業といえます。なぜなら、教師が果たす役割は知識の伝達だけでなく、対人関係の構築や、個々のニーズへの対応なども挙げられるからです。

教育分野でAIを導入することで、学生の学習進度や理解度に応じたカリキュラムの提供ができます。しかし、学生が問題に直面したときには、サポートを提供する生身の人間が必要です。生徒との対話・フィードバック・個人指導・激励などはまだ人間の教師にしかできない仕事といえるでしょう。

保育士

保育士の業務は、AIの進化により一部効率化される可能性があります。例えば状況報告や業務スケジューリングなどの管理作業がその例です。しかし、すべての業務が自動化で対応できるとはいいにくいでしょう。

保育士の役割には、子どもたちの身体的な世話だけでなく、精神的な成長や社会性の育成も含まれています。感情の理解や共感、対人関係の構築など、現在のAI技術では代替が難しいスキルが必要です。子どもたちとの感情的な絆の形成や個々のニーズに応じるためには、人間特有の能力が必要となるでしょう。

コンサルタント

AIの進化と普及により、コンサルタントの業務の一部は自動化や高度化される可能性があります。しかし、専門的な知識と洞察力を必要とする職業の特性上、AIに仕事を奪われやすい職業とはいえないでしょう。

コンサルタントの役割は、クライアントのビジネスや課題を深く理解し、専門的な知識・洞察力を用いて、最適な解決策を提案することです。複雑な判断を要するため、現在のAI技術では全面的な自動化が難しいといえます。

AIに仕事を奪われないために…保護者ができる3つのサポート

AI技術の発展により、なくなる可能性の高い仕事と、低い仕事があります。AIに奪われづらい仕事に共通するスキルを身につけることで、AIがより活用される将来においても活躍できる人財となれるでしょう。

この章では、AIに仕事を奪われないために、今から保護者ができるサポートを3つ紹介します。

IT関連の知識や技術を身につける

子どもにITに関連する知識や技術を身につけさせることは、AIの普及による労働市場の変化に対応するための効果的な方法です。世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report」によると、デジタルスキルの需要は今後も増え続けると予想されています。

IT関連のスキルがあれば、将来の就職、その先の転職でも高い競争力を保てるでしょう。IT関連の技術を身につけるためには、デジタル機器を身近にする、子ども向けのプログラミングを学ぶなどの方法があります。

参考:世界経済フォーラム「Future of Jobs Report 2023」

創造力・想像力を引き出す

AIによる労働市場の変化に対応するには、子どもの創造力・想像力を引き出すための保護者の働きかけが有効です。

AIやロボット化は繰り返しのタスクを自動化することで効率化を進めますが、新しいアイデアを生み出す創造性は、まだAIによる自動化が難しい領域です。そのため、創造力と想像力を育むことは、AIによる労働市場の変化に対応する手段なのです。

保護者は、子どもの想像力・想像力を育てるためにサポートすることで、将来活躍する人財になる手助けができるでしょう。具体的な方法としては、芸術・音楽・工作などの活動を推奨する、問題解決のための新しい手段の探求を促すなどが挙げられます。

コミュニケーション能力を鍛える

AIに負けない力を身につけるために、保護者が子どものコミュニケーション能力を鍛えることも有効です。AIが進化するにつれて、人間の交渉力・説得力などのコミュニケーション能力が重要視されています。AIが労働市場に変化を与えるなかで、多くの職種でコミュニケーション能力がAIに代替されない能力として認知されているのです。

そのため、保護者は子どもがコミュニケーション能力を高め、人間だけが持つ対人スキルを磨く手助けをすることが大切です。例えば、意見交換の習慣を持つ、チームプロジェクトに参加する、スピーチやプレゼンテーションの機会を提供するなどの方法が挙げられます。

10年後も役立つスキルを学ぶ習い事は『Wonder Code』

今回は、AIの普及でなくなる仕事と、AIに仕事を奪われないために保護者ができるサポートについて解説しました。

AI技術が生活や企業で取り入れられていくなか、AIに代替される可能性が高いといわれる仕事が出てきています。AIに仕事を奪われないためには、IT関連の知識や技術を身につけたり、創造力・想像力・コミュニケーション能力を鍛えたりすることが大切です。

ITスキルや人間にしかない能力は、AIが今以上に身近に浸透するであろう10年後にも役立つでしょう。このようなスキルを総合的に身につけるためには、プログラミング教室が適しています。

『Wonder Code』はロボットを使ってプログラミングを学べる教室です。IT技術だけでなく、グループワークや課題の取り組みにより、創造力・想像力・コミュニケーション能力も育まれるでしょう。

ぜひこの機会に、資料請求や体験教室からはじめてみてはいかがでしょうか。