実際の子育てで直面するトラブルや悩みの中で、どう子どもを導いていけばよいか迷うことはありませんか?子育ては、理想通りに行かないことが多々ありますよね。そんな時に指針になるのが、教育方針です。

教育方針を決めることで、子育てがよりスムーズになり、子どもの成長に役立ちます。この記事では、教育方針を持つメリットと決め方について詳しくご紹介します。

教育方針を立てた後にありがちなトラブルなどもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

教育方針を持っておくメリットとは?

教育方針を決めることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。どんな時でも一貫性を持った子育てが可能、子どもとのコミュニケーションがスムーズになる、という2つのメリットについてご説明します。

どんな時でも一貫性を持った子育てが可能

教育方針があれば、どんな時でも一貫した態度を子どもに示せるのがメリットのひとつです。

例えば、おもちゃやゲームにくわえて、スマートフォンやYouTubeなど制限をしなければ子どもがいくらでも触っていられるツールが増えています。

「A君の家では、ご飯を食べながらYouTubeが観られる。」「Bちゃんは、新しく発売されたおもちゃを持ってるから私も欲しい。」など、子どもが言ってくることはありませんか?「他の家庭もそうしているなら、うちもそうしようか。」と考えるのではなく、家庭で決めた教育方針に沿ってルールを決めることが大切です。明確な方針があれば、保護者同士や子どもの友達から聞いたことによって迷ってしまうことがありません。

教育方針のもと、ブレずに自分が正しいと思う決断や子どもへのアドバイスが行えます。

子どもとのコミュニケーションがスムーズになる

教育方針が決まっていると、家族げんかやトラブルが減るのがメリットです。

「勉強をしなさいと言っても聞かない。」「ゲームばかりやっていて、他に何もしない。」というお子さんはいませんか。子どもの言うままに受け入れてしまっていたり、そもそも明確なルールがないというケースが多いです。

教育方針が決まっていれば、テレビやゲームを使うときのルールも決まり、保護者が子どもを叱る場面も減ります。家族間での諍いが少なくなれば、保護者と子ども互いのストレスが減り、家族関係が良好になるでしょう。

また、子ども同士や保護者同士のトラブルでも教育方針は役に立ちます。

例えば、「学校帰りに友達の家に寄りたい。」と子どもが言ってきたとしましょう。学校からは真っ直ぐに帰るという方針があれば、すぐに子どもに「NO」と伝えることができますし、そこから発生するトラブルを避けることにつながります。

もし教育方針がなければ、子ども自身が何がよくて、ダメなのかを判断する能力が身につきません。子どもと教育方針を共有することで、保護者の考えを伝えると共に、子どもの行動を振り返り、子どもの行動が間違っていたなら改善する機会にもなるでしょう。

教育方針はどのように決めればよい?

教育方針は家庭によって異なり、方針で意見が合わないということは当然です。では、教育方針はどのようにして決めていけばよいのでしょうか。ここでは、教育方針をうまく決める方法についてお伝えします。

価値観を共有しや子育ての目標を決めよう

まず、子どもにどのような大人になって欲しいかや子どもに対する期待を明確にしましょう。

教育方針に決まりはありません。将来のためには何よりも勉強が重要という家庭、正しい道徳観や優しさを重視する家庭、スポーツやアートに注力して欲しいという家庭まで、さまざまです。

教育方針を決めるには、保護者がまず価値観や目標を話し合い、共通の教育方針を決めましょう。保護者同士で教育方針が大きく違っていると、子どもが戸惑います。できるだけ同じ方針の目標を持つようにしてください。

教育方針が決まると、子どもの進路や習い事を決める時にもスムーズです。子どもが小学生以上なら、話し合いに参加させ、子どもの意見を取り入れるようにしましょう。子どもは話し合いに参加することで、自分の意見が尊重されていると感じますし、ルールを守れるようになります。

教育方針を具体的なルールに落とし込む

価値観や目標が明確になったら、具体的なルールや決まりを決める必要があります。「自己肯定感の高い子になって欲しい。」「他人を思いやれる子になって欲しい。」という目標があっても、具体的にすべきことがわからなければただの目標だけで終わってしまうでしょう。

自己肯定感の高い子に育てたいなら、保護者自身が子どもの特徴や性格をしっかりと理解した上で、努力する過程を褒めたり、失敗しても受け入れる姿勢が必要です。さらに、子どもにお手伝いなど家庭の中での役割を与え、子ども自身が必要とされていると考える仕組みを作りましょう。

また、思いやりのある子どもに育てるためには、他人の気持ちを理解することが重要です。子ども同士のトラブルがあった際には、相手の気持ちを考えさせるように指導することが大切です。

ほかにも、ボランティア活動やペットの世話などを通じて、他人への思いやりや責任感を育む機会を設ける必要があります。いつでも実行できるルールを作ることで、家庭の方針が子どもに伝わり、実践しやすくなるでしょう。

教育方針を決めた後はどうする?

教育方針を決めても、子どもの成長に教育方針が合わなくなってしまうことがあります。特に思春期の子どもには大きな教育方針は同じでも、柔軟性を持たせたルール作りが必要です。ここでは、教育方針を決めた後によくあるトラブルやその対処法についてお伝えします。

教育方針のせいでトラブルに発展したら?

大きな教育方針の枠組みは変えなくても、テレビの視聴時間や勉強方法など成長と共に柔軟に対応していく必要がある場面に遭遇することがあります。

「今までは素直に勉強してくれたのに、高学年になり保護者から言われた勉強をしなくなってしまった。」「テレビやゲームを禁止していたら、友人の家でゲーム漬けになっているようだ。」など、ルール自体がトラブルになってしまうことがあります。

高学年の学習については、保護者の干渉を嫌う思春期に入っていることもあり、なるべく自立して学習できるような環境を整えていくことが重要でしょう。テレビやゲームも低学年の時のルールと同じではなく、学習を終えたら許可するなど年齢に応じて柔軟に対応することが大切です。厳しすぎるルールではなく、子どもの意見などを取り入れたルール作りをしてください。

子どもがおかれている環境を考慮しよう

小学校に入学したり、習い事を始めたりなど、子どもにとってはさまざまな環境の変化があります。外的要因によって子どもの成長は大きな影響を受けることがあるでしょう。そのため、家庭の様子だけでなく、学校や習い事の先生から子どもの様子を定期的に教えてもらい、必要に応じて教育方針を見直すことが重要です。

また、子どもの状況を理解して話し合うことは、より良い家族関係の維持につながります。家庭内で決めた教育方針やルールを遂行できていたら子どもを褒め、できていなかったとしても具体的な改善方法を一緒に考えるようにしましょう。

これにより子どもはできたことに対して自信を持ち、できなくても努力するようになります。

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保護者は子どもに、こんな大人になって欲しいという教育方針を明確に示すことで、進路を決めるときや子どもがトラブルに合った時に迷わずに子どもにアドバイスすることができます。教育方針があれば、子どももやるべきことと、守るべきルールがわかりやすくなり、管理能力が培われるでしょう。

教育方針は一度決めたら終わりではなく、子どもの成長や環境に合わせた見直しが必要です。子どもと一緒に教育方針を共有して、スムーズでよりよい家族関係を目指しましょう。

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