論理的思考力が高い子どもは、同じ学習内容でも理解度が高い傾向にあります。自分の気持ちを伝えやすくなることで、コミュニケーション能力も高まることでしょう。今回は、子どもの論理的思考力を鍛える方法やポイントについてご紹介します。子ども自身が楽しいと思える方法を用い、親子で論理的思考力を高めていきましょう。

論理的思考力の鍛え方のポイント

ここでは、論理的思考力を鍛える際のポイントについてご紹介します。論理的思考力の高さは本人の性質や育った環境などによって違いますが、誰でもいつからでも鍛えられるものです。ポイントを理解し、効率的に能力を上昇しましょう。

1.楽しみながら継続する

論理的思考力を鍛える際は、楽しむことが最も大切です。大人でも子どもでも、苦しいことや嫌いなことに対しては集中力を保ちづらいですよね。

人間の能力は、一般的に継続期間や試行回数によって上昇します。これは論理的思考力についても同様です。そして継続のためには、「楽しい」という気持ちが最大のモチベーションになります。

練習や訓練と聞くと苦しいイメージがあるかもしれません。しかし、自分が楽しいと思えるシチュエーションを理解し、習慣として反映することで無理なく継続できるようになるでしょう。

2.考えていることを言葉や文字にする

論理的思考を鍛えるためには、頭の中で考えていることを言葉や文字にしてみましょう。脳内で思考を巡らせているだけでは、シンプルな問題も複雑になりがちです。

文字にして視覚化させることで、問題の本質を客観的に理解しやすくなります。考えていることを言葉にするだけでも思考と紐付けやすくなり、今自分が何をするべきかを導きやすくなるでしょう。何かしらの方法で、思考という形のないものをアウトプットすることが大切です。

3.根拠を明確にする癖をつける

論理的思考力を鍛えるためには、子どもに根拠を明確にする癖をつけさせましょう。「なんとなく」や「多分」のような考えを手放し、発言や行動の背景にハッキリとした動機を用意することが大切です。

私たちは無意識のうちに、先入観や思い込み、常識などに縛られているものです。自分では当たり前と思っていることが、他の人にとっては理解できないこともあります。そして、そのような先入観や常識の違いは、コミュニケーションする上で混乱を招きます。

形として残っている証拠やエビテンスなどを用意することで、感覚に頼った思考に陥りづらくなるでしょう。結果、思考が論理的になり、合理性や生産性のある言動ができるになります。

親子でできる!子どもの論理的思考力を鍛える方法5つ

ここでは、子どもの論理的思考力を鍛えるためにおすすめの方法を5つご紹介します。親子で楽しみながら取り入れられる方法も多いため、子どもとのコミュニケーションの一環として実践してみましょう。

1.読書時間を設ける

論理的思考力を鍛えるためには、読書時間を設けることをおすすめします。論理的思考力は語彙力と関連性があるため、自分の考えを言葉にできる能力を持っていると、より情報を整理しやすくなるのです。

また、さまざまな本の中でも、小説は論理的思考力を鍛えるのに特におすすめです。さまざまな章から成り立つ物語を読み理解するプロセスは、情報同士を組み合わせる行為の積み重ねだと考えられます。小説を何冊も読むごとに、論理的思考力が鍛えられていくことでしょう。

2.親子で5W1Hを含ませて会話する

論理的思考力を鍛えるためには、会話の中で5W1Hを意識することが大切です。5W1Hとは「いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How)」の情報のことを指します。

5W1Hを意識して会話することで、物事をわかりやすく順序立てて伝える訓練ができます。感覚や先入観に頼った思想を手放しやすくなり、発言の要点が絞られることでしょう。

3.水平思考ゲームをする

論理的思考を鍛える訓練としておすすめしたいのが、水平思考ゲームです。水平思考ゲームは1人の出題者と回答者に分かれて行われるもので、出題者が「はい」か「いいえ」のみで答えられる質問を回答者が投げかけます。双方が質問と回答を繰り返し、少しずつ正解に近づいていくゲームです。

回答者は正解に辿りつくために与えられた情報をつなぎ合わせる必要があり、論理的に物事を考えることを余儀なくされます。なぞなぞとは違い「どのような質問をすれば有益なヒントが返ってくるか」を意識しながら進めるため、論理的思考力の上昇につながることでしょう。

4.自分で調べる習慣をつける

論理的思考力を鍛えるためには、子どもに自分で調べる習慣をつけさせましょう。子どもが「〇〇って何?」と聞いてきた場合、すぐに答えを教えずにヒントを与えます。親子で一緒に調べるのもよいでしょう。

物事を調べる行為にはコツがいります。類似するキーワードを検索したり、検索の仕方を工夫したりする必要があるでしょう。自分で試行錯誤しながら調べることで体系的な考え方が身につき、論理的思考力が養われると考えられます。