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子どもに成功体験を与えたい!保護者にできることは?
子どもの成長を促し自信を築くためには成功体験が重要です。成功体験を与えるために保護者ができる手立てはさまざまあります。しかし、子どもが自分の体験を「成功」と感じたり自信をもって前進したりするために「何をどうしていけばよいのか」悩む保護者は少なくないでしょう。
そこで今回は、子どもの成功体験を増やして自信や挑戦心などを育む方法について具体的に解説します。
成功体験の意味とは
成功体験とは、ある目標や課題を達成した結果で得られる肯定的な経験や感情のことを指します。成功体験は自己肯定感や自信を深めるために重要な要素です。
子どもは成功体験を通じて自分の努力や挑戦を前向きにとらえるでしょう。逆に失敗ばかりして困難さを過度に感じるようになれば「どうせがんばっても無駄だ」といった否定的な感情に押されてしまいます。
挫折や困難を乗り越える力や問題解決能力を養うためにも、成功体験は非常に重要であり、子どもが自分自身に対して肯定的なイメージをもつことにつながります。
成功体験が多い子どもの特徴
成功体験が多い子どもは失敗を恐れず挑戦心があり、状況を察知しながら柔軟に物事を考えます。周囲と協力しながら自分のやるべきことを計画的に行う姿勢が身についており、常に前向きな姿勢が特徴といえるでしょう。
ここでは、成功体験が多い子どもの特徴として7点挙げて詳しく解説します。
失敗を恐れずに何事にも挑戦する
成功体験が多い子どもは、失敗を恐れずに何事にも挑戦する傾向にあります。例えば以下のような例が挙げられるでしょう。
- 新しいスポーツに挑戦する
- 難しい学習に取り組もうとする
- イベントや発表の場に参加する
運動や活動を通じて成功体験を積み重ねている子どもは、新たな活動に対して興味をもちながら挑戦します。活動を通じて達成感を得た経験があれば、困難な場面にあっても自分なりに乗り越えられるでしょう。
コミュニケーション能力が高く、友達が多い
成功体験を多く重ねている子どもは、コミュニケーション能力が高く友達が多いのが特徴です。クラスや学校の活動に積極的にかかわりリーダーシップを発揮する場面も多いでしょう。
グループ活動では他者の意見に耳を傾け、協力して課題解決に向かう傾向があります。友達からの信頼も厚く、みんなで達成感を得ながら関係をより良くできる存在といえます。
自然体で人との関係づくりを良好に保つ体験を通じて、さらに成功体験を積み重ねていくといえるでしょう。
変化に対するフットワークが軽い
成功体験が多い子どもは、変化に対するフットワークが軽いのが特徴です。新たな変化があったり困難な状況に陥ったりしても、物怖じせずに挑戦を続けていくでしょう。
逆に成功体験が少なければちょっとした変化に不安を抱き、なかなか行動に移せない可能性があります。挑戦して乗り越える達成感や高揚感を味わえません。
子どもが成功体験を重ねるのは、変化が生じた場合の対応力や解決力を向上させ自己成長を促すでしょう。
自己肯定感が高く、ポジティブシンキングを持っている
成功体験の多い子どもは、自己肯定感が高く、ポジティブシンキングを身につけています。例えば次のような特徴が見られます。
- 自分の強みがよくわかっている
- 失敗や困難をポジティブにとらえる
- 外部の評価を気にせず自己評価が高い
彼らは自分の能力や得意なことに自信をもっており、自分自身を肯定的に評価します。失敗や困難な状況をチャンスと捉えて解決策を見つける努力をするのです。また、他者の意見や比較に左右されず自己目標の達成に集中できるといえるでしょう。
自己管理能力が高い
自己管理能力が高い子どもは成功体験を積み重ねています。難しく苦しい状況を乗り越えた経験があり、課題に対して「いかに自分をコントロールすれば対処できるか」を知っているためです。
明確な目標を設定し綿密な計画を立てる良さや効果について理解しているといえるでしょう。実践の過程でも、責任感と自己管理を徹底しながらタスクを遂行する姿勢が身についています。
自己管理能力が高まると効果的な自己成長への道筋をつけられるため、成功体験をさらに増やしていけるのです。
論理的思考力が高く、計画性がある
成功体験が多ければ、子どもは論理的思考力を高めて計画性を身につけられます。論理的思考力とは、情報を分析して課題を解決するための手法を駆使する力です。
論理的思考力を身につけた子どもは何が起こるのかを予測できるため、タスクを遂行する際には見通しを持って行動できるでしょう。また、計画性を持って行動することで効率的な成果につながります。
成果を得られれば自己成長を自覚し周囲からも認められるため、さらに成功体験を増やして自信を深めていくのです。
行動にメリハリをつけられる
成功体験のある子どもは、遊びや勉強などの行動にメリハリをつける能力が高く、次のような手順で行動にメリハリをつけています。
- 適切なタイミングで切り替える
- 遊びは思い切り楽しみ学習では集中する
- 自己コントロールができ時間の使い方を工夫する
だらだらと時間を過ごすことはせず、遊びや勉強のそれぞれの時間にとにかく全力を注ぐイメージです。メリハリをつけることで、子どもは時間やエネルギーを効果的に管理しているといえるでしょう。
体験を「成功」として捉えるための3つの考え方
体験を「成功」として捉えるためには3つの考え方が必要です。
- 人生の中で、今より早い時はない
- 失敗は成功へのステップである
- 自分の幸せの定義は自分で決める
保護者が子どもに「成功」について話す際は、格言を伝えるようなイメージでおこなうと良いでしょう。ここで3つの考え方を確認してみてください。
人生の中で、今より早い時はない
「人生の中で、今より早い時はない」といった考え方は、人生は限られた時間しかなく時間を有効に使う必要があるといったものです。成功体験を得るためには、「今、この瞬間」に行動を起こす姿勢が重要といえるでしょう。
現在の状況がベストではなくても、失敗を恐れず困難に立ち向かっていく気持ちは大切です。今やることで状況を少しでも変化させ、自己成長や成功につながっていることを伝えたいものです。
つまり成功体験を増やすには、挑戦する数をできるだけ増やす必要があります。過度に思い悩まず「まずはやってみる」ことの大切さを子どもに教えていきましょう。
失敗は成功へのステップである
失敗は成功への道しるべであり成功のチャンスといえます。保護者は「失敗から何を学び、どのように成功へつなげていくのか」を子どもに教えましょう。
例えば次のような過程を踏む大切さを子どもに伝えます。
- 失敗から教訓や反省点を見つける
- 何をどうすればよいのか計画や対策を立てる
- 成功へつなげるための要素を理解する
子どもが上記の視点を持って行動することで、失敗を成功へと変えていけると実感するでしょう。
自分の幸せの定義は自分で決める
幸せの定義は人それぞれ異なります。成功体験を積むためには、他者の意見や固定観念に縛られず自分が幸せと感じる価値や目標をもつ姿勢が重要です。
自分の幸せの定義を自分で決める場合、以下の3点を重視しましょう。
- 自分自身と向き合う
- 他者の評価に惑わされない
- 自己成長を追求する
自分が何を重視しているのか明確にした上で、他者や社会の期待にとらわれず自分自身が納得できる選択をしなければなりません。さらに自分の可能性を信じて挑戦をし続ける姿勢が、自己実現や成功につながるといえるでしょう。
子どもの成功体験を積む10の方法
成功体験を積むためには、子どもが自己成長や達成感を経験できる機会を提供することが重要です。
ここでは子どもの成功体験を積む方法として10個紹介します。日々の実践に生かしていきましょう。
自分の目標までのステップを描いてもらう
子どもに自分の目標を設定し目標に向かって進むためのステップを描かせるのは、成功体験を積む場合に有効な方法です。目標や計画が具体的であればあるほど、子どもは目標達成の進捗度を把握しやすくなります。
例えば学習において成功体験を積ませたい場合は、次のような視点を大切にしましょう。
- 具体的な目標を設定する
- 子どもが取り組みやすい計画を立てる
- 途中で振り返る機会を設ける
到達が難しいと感じれば子どもは挫折感を抱きます。成功体験を増やすためには、子どもの特性やレベルに合わせて目標や計画を立てるようにしましょう。
さまざまな経験を与え、子どもの得意を探す
子どもの成功体験を積むためには、さまざまな経験を与えて子どもの得意な領域を探す姿勢が大切です。
例えば子どもにはさまざまな活動の機会を与えましょう。スポーツや芸術活動など興味のある分野にかかわり自分の才能に気づかせるのは子どもに自信をもたせます。
興味や関心が多岐にわたる場合は幅広い経験をさせ、自分の好きなことや得意なことを見つけやすくします。子どもが自分の得意分野を伸ばしていけば、自己成長を実感して成功体験を増やしていけるでしょう。
好きなことはとことんやらせる
成功体験を積むためには、好きなものにとことん取り組む機会を与えましょう。
子どもは自分が興味関心のある分野であれば没頭するため、集中力や忍耐力が形成されます。その過程で技術やスキルが向上すれば、自信を持ち成功体験を重ねることにつながります。
さらに好きなことに取り組ませるのは子どもの自己表現や創造性を発揮する機会となるでしょう。自分の可能性が広がると実感するのは、成功体験として心に刻まれます。
子どもの失敗を肯定的に捉える
子どもの失敗を肯定的に捉えることは、成功体験を増やし子どもの成長を促す上で必要な要素です。保護者は、子どもが失敗した際に否定的な評価や批判ではなく受容の姿勢を保つように努めましょう。
失敗した場合に「ダメでしょ」「やっぱり難しいのね」など、子どもの気持ちを逆なでするような言葉はよくありません。子どもが自信を失い、新たな挑戦に興味を示さなくなります。
成功体験を増やすためには、次の挑戦にポジティブな姿勢で取り組めるような言葉を選びましょう。
具体的なフィードバックを与える
成功体験をもたせるためには、具体的なフィードバックを与えます。具体的なフィードバックは、子どもが自分の成果や努力を明確に認識し自己評価を高める要素となるでしょう。
たとえば子どもがサッカーの試合で見事シュートを決めた場合のフィードバックは以下のとおりです。
- シュートのテクニックもうまかった!
- 足の使い方や蹴り方が上手だったね!
- ボールが速く正確に飛んでいったね。
子どもは自分の成功をポジティブに捉えるとともに、自信を深めながら次の挑戦へつなげていけるでしょう。
子どもの成長や進捗に合った挑戦の機会を与える
子どもの成長や進捗にあった成功体験を積ませるとは、彼らが自身の能力や努力を発揮しながら目標に向かって進んでいくなかで、小さな成功を経験させることを指します。
成功体験を積ませるためには、子どもの発達段階や興味関心に合わせたタスクや挑戦を提供しましょう。子どもが「少し難しそうだけれど頑張ればうまくいくだろう」と判断すれば、タスクに向かう気持ちを前向きにできます。課題を達成できれば自分の努力が報われることを実感し、成功体験を通じて自己肯定感を高めていくでしょう。
子どもが努力しやすい環境を提供する
子どもが努力しやすい状況を与えるとは、次のような要素を考慮して子どもに適した環境を整えることを指します。
- 目標を明確にする
- 適切な挑戦とサポートをおこなう
- 自主性を大切にする
- ポジティブなフィードバックを与える
目標の明確化は子どもが自分の方向性を確認する際に役立ちます。子ども自身が自分の理想像を具体的にイメージできれば挑戦もしやすく、保護者も適切にサポートできます。
また子どもの意志決定を重視し、自分自身の力で達成できたと感じる働きかけをしましょう。結果の失敗や成功に限らず、常に肯定的な言葉で伝える姿勢も重要です。
困難を乗り越えるためのロールモデルになる
子どもの成功体験を積む際は、保護者自身が困難さを乗り越えるためのロールモデルになる必要があります。ロールモデルとは、以下のような特徴や行動を持つ人を指します。
- 自分を信じ、失敗を恐れずに挑戦する姿勢
- 逆境にもめげず自分の目標に向かって努力する姿勢
- 経験から学び、次に活かそうとする姿勢
- 継続的に努力し忍耐強くタスクをおこなう姿勢
ロールモデルは子どもにとって大きな影響を与える存在です。保護者自身が、子どもに「〇〇であってほしい」と願う姿を意識して実践するように努めましょう。
常に「今、何をするべきか」を明確にしておく
「今、何をするべきか」を常に明確にしておくのは、成功体験を積ませるために必要な方法です。
子どもが明確な目標をもって進むためのステップやタスクを、日々のスケジュールに組み込みます。またその際に何を優先するか考えさせると子どもが実践しやすいでしょう。
何をすべきか明確にすることで、子どもは目標に向かって自主的に行動できるようになります。進捗をチェックしたり達成感を味わったりする過程を通じて成功体験を増やしていけるのです。
多角的な視点を養う
成功体験を積ませるためには、多角的な視点を養うことが重要です。多角的な視点を持つとは異なる角度や視点から物事を考える姿勢を指します。具体的な方法として、次のような機会を子どもに与えましょう。
- 問題解決のトレーニング
- 異文化理解の機会
- 批判的思考ができる場面を設定する
問題解決のトレーニングや異文化理解の機会を設定するのは、客観的思考や異なる見方や考え方を養います。また情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、批判的な立場で情報を捉える姿勢は柔軟な思考力を育てるでしょう。多角的な視点は自分の行動を分析して改善方法を考える際に役立つとともに、成功体験を増やす上で効果があります。
子どもが成功体験を得る際の注意点6つ
子どもが成功体験を積むためにさまざまな方法を実践に移す場合、注意しなければならない点があります。ここでは6つのポイントについて解説します。より効果的に成功体験を積むための重要な要素のため、しっかり確認しましょう。
目標を高く掲げすぎない
子どもが成功体験を積むためには目標を設定する必要があります。しかし、過度に高い目標を設定しないように注意しましょう。
子どもにとって達成困難な目標に挑戦するのは、最初から諦めてしまうか実践の過程で大きな挫折感や無力感を味わうことにつながります。
結局、目標を「達成できない」といった感覚が強まり自信をもつ機会を失います。成功体験を増やすためには、適切な難易度の目標を設定し段階的に成果を積み重ねるようにしましょう。
成長には停滞期があることを教える
成長には波があり、順調なときもあれば何をやってもうまくいかない時期もあります。人生においても同様に、成功期や失敗、あるいは停滞期が交互に訪れるものだと認識させることも重要です。
少しの努力で成功するケースもあれば、努力をしても変えられない場合もあるでしょう。このときは、保護者は子どもが前向きさを保てるように温かくサポートします。
いずれ成功体験へとつなげられれば「誰にでも停滞期はあるから今は地道にやるしかない」と捉えて努力を続ける大切さがわかります。将来に同じようなことが起きても乗り越えるスキルや強さを身につけることでしょう。
過度な賞賛は避け、ご褒美を目的にさせない
子どもの成功体験を積むためには、過度な賞賛は避けご褒美を目的にさせないようにしましょう。
子どもが自分の努力を自覚していないのに、保護者から「よくがんばっているね」といった言葉を受ければ、努力の価値がわからず成功における達成感を得られません。
また成果を出すたびにご褒美を与えれば、子どもはご褒美のために努力するようになります。成功体験を増やすとは、子ども自身ががんばって自己成長が促されたと自覚することです。保護者は子どもの自主性を尊重した行動をとるようにしましょう。
無責任な「頑張ろう」は子どもを追い詰める可能性がある
保護者が無責任に「頑張ろう」と伝えるのは、子どもを追い詰めることにつながり成功体験から遠のいてしまいます。
子ども自身、何を頑張っていいかわからない場合もあります。「頑張ろう」といった言葉の代わりに具体的な目標や方法を示し、子どもが何をどうやるべきかわかる状況をつくりましょう。
また、子どもが目標達成に向けて頑張っていても挫折しそうな場面もあります。その際は適切な方法を教えて、子どもが具体的な行動につなげられるように支えながら成功体験を積ませましょう。
周りを見下さないための教育を行う
子どもには他者との比較や競争において、自己を高めることの重要性を教えなければなりません。ただ、その際に周りを見下さないための教育をあわせて行う必要があります。
自分ひとりが成功体験を積んでいても、時に周囲の人が傷ついたり劣等感を味わったりしている可能性があります。協力やチームワークによって物事が成功に向かったり失敗したりすることがわかっていれば、周囲の人に無関心であったり冷たくしたりできないでしょう。
成功体験は周囲の人とのコラボレーションで高まるケースが多いといえます。その点を保護者としてしっかり子どもに教える必要があります。
公平・公正を説く
子どもには公平なルールや公正な判断の重要性を教える姿勢が、成功体験を積ませる上で重要です。公平さや公正のある行動をとるのは、他者からの信頼や共感を得られます。
自分自身も公平な評価や扱いを受ければ、自己成長の機会を得られます。また、仲間と活動する場合は特に互いに公平・公正であることが、チーム全体で達成感を共有できる機会をもたらすでしょう。
公平さと公正な態度で人と接する姿勢が、自己成長や幸福感を促進し成功体験を増やすことにつながります。保護者はこの点を子どもにしっかり教えましょう。
学習における成功体験を得る習い事は『Wonder Code』
成功体験を増やすためには、子どもの自主性を尊重しながら目標をもたせ具体的な行動を起こせるように支援していく必要があります。
失敗を恐れず挑戦し、結果として自信や自己肯定感、仲間と達成感を共有できる成功体験を積めば、将来どのような困難にぶつかっても乗り越える力を身につけるでしょう。
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