ネイティブ英語は表現が違う?子どもが学ぶ方法とは

「学校で習う英語は役に立たない」という話を聞いたことはありませんか?確かに学校で習う英語だけでは、ネイティブ英語の世界では通じにくいシーンもあります。しかし日本の受験環境などを考えると、一概に役に立たないというわけではありません。

学校の授業だけでも基本の文法や単語力は十分鍛えられますし、受験英語で高得点をとるためにも必要です。学校の授業を尊重した上で、ネイティブ相手でも使える英語を学ぶことが重要です。そしてネイティブ英語を学ぶ上で、学校による英語学習の基礎は大きなサポートになってくれます。

今回は、ネイティブ英語と学校で習う英語との違いや、子どもがネイティブ英語を身につけるためのヒントなどをご紹介します。ネイティブ英語ならではの特徴を学び、子どもの教育に役立てていきましょう。

ネイティブ英語とはどのような英語のこと?

ネイティブ英語とは、英語を母国語とする英語圏に住んでいる人たちが用いる英語です。特定の言語を母国語として話す人はネイティブスピーカーと呼ばれます。例えば、日本に住み日本語を扱う私たちは「日本語のネイティブスピーカー」だといえます。

ネイティブ英語は、日常会話や社会の慣習などもすべて英語で行うからこそ鍛えられるものです。しかし社会がグローバル化する昨今では、日本で生まれ育った私たちにもネイティブ英語同様の英語力が求められています。

ネイティブ英語は独特のイントネーションやワード選びが必要になるため、学校の教科書や受験用の参考書だけではなかなか学べません。ネイティブスピーカーの発音や表現を模倣しつつ、リアルなコミュニケーションを通して学習する必要があります。

学校で習う英語とネイティブ英語の違い

ここでは、学校で習う英語とネイティブ英語の違いについてご紹介します。学校で習う英語も、決して間違いというわけではありません。しかし実際にネイティブ話者と会話をする際に、学校だけでは習えない表現があることに注目してみましょう。

自然な表現の有無

ネイティブ英語には、教科書だけでは学べない自然な会話の表現が存在しています。例えば学校では、最初の挨拶として「How are you?」を学びますよね。英語の授業の最初にも「How are you?」「I’m fine, thank you. And you?」とやり取りが続いていきます。

しかし、ネイティブの会話では「How are you?」の表現が一般的というわけではありません。地域・年齢・関係性などの複数の要因が合わさり「How’s it going?」などのほうが自然な場合があります。最初の挨拶ですらも、TPOによって使い分ける必要があるのです。

発音の違い

学校の英語とネイティブ英語には、発音の違いがあります。例えば水を意味する「water」は、学校の英語だとカタカナ表記にした場合、「ウォーター」と習うケースが多いでしょう。しかしネイティブの発音では、「ウォ(ァ)ーラー」や「ゥワーダー」のほうが近くなります。

英語と日本語は音の体系が異なるため、日本人にとってネイティブの発音は新しい音を使うことが要求されます。実際のネイティブ英語に触れ合う機会が少ない場合は、本来の発音を学ぶ機会が少なくなってしまうでしょう。

文化的なニュアンス

ネイティブ英語には、学校の授業だけでは学べない文化的なニュアンスが含まれます。文化的なニュアンスの有無は、日本語にも同様に生じます。例えば食後の「ご馳走様でした」は私たちが日常的に扱う言葉ですが、もともと「馳走」とは馬で走り回るという意味です。

昔はお客さんを出迎えるために馬を走らせ、食材を調達したことから「ご馳走様」の言葉が生まれたといわれています。「ご馳走様でした」に文化的な背景があることを知っていても、私たちは馬の姿を意識せずに自然に食後に言葉を発していますよね。

ネイティブ英語にも、同じように文化的なニュアンスが含まれます。「How are you?」を例に挙げると、日本語に直訳した場合「あなたの具合(ご機嫌・状態)はいかがですか?」になりますが、実際には相手に具合をうかがっているわけではありません。

「調子どう?」「元気にやっている?」などのような、よりラフなニュアンスのほうが適した訳になります。文化として定着した言葉は、単語の一つひとつよりもフレーズとしての塊に意味があると認識する必要があるでしょう。

スラングの有無

ネイティブの英語には日本語と同様に、スラングが存在しています。スラングとは、ある階層・社会・関係性だけで用いられる言葉です。友達同士や家族間のような親しい間柄だけで用いられ、一般的な挨拶よりもさらに文化的なニュアンスが深まります。

スラングは社会やトレンドとともに常に変化しているため、従来の表現が廃れたり新しい表現が生まれたりします。またTPOに合わせ、適切なシーンで使うことが大切です。

日本語の「マジ」や「ウケる」などのように、長い期間スラングとして定着する言葉もあるため、ネイティブ英語と触れ合う機会が多いほどトレンドを機敏にキャッチできるようになるでしょう。

テストで役立つ英語と世界で通じる英語は異なるケースが多い

日本の英語教育は、将来的に世界で活躍する人材を生み出すために行われています。しかし中学・高校と進学するにつれて、受験やテストでよい結果を残すための授業に変わっていく傾向にあります。

しかし、これは決して悪いこととは言い切れません。なぜならテストの内容は一貫性を持たせるために標準化する必要があるため、明確で正確な表現が求められるのは自然なことなのです。

とはいえ社会の変化の中で、テストのための英語と世界で通じる英語に乖離が生じてしまうことは避けられません。ネイティブ英語を学びたければ、学校以外の場でリアルなコミュニケーションの場をつくる必要があります。

【小学生向け】ネイティブ英語を身につける方法

ここでは、小学生がネイティブ英語を身につける方法を6つご紹介します。中にはコストがかかりそうな方法もありますが、必ずしも高額な金額を支払う必要はありません。家庭の状態や子どものモチベーションに沿いながら、無理のない方法を探してみましょう。

インターナショナルスクールに通う

インターナショナルスクールに通うことで、多国籍の子どもたちと身近に触れ合えます。基本的には授業やコミュニケーションが英語で行われるため、子どもの頃から本格的な英語を身につけたい場合には非常に優れた方法といえるでしょう。

ただし、インターナショナルスクールは普通の小学校と違い、卒業しても義務教育を修了したと認められないケースが多い傾向にあります。そのため日本在籍の日本人がインターナショナルスクールに通う場合、状況によっては同時に他の小学校にも在籍する必要性が生じることも。

一条校(学校教育法の第一条に定められており、義務教育として認められる学校)のインターナショナルスクールも展開されているため、まずは情報収集から始めてみるとよいでしょう。

参考:文部科学省「11.学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」

英語での読み書きの習慣を身につける

子どもがネイティブ英語を身につけるために、日常的に英語での読み書きの習慣を取り入れてみましょう。例えば日記を英語で書いたり、英語の新聞や小説などを読んだりすることが挙げられます。特に新聞は美しく分かりやすい英文法で書かれているため、単語力や文章力アップの練習になります。

学習を定着させる基本は、反復練習です。SNSでネイティブ話者の投稿を翻訳したり、自分も英語で投稿したりすることなどもおすすめです。英語で書くブログを立ち上げれば、インターネットリテラシーに関する教養も両立して身につけられます。

英語の音声教材を聞く

ネイティブ英語を学ぶためには、視覚だけではなく聴覚を育てる必要があります。例えばラジオ・音楽・ポッドキャスト・オーディオブックなどのさまざまな音声教材を取り入れ、日常の中でネイティブ英語を聞き分けられる耳を養いましょう。

特にポッドキャストは、日常会話やニュース、教育などさまざまなトピックが取り上げられるためおすすめです。ネイティブ話者のトークスペースに参加して、流暢な英語を聞き取る練習をしてみる方法もよいでしょう。また、洋楽の歌詞を聞き取る方法も、楽しみながら続けやすい学習法だといえます。

ネイティブ話者とのコミュニケーションの機会をつくる

教材で覚えたネイティブ英語は、アウトプットすることでさらに定着していきます。そこで、ネイティブ話者とのコミュニケーションの機会を増やし、どんどん英語を活用していきましょう。実際にネイティブ話者と触れ合うことで、ネイティブ英語特有のアクセントやタイミングなどを学べます。

どれほど自信があっても、実際にネイティブ話者を目の前にすると緊張感を覚えるものです。うまく話せなかったりスムーズに聞き取れなかったりする経験を重ねることで、少しずつ自分の力として英語が定着してくれるでしょう。

ネイティブ講師がいる英会話スクールに通う

子どもの英語力アップのために、英会話スクールに通う家庭も多いでしょう。英会話スクールを選ぶ際は、ネイティブ講師がいるかどうかを必ず確認することをおすすめします。ネイティブ講師がいない場合、授業の内容が日本語ばかりになってしまう可能性もあります。

子ども向けの英会話スクールでは、ネイティブ講師もゆっくり話してくれたり、わかりやすい単語・文法選びをしてくれたりするものです。ネイティブ話者と無理なく触れ合うための入口として、適した方法だといえるでしょう。

さまざまな動画教材に触れる

生まれたときからインターネットや動画投稿サイトが身近に存在していた子どもたちにとって、動画教材は親しみやすい学習方法の一つです。例えばYouTubeには、ネイティブ英語を学ぶための学習チャンネルが多く存在しています。

サムネイルで内容を把握しやすいことや、学習段階に応じて次のステップに進みやすいことなどが動画教材の魅力です。もちろん、映画やドラマ、ニュース番組なども立派な動画教材といえます。さまざまな教材に触れ、自分に合った学習法を見つけるヒントにしていきましょう。

子どもの英語力アップのために!チャレンジしたいコンテンツや資格

ここでは、子どもの英語力アップにつながるコンテンツや資格をご紹介します。英語に力を入れている学校では、行事の一種として資格取得をサポートしてくれることがあります。それぞれのコンテンツの違いを学びながら、学習目標として活用していきましょう。

英会話学習アプリ

英会話学習アプリでは、クイズやテストを通して知識や英会話スキルを養えます。例えば短い対話やシチュエーションに基づいた問題を解くことで、リアルな会話のために必要なスキルを習得できます。

アプリによっては、発音のトレーニング機能やオーディオレッスンなども備えられているだけではなく、ネイティブスピーカーの英語教師と会話レッスンができることも。まずは複数の無料アプリから導入しつつ、グレードアップや有料アプリの使用を検討してみましょう。

実用英語技能検定

実用英語技能検定は、公益財団法人日本英語検定協会が展開する資格です。文部科学省が後援しており、学習進度やレベルに応じた7つの級が設定されています。

英語学習の目標として設定できるだけではなく、取得することで入試や単位認定において優遇されるケースも。もちろん就職やキャリアアップの際にも役立ちます。小学生の場合、中学校レベルの内容が出題される5級の取得を目標にすることをおすすめします。

TOEIC

TOEIC(Test of English for International Communication)は、一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が運営している英語能力テストです。英語のコミュニケーション能力を判定するための基準として、世界160ヵ国で実施されています。

TOEICでは実用英語技能検定と比べると、より実践的なシーンを用いた内容が出題されます。小学生が受ける場合、まずは練習問題などに目を通しながら少しずつハードルを上げていきましょう。

子どもが楽しく英会話を学ぶなら『Wonder Code』

今回は、ネイティブ英語と学校で習う英語との違いや、子どもがネイティブ英語を身につけるための方法などをご紹介しました。

子どもがネイティブ英語を楽しく学ぶためには、英語学習自体に知的好奇心を抱く必要があります。ワクワクする環境の中でネイティブ英語を学ぶことで、学習効果もさらに向上していくでしょう。

「子どもに楽しく英語を身につけてほしい」と思っている人におすすめしたい習い事が、英語でプログラミングを学ぶカリキュラムを展開するWonder Codeです。

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