子どもにやりたいことがない…目標やビジョンの見つけ方は?

子を持つ親としては「子どもにはやりたいことをやらせてあげたい」と思うものです。しかし肝心の子ども自身にやりたいことがない場合、保護者はどのようにサポートすればいいのかわからなくなってしまいますよね。

自分のやりたいことは自分で決めるものであり、他者から強要されるものではありません。子どもに機会を与えても、子ども自身が自らの意思でやりたいことを見つけない限り、自分らしい人生を歩めているとはいえないのです。

今回は、子どもが自分でやりたいことを見つけられない理由や、見つけるためのヒントなどをご紹介します。とはいえ、子ども時代にやりたいことを無理やり見つける必要はありません。子どもが自分の意思でやりたいことを見つけるためのサポートについて考えていきましょう。

やりたいことがない子どもが抱える4つの注意点

まずは、やりたいことがない子どもが抱える注意点をご紹介します。「子どもは元気が一番」とはいえ、物事へのモチベーションが低い毎日を送っていると不安になってしまいますよね。やりたいことがない子どもに生じるリスクを理解した上で、コミュニケーションの構築に役立てていきましょう。

周りに流されやすくなる

やりたいことがない子どもは、周りに流されやすい傾向にあります。たとえば、将来の夢を明確に持っている子どもは、小学生の頃から夢の実現に向けて学習します。勉強の必要性も理解しており、周りからの誘惑に流されない強い心を持っているものです。

しかしやりたいことがないと、刹那的な感覚に流されてしまいがちです。宿題をしなければならないタイミングで友達に誘われると「勉強なんて後ででもできるし、楽しそうなほうを選ぼう」と意識が傾いてしまいます。確固たる判断基準を持たないため、その場の気持ちに流されてしまうのです。

何事にもモチベーションが低くなり、ストレスがたまる

子どもにやりたいことがないと、何事にもモチベーションが低くなってしまいます。毎日の勉強・宿題・習いごとを繰り返す中で「どうしてこんなことをしなければならないんだろう」と感じてしまい、やりたいことがある子どもと比べてストレスがたまりやすい傾向です。

漫然と過ごす中では、子どもだからという理由だけで勉強を強制されていると感じるでしょう。自分が何のために生きているかわからず、夢や目標がないまま過ごしていると、劣等感やコンプレックスにつながってしまうケースもあるのです。

焦りや不安を感じやすい

やりたいことがない子どもは、やりたいことがある友達と自分を比べて焦りや不安を感じやすいでしょう。特に小学校中学年・高学年になってくると、中学受験を検討している友達との間に意識の差が生まれていきます。

将来や進学のことを真面目に考えている友達を見ていると「本当に自分はこのままでいいのだろうか」と考えてしまうことも。小学生時代に深く悩まずに済んでいた場合でも、中学・高校と進学するにつれて焦りはどんどん大きくなっていくものです。

コミュニティの中で孤立しやすい

やりたいことがない子どもは、コミュニティの中で孤立しやすい傾向にあります。やりたいことがある子どもは言動や思考に一貫性があり、自分ならではの判断基準を持っているものです。明確に自己主張し、周りに流されにくい性質も持っています。

しかしやりたいことがない子どもは、自分の中での判断基準が曖昧です。主張力に欠け、周りの空気を乱さないことや嫌われないことを優先してしまうことがあります。その結果、本質的な絆や友情を養えずに孤立感を抱いてしまう可能性があるでしょう。

やりたいことが見つからない理由は?

ここでは、子どもがやりたいことを見つけられない・見つからない理由をご紹介します。同じように年齢を重ねている子どもの中でも、意識に違いが生まれる場合があります。子どもの個性や性質を尊重しつつ、どう接すれば子どもがより生きやすくなるのかを考えてみましょう。

自己評価が低く、自信が持てない

自己評価が低く自分に自信が持てていない子どもは、やりたいことを見つけにくい傾向にあります。物事への興味や関心があったとしても「どうせ自分にはできないだろうな」と最初から諦めてしまい、やりたいことにつながらないのです。

やりたいことを見つけた場合でも、挑戦して失敗することばかりを気にしてしまい、チャレンジまで辿りつきません。しかし周りには、好奇心旺盛で何でも挑戦するような友達もいるものです。臆病で自信が持てない自分と彼らを比べ、劣等感を抱いてしまいます。

興味の幅が広すぎる

興味の幅が広すぎる子どもは、やりたいことを見つけにくい場合があるでしょう。言い方を変えれば「やりたいことがたくさんありすぎて、どれから始めればいいのかわからない状態」ともいえます。物事へのモチベーションが低いわけではありませんが、情熱が一定ラインを超えることは稀です。

何か一つの物事を極めることが苦手であり、すぐに目移りしてしまう飽きっぽい一面もあります。さまざまなジャンルに興味を持てる性格は素敵ですが、中長期的に取り組むプロセスを避ける傾向にあるため、明確な「やりたいこと」をなかなか見つけられません。

日々の生活で心身のキャパシティがいっぱいになっている

子どもにやりたいことがない場合、日々の生活で心身のキャパシティがいっぱいになっている可能性があります。満杯のコップに水を注ぐとあふれてしまうように、心身という器にそれぞれの限界値があります。

毎日の勉強・通学・友達付き合い・クラブ・習いごとなど、子どもは忙しい毎日を過ごしています。大人にとっては当たり前のルーティーンでも、すべての子どもがライフスタイルを楽しめているわけではありません。新しくやりたいことを見つけるためには、心と体に余裕を持つ必要があります。

子どもの環境に制約がある

子どもの環境に制約がある場合、やりたいことを見つけにくくなります。たとえば子どもが「芸能人になりたい」や「宇宙飛行士になりたい」など大きな夢を持った場合でも、家庭が厳格な場合はなかなか言い出せません。保護者に夢を否定されてしまう位なら、最初から夢を持ちたくないとすら思ってしまうでしょう。

保護者に対して気を遣うような優しい心を持つ子どもの場合は「自分がやりたいことをやるために、家に負担をかけたくない」と思っていることも。子どもがやりたいことをかなえるためには、少なからず大人の協力が必要です。環境に制約がある場合、最初から夢を持つことすら諦めてしまうでしょう。

夢や目標は、子どもの生活意識を高めるためのスパイス!

夢や目標は長い人生を彩り、生きる活力を与えてくれます。同じ物事でも違って見え、些細な情報も自分を高めてくれるデータになります。日々の生活で高いモチベーションを感じられることで、毎日がさらに楽しく充実したものになるでしょう。

たとえば、子どもが「将来はゲームに関わる仕事がしたい」と思ったとします。すると、今まで楽しく遊んでいたゲームが違うものに見えてきます。「このキャラクターはどうやって動かしているんだろう?」「3Dグラフィックって自分でも作れるのかな?」などと、新しい気づきや学びを得られるようになります。

さらには、自分でオブジェクトを造形するために通学路や家の中をよく観察するようになったり、プログラミングに必要な算数に真面目に取り組むようになったりするかもしれません。上記は一例ですが、やりたいことは人生を照らすビジョンの役割を担ってくれるでしょう。

子どものやりたいことを見つけるために、保護者ができる5つのこと

ここでは、子どものやりたいことを見つけるために保護者ができることを5つご紹介します。自分の夢や目標を決めるのは、あくまで自分です。保護者ができることは子どもの道を見つけることではなく、子どもが自分で道を見つけるための手助けです。子どもの状態に寄り添いながら、自然に手を伸ばせる関係性を目指しましょう。

子どもの感性やクリエイティブを肯定的に捉える

子どものやりたいことを見つけるためには、子どもの感性やクリエイティブを肯定的に捉えてみてください。夢や目標を見つけるためにまず重要な要素は、自己肯定感です。自分を信じられる心の土台があるからこそ、物事に対して臆病にならずに挑戦できる精神が養われます。

クリエイティブは自己表現であり、賞賛や評価は人間性の肯定にもつながります。保護者の価値観や感性を押し付けずに、ありのままの子どもの感情や思想を肯定的に捉えましょう。

一次体験の機会を提供する

子どもがやりたいことを見つけるためには、多くの一次体験が必要です。自分のやりたいことを見つけようとしても、経験や知識がなければイメージが広がりません。海を知らない子どもが「ダイバーになりたい」とは思えませんよね。

まずは体験を通して、世の中には無数の情報や職業があることを感じてもらいましょう。子どもは数々の体験の中から、少しずつ自分らしさを確立し、興味が持てることを厳選していきます。比較対象となる体験が多いほど、より明確にやりたいことをイメージできるでしょう。

保護者自身が「やりたいことをやっている大人」のモデルになる

子どもにとって、最も身近なお手本になる人物は保護者です。子どもがやりたいことを見つけるためには、保護者自身がロールモデルになりましょう。やりたいことをやりながら人生を謳歌している姿を見せることで、子どもは自然と「やりたいことをやっていいんだ」「やりたいことをやるからこそ人生は楽しいんだ」と思うようになります。

とはいえ、子どもを後回しにしてやりたいことを優先していては、信頼関係は築けません。やりたいことを楽しむためには、日頃から本音を言い合える関係性の構築が大切です。まずは子どもの前で愚痴を言わず、自分の「好き」を大切にしている姿を見せることから始めましょう。

子どもの自己肯定感を高める

子どもの自己肯定感を高めるためにはさまざまなコツがあります。まずは、否定から入らないことを心がけてください。子どもの意見に対しては肯定的な受け答えを前提とし、感性や思想を否定せず、よりプラスにつなげるように声かけしましょう。

小さく低い目標から提案し、多くの成功体験を積み重ねることが大切です。子ども自身に「自分は頑張ればできる」「自分は愛されている」と自発的に認識してもらうことを心がけ、適切な賞賛を与えましょう。褒める際は具体性を持ち、明確に言語化されたアドバイスを添えてください。

できない理由ではなく、課題を乗り越えるための方法を提示する

失敗や挫折がなければ、人間は成長できません。しかし失敗ばかりの人生では自己肯定感が下がり、やりたいことを見つけられませんよね。子どもが課題に直面しているときは、できない理由ではなく乗り越えるための方法を提示しましょう。

ただし子どものやり方自体を否定するのではなく「お母さん(お父さん)だったらこういう方法を試してみるかも」「もっとうまくいく方法、一緒に調べてみる?」のように、子どもの視野を広げ成長につながるような声かけが大切です。

子どものペースを大切に。急かさずゆっくり見つけていこう

ここまで、子どもがやりたいことを見つけるためのヒントをご紹介しました。しかし今社会に生きている大人の中で、やりたいことを明確に言語化できる人はどれほど多くいるでしょうか。そして、やりたいことがない人は不幸といえるのでしょうか。

決して、そんなことはありませんよね。多様性が尊重される世の中では「やりたいことがない=カッコ悪い」のように扱われる場合もありますが、自分の幸せの定義を自分で見つけることが何より大切です。特にやりたいことがわからないまま年齢を重ねても、本人が幸せや穏やかさを感じていれば何の問題もありません。

もちろん、やりたいことは充実した人生を歩むためのモチベーションになります。しかし、子どもにやりたいことを無理やり考えさせる必要はないのです。基本的には子どものペースや個性を何よりも尊重しつつ、急かさずに見守ることを心がけてくださいね。

知的好奇心を刺激する習いごとなら『Wonder Code』

今回は、子どもがやりたいことを見つけるためのヒントをご紹介しました。

やりたいことを見つけると学校の勉強にも身が入りやすくなり、目的意識を持った学習をかなえられます。保護者としては、勉強自体に知的好奇心を感じてもらえると安心ですよね。子どもが率先して学習に取り組めるようになると、本人の学習に対するストレスも軽減されます。

「子どもには、楽しく学ぶ習慣を身につけてもらいたい」と思っている人におすすめの習いごとが、Wonder Codeです。

Wonder Codeでは、ロボットやプログラミングを通じて知的好奇心を刺激する学習を取り入れています。プログラミングで身につくスキルは、将来的に子どものやりたいことができたときに幅広く活用できるものばかりです。

ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。