メディアでイエナプラン教育という言葉を耳にしたことがあるけれど、具体的にどのような教育方法を指すかが分からないと感じている方はいませんか。ここでは、イエナプラン教育の特徴や、従来的な学校教育との違いを解説します。イエナプラン教育に対する理解を深め、子どもに対する教育の選択肢のひとつとして視野に入れるための参考になればと思います。

イエナプラン教育とはどんなもの?

イエナプラン教育は、ドイツ発祥の教育方法です。日本ではまだ取り入れている学校は少ないですが、子どもの自主性を伸ばせる方法として注目を集めています。ドイツのイエナ大学の教授を務めていたペーター・ペーターゼンが1920年代に創始した学校教育で、オープンモデル型の教育です。

日本におけるイエナプラン教育を推奨する「日本イエナプラン教育協会」では、イエナプラン教育のことを「自律と共生を学ぶ教育」であると定義付けています。自立と共生という2つのキーワードは、イエナプラン教育を理解する上での重要なポイントとなります。

 

創始者にあたるペーター・ペーターゼンが、自らの教育理念に基づいてイエナプラン教育を考案すると、ドイツ国内やオランダで普及していきました。現在のイエナプラン教育の普及率においては、ドイツよりもオランダの方が普及率が高い傾向が見受けられます。2000年代においては、オランダ国内にあるおよそ200校の学校のうち、全体の3%にあたる学校で、イエナプラン教育が取り入れられています。

イエナプラン教育がオランダで普及したのは1960年代ごろで、第二次世界大戦後の民主主義が急速に発展した時期に該当します。オランダでは、憲法で教育の自由が保障されていいて、教育方法を自由に選択しやすいことから、新しい教育方法であるイエナプラン教育に注目が集まりました。さらに、1970年代以降のオランダで積極的に移民を受け入れるようになったことも、イエナプラン教育の普及に影響を与えています。多様性への理解を深める方法として、イエナプラン教育が高く評価され、定着していきました。

 

イエナプラン教育の特徴①学年をまたいだ学級編成

では、イエナプラン教育には、どのような特徴があるのでしょうか。大きな特徴として覚えておきたいのが、学年をまたいだグループで学級編成が導入されているという点です。従来の学校教育においては、同じ年齢の子どもが同じクラスに属するという学級編成の方法が行われていますよね。

 

イエナプラン教育の場合、学齢の異なる子どもが同じグループになるように学級編成されています。具体的には、2学年または3学年の子どもによって、ひとつのグループが構成されます。異なる年齢層の子どもが同じグループ内に属することで、年上の子どもが年下の子どものサポートができるという安心感があるのが、イエナプラン教育の学級編成の特徴です。

 

年上の子どもたちにとっては、年下の子どもに目配りをしなければならないという責任感を育めるところが、メリットです。子どもたちは、成長するに伴って、年少・年中・年長というそれぞれの立場に立って、立場に応じた経験を積むことができます。それぞれのグループのことを根幹グループ、学級担任をグループリーダーと称し、原則的にはグループリーダーは交代しないと決められています。学級編成ひとつを取っても、イエナプラン教育は従来型の学校教育と大きく異なるということが分かるのではないでしょうか。

 

イエナプラン教育の特徴②4つの基本活動による学び

 

また、4つの基本活動によって学びを深めるという点も、イエナプラン教育の特徴です。一般的な学校教育では、教科別の時間割が組まれていて、時間割に沿って授業が進められます。イエナプラン教育においては、従来型の時間割は存在せず、基本的な4つの活動を循環することで、学びを深めていきます。4つの活動とは、対話・遊び・仕事・催しです。仕事は、生徒にとってのやるべき課題である学習を指します。

 

「対話」では、教卓に向かって机が整然と並ぶ教室とは異なり、グループ全員がサークル状になって座って、多様なテーマについて話し合いをします。大勢の前に立って教室の前で発言するといった緊張感がないので、人前で話すことが苦手な子どもでも発言しやすいのが特徴です。「遊び」には、自由遊び、企画された遊びなど、子どもたちが興味を示しやすい様々な遊びが用意されています。音楽に合わせて自由に感情を表現したり、演劇やゲーム作りに挑戦したり、と自在に発想力を伸ばせるところが、イエナプラン教育の遊びのメリットです。

 

「仕事」は、大きく分けて、自律学習と共生学習という2種類に分類されます。自律学習においては、子どもたちが自分自身で時間割を考えて学習を進めます。自身の興味の幅を広げたり、苦手分野を克服したりできるのは、イエナプラン教育における自律学習のメリットです。子どもたち一人ひとりが学習の習熟度に合わせた学習を実践できる上、グループ内の子ども同士で教え合って、共生を養うこともできます。「催し」では、クリスマスやハロウィンといった年間行事のほか、教員や生徒の誕生日を祝う催しが開催されます。催しを通して、様々な感情を共有でき、共同体意識を育めるところが、大きなメリットです。

 

イエナプラン教育の特徴③教室=リビングルーム

 

学校教育で授業を受ける教室に対しては、堅苦しくて緊張感を伴うといったマイナスイメージも伴うものですよね。イエナプラン教育では、生徒が日常を過ごす教室のことをリビングルームと呼んでいます。自宅のリビングルームのように、リラックスして過ごしやすい空間づくりをしているのが特徴です。イエナプラン教育のリビングルームは、規則正しくずらりと机が並べられている従来型の息苦しさの感じられる空間ではありません。

テーブルや長椅子がバランスよくレイアウトされた空間で、生徒は好きな場所に自由に座って学習に取り組むことが可能です。あらかじめ学校側が用意した空間ではなく、教師と生徒が心地よい空間にするための話し合いを行い、協力し合って理想的なリビングルームづくりを目指します。生徒一人ひとりの過ごしやすさに加えて、共同作業の行いやすさも配慮して、空間づくりが進めることが重要となります。

 

イエナプラン教育の特徴④ワールドオリエンテーション

 

ワールドオリエンテーション(総合学習)が重視されている点も、イエナプラン教育の特徴です。イエナプラン教育では、理科や社会科の教科学習ではなく、教科の枠を超えたワールドオリエンテーションが実施されています。ワールドオリエンテーションでは、グループごとにテーマを決めて、グループで協力し合い、テーマの問題点や課題の解決を目指します。テーマに沿って主体的に学習を進めるという特徴を持っており、課題解決型学習(PBL)の要素を含む学習活動です。結果よりも過程を重視する課題解決型学習(PBL)を実践することで、知識を詰め込む従来型の学習では得られなかった学びを得て、自主性や創造性を伸ばせるのは、イエナプラン教育ならではの魅力です。

 

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イエナプラン教育は、ドイツ生まれのオープンモデル型の学校教育で、現在はオランダでの普及率が高いです。日本国内ではまだ導入している学校は多くはないものの、自律や共生を養う教育方法として注目を集めています。イエナプラン教育には、学齢の異なる子どもたちによって学級編成されている、対話・遊び・仕事・催しという4つの活動により学びを深めるという特徴があります。教室をリビングルームと呼んでリラックスして学べる環境が整えられているところ、総合学習にあたるワールドオリエンテーションが導入されているところも、メリットです。

 

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