今では子どももインターネットを使うのが当たり前な時代となりました。なかには保護者より子どもの方がインターネットに詳しいというケースも珍しくありません。家庭でインターネットを使うにあたって知っておきたいのがネットリテラシーです。実際にインターネットを通して、子どもが犯罪に巻き込まれる事件も起こっています。

今回の記事では、インターネットを使うにあたって子どもと一緒に学んでおきたいネットリテラシーについてご紹介します。

ネットリテラシーとは?

リテラシーとは、「特定の分野における知識や能力」を意味します。したがって、ネットリテラシーはインターネットに関する知識や能力、さらに言えば、「インターネットの情報を正しく理解し、正しく利用するための能力」となるでしょう。

インターネット上には正しい情報だけではなく、謝った情報もたくさん存在しています。そして謝った情報の中には悪意を持って発信されているものも少なくありません。子どもは大人と比べて様々な知識や経験が少ない分、正しい情報と謝った情報、自身に悪影響を及ぼす情報を見極める能力に乏しい傾向にあります。

実際に判断力が乏しい子どもが大人に騙されて犯罪に巻き込まれる事件は跡を絶ちません。また、被害者になるだけではなく、ネットリテラシーを身につけていないと子どもが加害者側になるリスクも伴います。

現代では学校教育にもIT教育が取り入れられ、学校でもネットリテラシーに関する教育が行われています。しかし、正しいネットリテラシーが教えられているのかは担当する先生にもよるでしょう。

したがって、子どもがネットを身につけるためには、学校だけではなく家庭の教育も大切といえるでしょう。

ネットリテラシーが必要になる場面は3つ

ネットリテラシーはインターネット上で「情報を発信する」「情報を理解する」「情報を受け取る」という3つの場面で要求されます。それでは各場面でリテラシーを持ち合わせていないとどんなトラブルが起こるか解説していきます。

まず、「情報を発信する」場面とはSNSや掲示板に書き込むケースを指します。現代ではInstagramやXなどで子どもでも簡単に情報を発信できる時代になりました。そのため、危険性を理解せずに自身の顔や名前をそのまま出してしまう子も少なくありません。また、本人は安全だと思っていても、投稿した画像から住んでいる地域が特定されることもあります。

次に、「情報を理解する」場面とはインターネットに掲載されている記事やSNSに書かれた内容を見たり、動画サイトに投稿された動画を視聴したりするケースを指します。インターネットに掲載されている情報は必ずしも事実とは限らず、生成AI技術が発達した現代では動画でさえ悪意を持って作られたフェイク動画が多く存在しています。それ故に誤った情報を鵜呑みにしたり、それをもとに他人を誹謗中傷したりする人が後を絶ちません。

そして、「情報を受け取る」場面とはWebサイトからデータをダウンロードしたり、メールを受信したりするケースを指します。インターネット上にあるデータはすべてが安全とは限りません。ウイルスが仕込まれているものも少なくなく、実際に何も考えずにゲームなどをダウンロードしてウイルスに感染するトラブルがよく発生しています。

インターネットで情報を発信する際の約束事

それでは、ネットリテラシーが必要になる3つの場面においては、具体的にどんなことを意識する必要があるのでしょうか。まず情報を発信する場面において必要になる考え方とルールについて解説します。

「情報を発信する」場面でのルールは以下の2つです。

  • 自分だけでなく他人についても特定できる情報を発信しないこと
  • 他人を傷つける書き込みをしないこと

インターネットを利用する中でも特にリスクを伴うのが情報を発信する場面です。情報を発信する立場になると、加害者にも被害者にもなるリスクを伴います。

SNSの利用は原則13歳以上が推奨されており、それより早くに子どもがやりたいという場合は保護者のアカウントとして保護者の管理のもとで運用しましょう。また、自身のSNSアカウントを作成できる年齢になった際には、必ずアカウントを非公開にする、家の近くの画像や自身・周囲の人の顔写真を載せないなどルールを決めましょう。

小学生以下でも動画サイトを利用したり、ゲームをしていると書き込みをする場面が発生します。こうしたときは他人を誹謗中傷をしないように徹底しましょう。また、インターネットを利用していると相手から煽られることもあります。そうした場合は相手と同じ土俵に立たない、不満があったとしてもインターネットで発散しないことも約束しておきましょう。

情報を理解する・受け取る場面での約束事

 

次に情報を理解する・受け取る場面ではどんなことを意識するとよいのでしょうか。

情報を理解する場面においては、情報の発信源をしっかり調べる癖をつけましょう。インターネットには悪意あるユーザーによって拡散された嘘の情報もたくさん存在します。そのため、自分がインターネットで見つけた情報の発信源はどこか、信用できる媒体から発信されている情報であるかといった確認を行う習慣を子どものうちから身につけましょう。

使用するPCにはセキュリティソフトを入れておくだけでなく、自身でもダウンロードするデータが安全かどうか判断する能力を身につけることも大切です。知らない人からのメールは開かない、海外サイトや個人のサイトからはデータをダウンロードしない、万が一ダウンロードしたいものがあるなら必ず保護者の許可を得るなどの約束をしておきましょう。

家庭でネットリテラシーについて学ぶ際のポイント

それでは、家庭でネットリテラシーについて学ぶにあたって意識しておきたいポイントとしてはどのようなものがあるのでしょうか。ネットリテラシーについて学ぶ際に意識しておきたいことについて解説します。

ネットリテラシーについて学ぶときは、ネットリテラシーを理解していない故に起こるトラブルについて知っておくとよいでしょう。大人も子どもも自身に実害があるかどうかで当事者意識が大きく変わってきます。

ネットリテラシーが身についてないことが原因となった事件をチェックしてみたり、実際にインターネットを利用するうえで約束事を守れなかった際にどんなトラブルが起こるか考えてみたりして、子どもに当事者意識を持たせましょう。

また、一つの情報を調べるにあたっては、インターネットの情報だけでなく本や新聞などのアナログ媒体の情報も参考にするようにしましょう。インターネットよりもアナログ媒体のほうが正確な情報を手に入れやすいです。現代は何でもインターネットで調べればすぐに知りたいことがわかる時代ですが、本や新聞を使って調べることはインターネット以外から情報を得る選択肢もあるという気付きをもなるはずです。

このようにポイントを押さえてネットリテラシー教育を行うことで、家庭で安全にインターネットを利用できる意識づくりをしましょう。

子どもがネットリテラシーを学ぶなら『Wonder Code』

インターネットを安全に利用するにあたってはネットリテラシーが欠かせません。特にまだ判断力がない子どもはネットリテラシーを身につける前にインターネットに慣れてしまうことで、お友達とトラブルになったり、犯罪に巻き込まれたりするリスクが高くなります。子どもが安全かつ健康に毎日を過ごすためにも、一度家庭でネットリテラシーについて話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。