スクラッチというプログラミング言語をご存知でしょうか?

よく耳にするプログラミング言語と言えばHTMLやJavaScriptなどがありますが、スクラッチは、ブロックを組み合わせることでプログラムを作る「ビジュアルプログラミング」のひとつで直感的にプログラミングができるため、子どもにおすすめのプログラミング言語です。

 そこで今回は、全国の教育現場で利用されているスクラッチを学ぶことによって、何ができるようになるのかをご紹介させていただきます。

スクラッチとは何か?

スクラッチは小学生でも扱えるように簡略化されたプログラミング言語です。アメリカの有名な理工系の大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)と非営利団体Scratchが共同で開発した8歳~16歳のプログラミング経験の無い子どもを対象としています。

初めて公開されたのは2006年で、完全無料で提供されており、プログラムだけでなくソースコードもインターネットから誰でも入手できます。

プログラミングを習得する際に壁となる要素を可能な限り削ぎ落していることが特徴で、まるでパズルを組み立てるようにプログラミングでき、絵が動く、音が鳴るといった動きのあるコンテンツを簡単に作ることができます。

プログラミングと聞くと意味不明なアルファベットと数式の羅列をイメージしますが、スクラッチはパネルをつなげて文章を作る感覚でプログラミングができるため、見た目で敬遠することがありません。

IT企業で働きプログラミングを知る保護者の方なら「子どもにプログラミングなんて難しい」と思われるかもしれませんが、スクラッチをひと目見れば認識は一変するでしょう。

スクラッチがプログラミング教育に選ばれる理由

スクラッチはアメリカで作られたプログラミングツールです。それがなぜ日本の教育現場で広く利用されているのか不思議に感じる方も少なくないでしょう。

子ども用のプログラミング教材として、どれだけスクラッチが優れているか知るためにも、教育現場で採用される理由を確認しておきましょう。

プログラミング言語のことを知らなくても扱える

ビジュアルプログラミング言語であるスクラッチはパネルを組み合わせて処理を組み立てるため、ひと目見れば使い方がなんとなく分かります。プログラミング言語のひとつですが、プログラミングが何か一切知らなくても使いこなすことができるでしょう。

操作対象の画像を選択して、その画像に対して操作の詳細を設定するブロックを次々に組み合わせるだけで画像を操ることができます。

画面に表示される要素が少ないので、何をすればどうなるのかすぐに理解できるでしょう。

パズル感覚で楽しみながらプログラミングができる

スクラッチのブロックはパズルのピースのように凸凹しており、それぞれ組み合わせることができます。

どのピースを組み合わせることができるのかひと目で分かるため、言語ベースのプログラミングよりもスムーズにプログラムを組み立てられるでしょう。

プログラミングに誤りがある場合はピースが上手くはまらないため、エラーが出力されにくいことも特徴です。

ピースの操作はマウスを使ったドラッグアンドドロップで行います。直感的にプログラミング要素を組み合わせて目的を達成することができるでしょう。

トライ&エラーが容易にできる 

プログラミング学習で辛いのは時間かけて書いたプログラムが意図したとおりに動かない時です。記述を間違えている箇所を探す作業は経験者でも難しいため、初心者が挫折する要因となっています。

スクラッチはプログラミングをピース単位で構成しているため、思ったように動かない場合はピースを交換したり取り除くことでプログラムの修正ができます。

プログラムを完成させるために重要なトライ&エラーをストレス無く進められるので、効果的に学習を進めることができます。

小学生が集中力を持続できる時間は限られているため、時間をかけずにプログラムを修正できるスクラッチは子ども向けの学習教材として適しています。

プログラミング結果がアニメーションで表示される

スクラッチで作成できるプログラムはアニメーションを表示するので、子どもが興味を持って取り組むことができます。

効率良く学ぶには楽しみながら勉強することが重要です。好きなキャラクターを動かしたり、操作できるプログラムを作ることでゲーム感覚で楽しむことができるため、自然と子どもは夢中になることでしょう。

スクラッチに慣れるとできることが増えるので、さらに意欲的になり、保護者に言われることなく自分で調べてプログラミングをするようになるため、理想的な教材と言えるでしょう。

フリーソフトだからパソコンがあればすぐ導入できる

スクラッチは世界的に利用されていますが、その理由のひとつは無料で利用できるからです。フリーソフトとして提供されており、公式サイトから簡単に利用できます。

一般的なプログラミングソフトはファイルサイズが膨大でダウンロードに時間がかかり、さらにセットアップに手間がかかることも少なくありません。

一方、ブラウザさえあれば動作するスクラッチはダウンロードやインストール、設定が不要です。ITに関する専門知識が無くても問題なく導入が可能です。

スクラッチでどんなことができるのか

プログラミング言語であるスクラッチでは、アプリケーションからWEBサイト、サーバーまで様々なものを作成できます。

スクラッチに興味を持った子どもから聞かれることも多いと思いますので、実際にどんなものが作れるのかを紹介いたします。 

画像を動かしてアニメーションを作れる

スクラッチは様々な種類のアニメーションを作成できます。画像を画面の右端から左端に動かすような簡単なものから、テレビアニメのように複数の画像を使ってダイナミックな動きをするものまで自由自在です。

画像を単純にスライドさせるようなものは少ないピースで作れますが、それでも初めて自分の手で動かした時は感動します。成功体験として子どもの心に残り、次のプログラミングへのモチベーションになるでしょう。

画像や入力処理を使ってゲームを作れる

スクラッチはキーボードやマウスから入力を受け取ったり、複数の画像を動かすことができるためゲームを作成することもできます。実際、スクラッチを利用する子どもたちに人気なのがゲーム作成です。上級者の中には人気のゲームを作った人もいます。

スクラッチは画像や音声、入力の処理を全てピースで行えるので直感的にゲームロジックを組み立てられます。画像データを納めるクラスを探して使い方を覚える必要はありません。

操作を加える画像が画面に表示されるので処理対象を間違うこともないでしょう。

そのため、HTMLやjavascriptといったプログラミング言語よりも簡単にゲームを作成できます。

プログラムをインターネットに公開できる

スクラッチで作ったプログラムはインターネットで公開できます。スクラッチのユーザーが集まるコミュニティがあり、そこで作品を投稿して世界中から意見をもらうことも可能です。色々な人の意見に耳を傾けることで新たな発見が見つかるでしょう。

見てもらうだけでなく世界のユーザーが作ったプログラムで遊んだり、どのようにプログラミングしているのか中身を確認することもできます。上級者の技術を学ぶことでプログラミング技術をアップすることもできます。

 スクラッチをすることで身につく能力

最後に、スクラッチでプログラミング学習をすることで身につく能力について紹介します。複雑な要素を取り除いてあるとはいえ、スクラッチがプログラミング言語であることに違いはありません。続けることで様々な効果が期待できます。

物事を順序立てて考えて正解かどうか確かめる力

プログラムを完成させるためには、何をどうすればいいか処理内容をロジカルに組み立てる必要があります。処理の手順を間違えばプログラムは意図したとおりに動いてくれません。

スクラッチでゲームやアニメーションを作成する場合、このような処理を何度も繰り返すことになるので、自然と論理的な思考が得意になるでしょう。

基礎的なプログラミングに必要な感覚

プログラミングには関連性の高い処理をまとめて管理し、それを再利用する感覚が欠かせません。スクラッチでも処理を流用してプログラミングの記述の手間を省くといったテクニックを多用します。

そのため、ビジュアル要素の無いプログラミング言語を扱うようになった際にもスムーズに進めることができるでしょう。 

目的を達成するために何度も挑戦する辛抱強さ

組み立てたプログラムが一発で正常に動くことはまずありません。多くはプログラムのどこかに誤りがあり、思い通りに動きません。そのためプログラミングでは間違えている箇所を探すことに多くの時間を割かれます。バグ取りなどと呼ばれる行為で、プログラマーにとって苦痛の時間となることが多いです。

一般的なプログラミング言語ほどではありませんが、スクラッチのバグ取りも手間がかかります。苦難の時を乗り越えてプログラムを完成させることで、目的を達成するために何度も挑戦できる辛抱強さを養えるでしょう。

プログラミングを学ぶなら『Wonder Code』

スクラッチはパズルのピースを組み立てるようにプログラムが作成できるため、子どもでも効率的にプログラミングを学べます。

プログラミングに必要なロジカルシンキングが習得でき、さらに目標を実現するための辛抱強さが身につくため子どもの人間的成長も見られるでしょう。

子どもが好きなゲームやアニメーションを作れるので飽きずに取り組める点も魅力的です。

『Wonder Code』では、初めてビジュアルコードに触れる子どもに向けて年齢や個性に合わせたプログラミング学習を展開しています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。