子どもの頃から本を読むメリットとは?

「本は人生を豊かにする」や「子どもの頃から本を読んだほうがいい」などの言葉は、子育てをしていると度々耳にしますよね。読書を趣味にしている親であれば、本がもたらしてくれるさまざまなメリットを自身の人生で感じていることでしょう。

しかし娯楽や趣味が多様化している今の時代では、読書の習慣がない人も決して珍しくありません。大人になってから小説を一冊読み切ったこともない、という人も多いのではないでしょうか。読書は子どものさまざまな能力を引き上げてくれますが、親自身が本を読むメリットを感じられていないとなかなかピンときませんよね。

今回は、子どもが本を読むメリットや読書を習慣づけるポイントなどをご紹介します。読書が子どもに与えてくれるメリットを学びながら、親自身も本に触れる機会を作ってみましょう。子どもと一緒に本の魅力に触れることで、より説得力のある家庭教育につながります。

子どもが本を読む11個のメリット・効果

ここでは、子どもが本を読むメリットを11個ご紹介します。読書の素晴らしい点は、以下のメリットをワクワク感や知的好奇心の追求を以て得られる点です。後述する読書を習慣づける方法と合わせて、本を読む楽しさからさまざまな能力を引き上げていきましょう。

語彙力が育つ

子どもが本を読むメリットは、語彙力が育つことです。語彙力とは言葉のボキャブラリーだけではなく、TPOに応じた言葉選びができる能力も含まれます。私たちは普段の生活におけるコミュニケーションで、自分が知っている言葉や表現のみで会話を行いますよね。

本は自分ではない人物が書いた文章であるため、今までの自分にはなかった表現方法を学べます。語彙力が増えるほど相手の目線に合わせた言葉をうまく選んだり、より適切な言葉を選択できたりするでしょう。さらにわからない言葉を自分で調べることで、記憶に定着しやすくなります。

想像力が育つ

読書は子どもの想像力を養ってくれます。本に書かれているのはただの文字でしかなく、参考書や学習書などと同じ活字の連続です。しかし本は読み手の脳内に無限の可能性を与えてくれます。同じ文章でも読み手によって脳内に広がる光景は変わり、本という仮想世界の中で五感をフル活用して楽しめます。

現実では実現不可能なアクションシーンや魔法、動物との会話、モンスターとの戦い、未知との遭遇。子どもの柔軟な想像力は本によってさらに広がり、夢のような世界へ連れていってくれるのです。想像力が育つことで、現実でも既存の知識や情報から新しい着想を得る力が養えます。

集中力が育つ

読書が習慣化されることで、子どもの集中力が育ちます。集中力とは、一つの物事に意識を集中して取り組む能力です。子どもが相性のよい本と巡り合うことで、周囲の音が聞こえなくなるほど集中力が磨かれます。集中力を養うためには、子どもの興味や関心を向けられる本と出会えることが大切です。

大人でも好きな本には集中できても、難しい論文やビジネス書籍などではすぐに集中力が切れてしまいますよね。集中して時間を忘れてしまうような愛読書との出会いは子ども心を豊かにし、大人になっても忘れられない一冊になるでしょう。本を通して集中する癖をつければ、他の物事でも集中力を維持しやすくなることが期待できます。

読解力が育つ

本を読むことで、子どもの読解力が養われます。子どもが本を読むメリットは国語のような文系科目で顕著ですが、決してそれだけではありません。あらゆる学習において、問題を読み解くための読解力が求められます。文章を読む・かみ砕く・理解するといった能力は、社会に出てもさまざまなシーンで必要です。

例えば取扱説明書や会社のマニュアル、資格試験の問題、メールやチャットのやり取り、商談、契約書、参考書、論文などでも、読解力がなければ思わぬトラブルを引き起こす原因になるでしょう。何らかの形で文章に触れる生活を送る限り、読解力は自分を守るための重要な道具になるのです。

論理的思考力が育つ

小説のような起承転結が重要視される本を読むことで、論理的思考力が養われます。論理的思考力とは物事を体系的に理解する能力です。本に書かれた情報をつなぎ合わせる行為を繰り返す過程で、複数の要素を整理整頓し順序立てて考える能力が身につきます。

論理的思考力を持っている子どもは知識と知識をつなぐ能力に長けているため、学習効率が上がる傾向にあります。また言葉の組み立て方がうまくなり、より説得力のある発言ができるようになるでしょう。さらに体系的な考え方ができることで、イレギュラーが起こってもパニックにならない冷静さも養えます。

コミュニケーション能力が育つ

読書で養われた語彙力や想像力を活用することで、子どものコミュニケーション能力が伸びていきます。特に小学生の子どもにとって、家族と学校の友達は人間関係の大部分を占めるものです。同じコミュニティの人間とコミュニケーションを取っているだけでは、多様な価値観に触れる機会は少ないでしょう。

本の世界に描かれたさまざまな人間の思考や価値観に触れることで、自分以外の人間の感性に触れられます。その結果、相手の立場に立った言動ができるようになったり、感情をコントロールする能力が身についたりするでしょう。円滑な人間関係の構築は「自分の価値観だけがすべてではない」と自覚することから始まります。

新しい知識が増える

本を読むことで新しい知識が増え、今まで知らなかった世界に触れられます。視野が広がり物事をいろいろな側面から見られるようになり、価値観や思想に深みを与えられるでしょう。読書によって与えられる知識は、雑学要素だけではありません。

知らない漢字や単語、言い回し、ことわざ、ジョークなど、本だからこそ学べる知識はたくさんあります。知識が増えることは、教養が増えることとほぼ同義です。人生は教養が多いほど楽しめる世界が広がっていきます。読書は子どもが人生をより楽しく、充実して過ごすためにも取り入れたい習慣なのです。

ストレス発散になる

読書を趣味や娯楽として認識できると、ストレス発散の方法が一つ増えます。前提として、ストレスがまったくない人生は存在しません。私たちは誰しも日々の中で必ずストレスを抱え、人それぞれの方法で発散して心の平穏を保っています。

ストレスの原因や本人の性格によって、適切な発散方法は変わるものです。発散方法が多いほど心は安定しやすく、複数の手段を持っていること自体が自分を追い詰めないためのメンタルコントロールになります。読書というストレス発散方法を持つことは、心を健康に保つ手段でもあるのです。

創作物・クリエイターへの敬意を持てる

子どもが読書を楽しむほど、創作物やクリエイターへの敬意を払えるでしょう。0から何かを創造する行為は、誰にでもできることではありません。どんなに短い物語にも安価な商品にも、作り手の魂や情熱が込められています。

クリエイティブな物事をリスペクトする精神を持つことで、物を粗末に扱わないようになったり、創作物全般に興味を持ちやすくなったりすることもあるのです。ものづくりへの敬意は、相手の立場に立って考える想像力にもつながります。

時間が有効活用できる

子どもが読書を趣味にできると、時間を有効活用できるようになります。今まで漫然とスマホを見て過ごしていたような時間が、知識を広げ能力を高める時間に変わるのです。子ども自身が楽しんで読書に取り組めれば、学習している自覚がないまま無意識に成長できます。

趣味や人とのつながりが増える

読書によって知識や見識が増えると、人間関係が広がっていきます。相手と共通の話題が増えるためコミュニケーションも主体的になり、対人関係における自身が芽生えていくでしょう。「さまざまな本を読んだことがある」という実績はそれだけで自分の知性や教養をアピールする武器にもなります。

漫画は読書に含まれる?

「子どもが小説は読まないのに漫画ばかり読んでいる……」と悩んでいる人は多いでしょう。しかし漫画であっても、本を読むメリットの一部はしっかり受け取れます。

  • キャラクター心理を考えることによる想像力
  • 物語のシーンを組み立てる論理的思考力
  • 伏線に気づく洞察力
  • ストレス発散・気持ちの切り替え
  • 新しい知識や雑学
  • 子ども同士の流行に付いていける
  • 感動による情操教育・コミュニケーション能力 など

以上のように、子どもの能力を引き出すことにおいて「漫画=NG」だとは限らないのです。ただし国語や現代文などの成績を上げるためには、長文のテキストから意図をくむ練習も必要です。また活字のみの情報から情景を想像する力は、絵ありきの漫画では養えません。漫画を読むこと自体は否定せず、子どもが楽しんでいる事柄を尊重した上で、小説の楽しさも並行して教えられる環境を作っていきましょう。

子どもに読書の習慣をつける方法

ここでは、子どもに読書を習慣づける方法をご紹介します。特に読書への興味が薄い子どもにとって、本を与えることは勉強と同様につまらない印象になりがちです。読書に秘められた楽しさに子どもが気づけるように、子どもに寄り添いながらサポートしていきましょう。

年齢や成長に合った本を用意する

子どもに読書を習慣づけるためには、年齢や成長に合った本を用意することが大切です。特に小説における推奨年齢は重要で、知らない単語や読めない漢字が多すぎる本は概要をつかみづらく、飽きる原因になってしまいます。

選ぶべき本がわからない場合は「小学生 年齢別 本」や「小学生 学年 推奨本」などで検索すると、対象年齢に沿ったおすすめの本を見つけやすくなるため積極的に活用しましょう。

子どもの興味や関心から適材な書籍を勧める

子どもが能動的に本を読むためには、当人にとって関心が高いジャンルであることが求められます。大人にとっても、興味がない芸能人のエッセイを渡されても読む気は湧きませんよね。読書の習慣がついていない人であれば尚のことです。

読書を日常化するためには、まず子どもの関心がどこに向いているのか、リサーチから始めましょう。最初から小説が難しければ、図鑑のようにイラストが多いものからでもよいのです。本を読むという行為自体に子どもが慣れていくことが大切です。

親子で一緒に読書時間を過ごす

親子で一緒に読書時間を過ごすことで、子どもにとって読書が身近な行為になります。また子どもからすると、親にいくら「本を読みなさい」と言われても、肝心の親が読んでいなければ「どうして自分だけ……」という気持ちになってしまうものです。

子どもを教育するためには、まず自らがお手本になることも大切です。親子で同じ本を読んで感想を言い合うのもよいでしょう。食後や食前などお互いの時間が合うタイミングで、毎日10分程度の読書時間から始めてみてはいかがでしょうか。

読書に適した環境や道具を用意する

子どもの性格や特性によって、集中できる環境は違うものです。勉強でも読書でも「無音で静かな場所のほうが集中できる」という人もいれば、カフェのように「他者の気配がある場所のほうがいい」という人もいますよね。

もし子どもが家での読書が苦手そうな場合は、公園や図書館などに足を延ばして環境を変えてみましょう。子どもが好きな飲み物やおやつを出したり、アロマを使ったりするのもおすすめです。子どもが読書のために求めているのならば、音楽をかけたりテレビを流したりしてもよいでしょう。

無理に読ませず、読書の利点を理解することが大切!

 

子どもに読書を楽しんでもらうためには、子どもが「親に読まされている」と思わない環境づくりが大切です。そのためには、子ども自身が本を読むメリットを理解している必要があります。例えば本を読むことでワクワクした気持ちになれたり、自分の時間に没頭できる感覚になれたりすることが挙げられます。

親が読ませたい本を無理に与えると、子どもは読書に義務感を抱いて敬遠してしまいます。子ども自身の関心がどこに向いているのかを把握した上で、好みに寄り添った本を提案するのに留めましょう。親は子どもが自分の意思で本を選ぶことを目的にすることで、スムーズな読書習慣につながります。

想像力や論理的思考力をさらに養うなら『Wonder Code』

今回は子どもが本を読むメリットや、子どもの読書習慣のつけ方などをご紹介しました。特に小学生の子どもにとって、お手本とすべき身近な大人は親か教師に絞られがちです。親が一緒に読書を楽しむことで、子どもが本に触れるきっかけになる可能性があります。

本が与えてくれる未知の世界を、家族で一緒に楽しんでみましょう。子どもと本屋に遊びに行き、好きなものを選ばせるのもおすすめです。また本を読むメリットとして、想像力や論理的思考力の上昇があります。これらの能力をさらに引き上げるのにおすすめの習いごとが、小学校教育で注目されているプログラミングです。

「Wonder Code」では子どもの知的好奇心を刺激するメソッドを取り入れながら、楽しくプログラミングを学べます。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。