英会話は、義務教育に含まれているほど「学ぶことが当たり前」になっている学習項目です。しかし、「何のために英会話を学ぶのか」まで深く考えたことがある人は、少ないのではないでしょうか。今回は、子供の頃から英会話を身につけるメリットや必要性についてご紹介します。保護者として、子供の時から英会話を学ぶメリットを理解し、子供の教育や学習意欲向上につなげていきましょう。
【この記事の目次】
子供に英会話を習わせたい!
子供に英会話を習わせたい理由は家庭によりさまざまです。「グローバルに活躍できる人間になってほしい」「子供が旅行に行ったときに困らないようにしてあげたい」「職業選択の幅を広げてあげたい」「子供の英語の成績を上げたい」「英会話を用いてさまざまな価値観を身につけてほしい」……。そのどれもが本音であり、英会話を学ばせる理由に正解や間違いはありません。
しかし、子供がスムーズに正しい英語力を身につけるためには、保護者が英会話を学ぶ理由を明確に理解している必要があります。英会話により得られるメリットを認識することで、子供のビジョン実現に役立ち、本人の学習意欲にもつながるのです。
子供が英会話を始める適切な年齢とは
子供が正しい英語力を身につけるためには、語学を学び始めるのに適切な年齢を知っておくことが重要です。子供の成長によって個人差はありますが、一般的に6〜7歳から英会話を始めると最も語学力が身につきやすいといわれています。6〜7歳である理由は、この年齢から学校を通して「人から教わる」という行為に慣れ始めるためです。
6〜7歳からの語学習得能力をより高いものにするためには、子供が6〜7歳になるまでに、英語が身近にある環境を当たり前にしておく必要があります。英語圏に住むことは難しくても、英会話の練習になりそうなアニメDVDや外国のドラマを流したり、洋楽に触れさせたりするといいでしょう。
英会話を学ぶことで、将来何に役立つの?
子供のうちに英会話を学ぶことで、グローバル化が進行する日本では役に立つ場面が多くあります。例えば、学校教育の中での留学や修学旅行、個人の海外旅行にも役立ちます。また、将来就職先の幅が広がることも一つでしょう。
大人になってから英会話を学び始める人は、何かしらの理由や目的があるもの。しかし子供が英会話を学ぶ際には、自分から「教室に通いたい」という子は少ないのではないでしょうか。
子供は自分で生きる環境を選べません。子供が英会話に触れるきっかけはあくまで保護者が用意するものであり、英会話が何の役に立つのかを最初に教えるのも保護者の役割です。英会話を学び始めるまでに英語を身近なものにしておくだけではなく、保護者自身が「なぜ英会話を学ぶのか」に明確に答えられるようにしておくことで、子供自身が英会話の習得に能動的になれるでしょう。
子供が英会話を学ぶ7つのメリット
英会話を学ぶ理由は、時代やシチュエーションによって変化するものです。子供本人がメリットを理解することで、学習への意欲は変わります。漠然と英会話を学ぶのではなく、メリットと目的意識を持って学ぶことで、より具体的な結果につながるでしょう。
ここでは、子供が英会話を学ぶことで得られるメリットを7つご紹介します。扱える言語が増えると職業の選択肢が増えるだけではなく、人生の幸福度を上げるさまざまな利点が生まれるのです。
1.コミュニケーション能力が高まる
子供の頃から英会話を学ぶことで、コミュニケーション能力の向上が期待できます。例えば日本語には日本語特有の表現があるように、世界中の言語に固有の言い回しやニュアンスの違いがあります。
語学を学ぶことは、世界中の国や地域に存在している表現方法を学ぶことにつながります。その中でも世界共通語として話者が多い英語を学べば、日本語を知っているだけでは得られない表現の幅が広がり、自分の気持ちを伝える方法や相手の気持ちを理解する知識を増やすことにつながります。
2.幼少から異文化交流が生まれる
子供の頃から英会話に触れることで、異文化交流が生まれます。人種や他国の文化に対する先入観が生まれる前から外国人とコミュニケーションを取る機会が増えるため、価値観が広がり多様な考え方を身につけられるのです。
子供の行動範囲は、家や学校などの限られた世界になりがちです。大きな変化のない人間関係の中では、物事の考え方も広がりづらいでしょう。英会話を通して異文化交流が生まれると、同年代の友人や先生を通して自分の生活圏の外の世界に触れられます。広い視野と柔軟な価値観を持つ人間になるためには、子供の頃からの異文化交流が大きな役割を持つのです。
3.勉強・学ぶことへの苦手意識が生まれにくい
本来自分が興味を持っているようなことでも、勉強として義務化されると嫌悪感を抱きやすいものです。しかし、遊びやコミュニケーションを通して英会話に触れることで、勉強によるストレスを感じづらい環境で語学力を習得できます。
同じ教養を身につける過程でも、苦しみながら努力する人と遊びながら楽しんで学んでいる人とでは、習得へのスピードもモチベーションも変わります。子供に「気付いたら習得できていた」というポジティブな成功体験をさせることで、英会話以外の勉学でも苦手意識を感じにくくさせられるでしょう。
4.日本だけにとどまらず、世界まで視野が広がる
英会話を学ぶことで、日本だけではなく世界にまで視野が広がります。日本語しか扱えない状態では、英語の本やテレビ、ニュースサイトなどのメディアの内容を理解できません。他者の翻訳を通してしか情報を受け取れないため、内容の真偽を自分で考えることが難しくなります。
しかし、子供のうちから自分で英語を理解できるようになると、日本語のニュースを観て自分の意見を考えるのと同じ行為ができるようになります。世界には日本語よりも英語で提供されているメディアのほうが多いため、英会話を身につけることは視野の広がりに直結するでしょう。
5.自発的な学習力が身につく
英会話を含む語学の習得は、学習意欲と密接な関係があります。例えば日本語の場合でも、基本的な語彙力がない状態では論文や長編小説などは読めませんよね。単語力や国語力を身につける過程で理解できる文章の幅が広がり、難解な情報も自分の中で分解できるようになります。
英会話の理解における過程も同様です。語学力を身につけると、英会話以外の学習も頭に入ってきやすくなります。あらゆる勉強は語学と結びついているため、「理解できる」というポジティブな感覚は意欲へとつながり、能動的な学習のモチベーションになるでしょう。
6.『英語脳』が身につく
子供の頃から英会話を学んでいると、自然と「英語脳」が身につきます。英語脳とは、英語を日本語に訳さずに理解できている状態のことです。例えば「りんご」という単語を聞くと、頭の中には果物のりんごの映像や味、香りなどが連想されますよね。
しかし「Apple」と聞くと、一旦頭の中で「りんご」という日本語に置き換えてからイメージにつなげる人が多のではないでしょうか。英語脳が身につくとこのステップがなくなり、英語のまま日本語と同じように理解することができます。
英語脳は、英会話が長くなればなるほどメリットを感じやすくなります。単語や助動詞などを一つひとつ脳内で日本語に翻訳するのではなく、日本語を理解するのと同じスピード感で英語を理解することで、情報を段違いに速く受け取れるようになるでしょう。
7.多様性を受け入れることができる・柔軟な対応が身につく
英会話による表現力や異文化交流による多様性を学ぶことにより、柔軟な対応力が身につきます。人間は一人ひとり違う価値観や美学を持っており、自分とまったく同じ考えの人はいません。この当たり前の事実を子供の頃から身をもって学ぶことで、他者と尊重し合える人間関係を築けるようになります。
幼少時代は、大人と比べると他者との考えの違いを受け入れられず、価値観の違いにより摩擦が生じてしまいがちです。子供の頃のコミュニケーションによるトラブルが原因で、トラウマを負ってしまうこともあるでしょう。
しかし英会話を学び外国文化に触れることで、「世の中には色々な考えの人がいる」と実感できます。英会話以外の場でもコミュニケーションが円滑に取れるようになり、社交性や自尊心が磨かれていくのです。
オンライン・オフライン、どちらで学ぶ方が身につくの?
昨今はコロナ禍の影響もあり、オンラインによる子供向けの英会話教室も多く展開されています。オフラインとオンラインの英会話教室のうち、どちらのほうが英語力が身につくかどうかに関しては、大きな違いはないといえるでしょう。
オンラインのメリットは、通学が必要ではないことです。インターネット環境さえあれば家にいたまま学習ができるので、本来通学に必要だった時間も英会話学習に充てることができます。ただし、普段ビデオチャットの習慣がない家庭の場合、環境を整えるためのコストが必要になります。
オフラインのメリットは、対面で英会話ができることです。会話や授業の内容はオンラインと変わりがなくても、直接顔を合わせているからこその緊張感や臨場感を味わえる点がオフラインの魅力です。また、授業内容によっては他の生徒との距離も近く、自然と交流が生まれます。ただし通学の時間やコストなどがかかるため、人によっては大きな負担と感じるケースもあるでしょう。
どちらのほうが身につくかは、子供の性格や相性・ライフスタイルに依存します。それぞれのメリットやデメリットを把握し、子供に合ったものを選んであげるといいでしょう。
英会話を最大限に役立たせるには、『英会話×〇〇』で学ぼう!
「英会話を勉強したい!」と思っても、何時間も机に向かい合ったままでは肉体的にも精神的にも疲れてしまいますよね。子供に英会話を楽しく覚えてもらうためには、英会話と「他の何か」を掛け合わせる方法が効果的です。
例えば料理が好きな子供の場合なら、英語のレシピ本を買って一緒に作ってみたり、映画が好きな子供なら吹き替えではなく字幕で洋画を観たりするといいでしょう。英会話と他の要素を合わせることで、テキストを見ているだけでは飽きがちな子供も楽しみながら学習できるのです。
英会話とプログラミング同時に学ぶことで、21世紀型スキルが身に付く!
今回は、子供の頃から英会話を学ぶメリットについてご紹介しました。義務教育の中に英語が含まれていることからわかるように、英会話を学ぶこと自体は普遍的なものとなりつつあります。
英会話のメリットを理解して学習への目的意識を持つことで、漠然と学んでいるだけでは得られない強いビジョンを得ることができます。子供の頃から「なりたい自分」をイメージできるようになると、さらにモチベーションが高い状態で勉強に取り組めるでしょう。
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