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大学入試で「思考力」が評価項目に。子どもの力はどう引き出す?
2021年から、センター試験に変わって大学入学共通テストが導入されました。制度変更の過程で、一部の大学では「思考力」を問うような問題が出題されています。そのため、子どもの将来の可能性を広げるためには、小学生の頃から思考力を引き出す学習が求められるといえるでしょう。
今回は、思考回路の意味や子どもの思考力を伸ばすコツなどをご紹介します。私たちが生活の中で当たり前に用いている思考のプロセスを紐解き、子どもの学習につなげていきましょう。
思考回路の意味とは
「思考」とは、私たちが物事を考えること自体を指します。「回路」とは工学や物理学でよく使われる言葉で、エネルギーが出てから元の場所に戻るまでの道筋のことです。そして「思考回路」とは、思考の道筋を意味しています。考えるときのパターンや考え方、思考のプロセス自体を表している言葉です。
例えば、算数で「りんご1個とみかん2個。合わせて何個?」という問題がある場合、答えは「3個」になりますよね。ただし、思考回路の種類によっては、答えに辿りつくまでのルートが変わります。1個のりんごと2個のみかんのイラストを想像する人もいれば、数字だけを見てシンプルに足し算をする人もいます。
思考回路自体に優劣はなく、それぞれの思考回路ごとに特徴や得手・不得手などがあるだけです。子どもの思考回路のパターンを知ることで、本人の性格や特性に合った教育を選択できるようになります。
当てはまるのはどれ?思考回路の5つのタイプ
思考回路には、おもに以下の5種類が存在しています。
- スキャン回路
- クリエイト回路
- リバース回路
- ノック回路
- ステップ回路
ここでは、それぞれの思考回路ごとの特徴をご紹介します。普段の子どもの行動から思考パターンを予測し、子どもに合った教育や声掛けのヒントにしていきましょう。
スキャン回路
スキャン回路とは、物事を読み取る思考回路です。問題の本質を見抜くことに特化しており、必要な情報と不必要な情報を見分けることが得意な傾向にあります。頭の中で情報を整理することが得意なため、「理解が早い」といわれることも多いでしょう。
一度に多くの情報を受け入れ選別できるため、視野が広く物事を多面的に捉えられます。例えば友達同士で喧嘩が起こったときに、表面的な問題だけではなく当事者同士の背景にまで視野を広げられ、より本質を突いた解決方法を提案できます。
クリエイト回路
クリエイト回路とは、ひらめきに特化した思考回路です。自分の知識や経験を目の前の課題に結びつけることが得意であり、0から1を創り出す力に長けています。いわゆる「発想の転換」が得意なタイプであり、周りが行き詰まったときでもクリエイト回路は新しい可能性を模索しています。
一般的なやり方では解決できないような大きな問題に直面したときでも、クリエイト回路が発達していれば、過去にはない新しい解決方法を提示できるでしょう。斬新なアイデアで周りを助けたり、新しいやり方を創造・発信したりすることが可能です。
リバース回路
リバース回路とは、物事を逆算することに長けた思考回路です。結果から遡って考えることが得意であるため、目標やビジョンを達成するためのプロセスを設定できます。夢の実現のために計画性を持って取り組める子は、リバース回路が発達している可能性が高いでしょう。
自分の立ち位置と理想との距離感を意識できている場合が多いため、着実にステップアップすることが得意な傾向にあります。
ノック回路
ノック回路とは、可能性や課題を洗い出すことに長けた思考回路です。起こり得る可能性を加味しつつ思考するため、慎重さに長けています。結果を地道にコツコツと積み上げていくことが得意で、完璧主義者な子が多い傾向にあるでしょう。
また、情報をリストアップしたり可視化したりすることで、深い理解につながるタイプでもあります。最適解を見つけても「もっと他にいい方法はないだろうか」と探求することが多く、優先順位の意識を根付かせることでさらに効率的に能力を伸ばせます。
ステップ回路
ステップ回路は、複数の知識や情報を組み立てることが得意な思考回路となります。目標に対して着実にステップアップできるタイプであり、一つひとつの情報を、納得感をもって組み立てられます。確認作業を人一倍行うため、計算ミスやケアレスミスが少ないことも特徴です。
物事を順序立てて考えることが得意であるため、イレギュラーが発生すると慌ててしまうこともあるでしょう。「今、自分は何をするべきか」と考える訓練を重ねることで、フットワークが軽い状態で思考を巡らせられるようになります。
子どもの思考力を引き出すコツ
ここでは、子どもの思考力を引き出すコツを3つご紹介します。思考力は学習効果の向上につながるだけではなく、周囲とのコミュニケーションも円滑にしてくれる能力です。子どもの思考力を養い、将来の可能性をどんどん広げていきましょう。
質問にはすぐに回答せず、ヒントを与える
子どもの思考力を育てるためには、子どもからの質問にすぐに回答しないことが大切です。思考力は訓練で養われる力であるため、子ども自身に回答を考えてもらう機会を増やしてみましょう。なお、子どもが回答に困っている場合はヒントを与えても構いません。
これは勉強に限った話ではなく、日常のコミュニケーションでも取り入れられる方法です。例えば、子どもに「夜ごはんは何?」と聞かれてもすぐに答えず、「お肉・卵・牛乳・パン粉で作るものだよ!何だと思う?」などのようになぞなぞ形式で返してみるとよいでしょう。
思考のための言語力や読解力を養う
思考回路のパターンにもよりますが、基本的に深い思考を行うためには、言語力や読解力が必要です。例えば複雑な読解問題の回答を考えるためには、そもそも問題文を読み解く能力が備わっていなければなりません。特に試験やテストなどの制限時間が設けられているシーンでは、総合的な国語力が重視されます。
将来的に理系を選択する場合でも、言葉にかかわる能力は常に伸ばすことを心がけましょう。複雑な思考を言葉にして伝えるためには、語彙力や文章を構成する能力が必要です。思考と言語は結びついていると認識し、読み聞かせや読書などの習慣を導入するとよいでしょう。
子どもに役割を与える
子どもの思考力を養うためには、家庭の中で子どもに役割を与えることをおすすめします。例えば、「家族の食器を並べる」や「テーブルの上を拭く」などのシンプルな役割で構いません。
役割を与えられた子どもは、どのタイミングでどのように行動するかを考えるようになります。より楽にできる方法や、回数を減らせる方法などを編み出すために思考を巡らせるため、思考力の底上げにつながるでしょう。
子どもの思考力を養う習い事なら『Wonder Code』
今回は、思考回路の意味やパターン、子どもの思考力を伸ばす方法などをご紹介しました。
情報化が進むこれからの時代は、人間ならではの思考力が求められます。思考力が高まるほど個人としての独自性が強まり、機械に奪われにくい仕事に就ける可能性も上がることでしょう。
子どもの思考力を身につけるためにおすすめしたい習い事が、プログラミングです。Wonder Codeでは、子どもの知的好奇心を刺激するメソッドを通して、楽しくプログラミングを学べるカリキュラムをご用意しています。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求などから始めてみてはいかがでしょうか。