【この記事の目次】
教育の意味・定義とは
広辞苑によれば、教育の意味とは、次のように定義づけられています。
- 教え育てること。望ましい知識・技能・規範などの学習を促進する意図的な働きかけの諸活動。
- 1を受けた実績。
「教え育てる」の「教」とは、師が弟子を教える意味で、「育」とは、親が子を育む意味と解釈できるでしょう。
いずれにしても教育とは、人生経験のある先生や親が、ある道において未熟な人や子どもに知識や技能を示したり与えたりするものだと定義できます。
教育する主体は先生や親であり、子どもは受け身的な立場であるかもしれません。しかし、教わった知識や技能などをしっかり理解したり深めたりするのは、子ども自身です。
「教育の目的とは?」と問うならば、教育を受けた者が、教わった内容をもとに、進んで学習を進めることにあります。「教育を通して主体的な学習者を育てる」のが、教育の目的といえるでしょう。
子どもへの教育がうまくいかない理由
「教育とは、子どもが主体的に学べるように教えること」と定義できても、子どもへの教育がうまくいかなくて悩んでいる親御さんはいるでしょう。
「やる気や集中力が続かない」「何をやっても自信がもてない」など、子どもの姿から親が「教育が間違っているのでは?」と不安に感じる場合、何かしらの理由があるかもしれません。
ここでは、子どもへの教育がうまくいかない理由を4つ紹介します。読みながら、ご自身の教育を少し振り返ってみてください。
子どもの興味や関心を否定してしまっている
子どもの興味や関心を否定したり制御したりすることで、子どものモチベーションは下がってしまいます。
子どもの興味や関心には「好き」の感情が働いているため、興味や関心の否定によって、子どもは自分自身を否定されたように感じるかもしれません。
例えば子どもの関心がゲームにあった場合に、親が「ゲームはダメ!」と否定すれば、子どもは「自分はダメ!」と感じるのに等しい感情を抱く可能性があります。
興味や関心の否定は、子どもをネガティブにさせたりやる気を失わせたりするため、いい教育とはいえないのです。
ご両親の理想が高すぎる
親の理想の高さは子どもにとって大きすぎるプレッシャーになり得ます。到達しやすい目標ではなく、あまりに高い目標設定では「どうせ無理」と最初から諦めてしまいます。
例えば自転車の乗り方を教える場合は、補助輪を最初から外して乗らせるのではなく、三輪車や補助輪付自転車・片側補助輪など、成功体験を味わえるように徐々に目標を高めるように教えるでしょう。
親の理想が高すぎる教育は過度のプレッシャーとなり、子どもにストレスを与えてしまいます。プレッシャーよりも、成功体験を味わえるような教育目標を設定しましょう。
ご褒美を多用してしまっている
ご褒美を与える教育方法は「ご褒美があるから勉強する子ども」にさせてしまいます。
例えば「テストが100点なら土日はゲームOK!」と言われ、100点を取り続けていた子どもが、親から「ゲームはダメ」と言われた瞬間から、勉強しなくなるかもしれません。
ご褒美を与えられ続けた子どもは、いつしか勉強を「嫌なこと」と判断し、勉強する意味を見出せなくなるためです。ご褒美を与えるのは、一時的に子どもをやる気にさせますが、最終的に良い結果をもたらさない教育方法といえるでしょう。
子どもにプレッシャーを与えすぎている
過度にプレッシャーをかける教育は子どもを追い込み、自信を失わせるかもしれません。
確かに、親が子どもに対して期待をもつのは大切です。子どもは、期待されると成果を出そうと努力するためです。しかし、期待のかけ方には注意しましょう。突き放した言い方や結果オンリーの姿勢では、子どもは緊張して本来の力を発揮できません。
親は子どもに自信をもたせ、安心して課題に向かえるような教育をめざしましょう。
勉強や習い事以外の時間を尊重していない
もし受験生であればなおさら勉強や習い事で忙しいでしょう。しかし、勉強や習い事以外の時間を尊重しない姿勢では、子どもストレスを与えてしまいます。
親が子どもの時間をすべて管理しようとすれば、子どもの反発を招くだけでなく子どもの主体性を育てられないでしょう。
「〇時から〇時まで(あるいは〇曜日)は自由時間」「疲れて気持ちが乗らないときは音楽を聴く」など、子どもが決めた時間の過ごし方を尊重するのが、いい教育方法だといえます。
子どもの未来を豊かにする教育方法
ここで紹介する、子どもの未来を豊かにする教育方法を考える際に大切な視点は、次のとおりです。
- 興味を学びにつなげる
- 家庭内の環境づくり
- 子どもの可能性を大切に
興味が分からない場合は、世の中の出来事について話したり、さまざまな体験をさせたりして、親子で探しましょう。
また家庭内の環境づくりとは、人間性や社会性を育むための教育です。子どもが本来もつ可能性を信じて、少しずつ成功体験を重ねられるようサポートしましょう。
子どもの興味を学びと結び付ける
「子どもの興味を学びと結びつける」ことは、子どもの知的好奇心を高める教育方法といえます。
子どもの興味や関心は「知りたい!」思いや「好き」の感情でしょう。前に進むための要素があれば、学ぶ場や時間を用意するチャンスです。
釣りに興味のある子どもが「魚をもっと知りたい」と思えば、図鑑を見せたり水族館に出かけたりしましょう。知的好奇心が高まり、今度は「潮流を知りたい」と思って自分で調べ始めるかもしれません。
子どもが学びを広げたり深めたりする姿が見られれば、いい教育といえるでしょう。
家庭内で子供に役割を与える
「家庭内で子どもに役割を与える」とは、お手伝いをさせることです。お手伝いには、以下のような効果があります。
- 相手の気持ちを考える想像力
- 作業を完了させるのに必要な段取り力
- より効率的なやり方を考える創造力
- 家族や自分に対するプラス的な感情
お手伝いは、子どもに家族内の役割を認識させ「自分が役に立っている」と感じさせます。自己肯定感の醸成につながるでしょう。お手伝いを習慣化させることで多くの力が身につくため、家庭内の教育として重要な位置づけにあるといえます。
子どもが学びやすい学習環境を作る
「子どもが学びやすい学習環境を作る」とは、子どもが興味を持って学び続けられるように、親が上手にサポート教育方法を指します。
- 興味をもつきっかけを作る
- 子どもが考える時間をつくる
- 親も好奇心をもつ
1つ目の「興味をもつきっかけを作る」とは、体験や情報の共有など、子どもの興味を広げる機会をつくり好奇心を刺激する教育を指します。
2つ目の「子どもが考える時間をつくる」とは、突き放す教育ではありません。子どもが学びを深められるように、考える時間を与えたり調べ方を教えたりする教育方法です。
3つ目の「親も好奇心をもつ」とは、子どもが興味をもった事柄に対して「私も気になるわ」と一言添えることです。親が興味をもつことを、子どもは歓迎するでしょう。
学びやすい学習環境作りは、子どもモチベーションを高めるために重要です。
子どもの可能性を否定しない
「子どもの可能性を否定しない」ことは、子どもの個性を尊重して成長をサポートする教育です。人から期待や信頼を得られた子どもは、力を発揮しやすくなるため、まずは「子どもに必ず可能性がある」と信じることが大切です。
例えば子どもをよく観察し、興味の対象を見つけましょう。親の見方や考え方にとらわれず、子どものありのままを認めます。子どものよさや可能性が分かれば、親は子どもを応援できる大人に変われるでしょう。
子どもの可能性を肯定できれば、よりよい教育やサポートになります。
学業に限定せずさまざまな体験を与える
さまざまな体験の場を与えることは、親ができる「いい教育」といえます。体験が豊富な子どもほど、自己肯定感が高くなる傾向にあるためです。文部科学省のの調査報告には、次のように提示されています。
「小学生の頃に体験活動の機会に恵まれていると、高校生の頃の自尊感情が高くなる傾向が、家庭の経済状況などに左右されることなく見られる」
引用元:令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告 ~21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果について~
例えば日常的にはお手伝いをさせたり、友達を遊ばせたりします。休日は、自然や動物とのふれあい・スポーツ観戦・地域行事への参加などが挙げられるでしょう。体験の喜びを共有できるのは、人間性や社会性を養ううえでも重要な教育方法といえます。
小さな成功体験を何度も与える
子どもが自信をもって前に進むためには、小さな成功体験を何度も与える教育方法が理想的です。
まずは、努力次第で到達できる目標を設定しましょう。目標が高すぎると、やる前から「無理だ!」と諦めてしまいます。達成感を味わえるような働きかけが必要です。
例えば子どもが「全教科で満点をとる!」と決めた場合は、得意な算数から攻略して算数のなかでも苦手な「単位あたりの大きさ」を中心に基礎から学び直します。
つまりスモールステップをくり返して、「やってみたらできた!」「結構分かると楽しい!」など、ポジティブな思いが生まれるように環境を整えるのです。成功体験を何度も経験すれば、実力だけでなく自己肯定感も育つでしょう。
これからの教育で求められる「21世紀型スキル」とは
21世紀型スキルとは、国際団体「ATC21s」が提唱したもので、変化の激しい時代を生き抜くために必要なスキルのことです。既存価値に縛られず、新たな価値を生み出す力ともいえるでしょう。
従来のスキルは、先生が子どもに知識を授ける「知識偏重型」の教育スタイルによるものでした。一方で21世紀型スキルは、教育というよりむしろ「学習」に焦点が当てられたスキルです。つまり与えられる意味の教育ではなく、子どもが自ら学び他者と学び合う教育スタイルになっているのです。
国立教育政策研究所は、21世紀型スキルの3構造として下図のように紹介しています。
引用元:国立教育政策研究所『教育課程の編成に関する基礎的研究 報告書7「資質や能力の包括的育成に向けた教育課程の基準の原理」』(2014年)
国立教育政策研究所の解説によれば「思考力を中核とし、それをささえる基礎力と使い方を方向づける実践力の三層構造」とされています。3つの力を分離あるいは段階として捉えず、互いにつながりを保ち連動する教育をめざしているのです。
21世紀型の教育は、子ども自身が「学ぶ対象や内容・学び方」を選びながら学習を進めるためのものです。そして本記事で紹介した教育方法は、子どもの興味を学びにつなげる意味で21世紀型のスキル教育といえるでしょう。
子どもが楽しく学べる習い事は『Wonder Code』
子どもが楽しく学ぶためには、子どもが勉強の意味を理解して学びたい気持ちに沿って取り組める教育環境が必要です。
いい教育とは、子どもの興味を大切にし、可能性を信じて適切なサポートをする親の教育姿勢から生まれるものでしょう。子どもは興味と学びをつなげて面白さを発見できれば、どんどん学びを広げていきます。
またお手伝いや体験活動を通して、人との関わり方を学んだり共に喜び合える時間を過ごしたりすれば、社会性や自己肯定感が育まれるでしょう。いずれにしても、楽しさは学びの原点です。教育する側も学習する側も、互いに楽しければおのずと教育環境はよくなります。
『Wonder Code』は、子どもが楽しく学べる教育環境を整えています。お子さんの興味や可能性を広げる教育カリキュラムを組んでおり、21世紀型スキルの習得にも対応しています。ぜひこの機会に『Wonder Code』の学びを体験してみてください。