みなさんは「課題発見力」という言葉を聞いたことがありますか?課題発見力とは、現状を分析し、目的や問題を見つける力のこと。2006年に経済産業省が、社会人基礎力の中の一つの能力として「課題発見力」を提唱しています。「課題発見力」はすぐに身につくスキルではないため、子供のころから課題発見力を鍛えられるようにしていきたいですね。この記事では課題発見力の鍛え方や、子供のころから課題発見力を鍛えるメリット、鍛える方法について解説します。
【この記事の目次】
課題発見力を鍛えたい!
社会人基礎力の一つである「課題発見力」。社会に出たときに活躍できるよう、子どもの課題発見力を鍛えていきたいと思う方も多いのではないでしょうか。子どもの課題発見力を鍛えるためには、親御さん自身が課題発見力とは何か、どのように役立つのかを知っておく必要があります。
課題発見力を今までそれほど意識したことがなく、初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。これまで多くの人生経験を積んできた保護者世代の方々は、知らないうちに課題発見力を身につけているかもしれません。
課題発見力を鍛えることで社会人基礎力が身につくだけではなく、他の人にはない力を育てることが可能です。子どもの将来のために、課題発見力の鍛え方を一緒に学んでいきましょう。
課題・問題の見つけ方を学ぶことで、視野が広がる!
さまざまな課題や問題の見つけ方を習得すると視野が広がります。課題とは、まだ明らかになっていない問題のこと。自分が今見えている目の前の出来事だけではなく、想像力を働かせ未来に何が起こるのか、別の視点から見てみたらどうなのかを考える中で課題は発見できます。
今起こっている問題を発見するのは比較的簡単です。しかし、問題が発生してから対処するのと問題が発生する可能性を予測して物事を進めるのとでは、時間や労力が大きく異なります。課題や問題の見つけ方を学べば視野は広がり、身につけた課題発見力は人生のさまざまな場面で大いに生かせるでしょう。
課題発見力を身につけるメリットとは?
課題発見力を身につけると、まだ問題として認識されていない将来の課題や、あるべき姿に近づくための方法を見つけることが可能です。あらゆる技術の進歩でAI(人工知能)が多くの仕事をこなしつつありますが、課題発見力を身につけている人は、今後の社会でも生き残れるでしょう。
多くの人が同じものを求める大量生産・大量消費の時代では、効率的に製品を量産できる指示応答的な人材が求められました。しかし現代では、価値観やライフスタイルの多様化によって、商品の付加価値や体験・意味といった「質的」なものが重視されています。商品の付加価値といってもさまざまですが、自ら考えて課題を発見し解決していくスキルは今後重視されていくと推測できます。
さらに課題発見力はセルフマネジメントの一つでもあり、個人のスキルアップにとって大切な力です。なりたい姿と現状とのギャップを認識し、そのギャップを埋めていくにはどうしたらよいか、課題を見つけて解決していくことは自らの成長にもつながります。近年は複雑な世の中であり、企業や社会の中、また自分のキャリアにとっての課題を発見する力はますます重要になるでしょう。
課題発見力を鍛える方法
子どもの課題発見力を鍛えるには4つのコツがあります。また、課題発見力を鍛えることを目的としたカリキュラムに取り組むことで、よりいっそう子どもの課題発見力は磨かれていきます。子どもは発達段階や個性によって一人ひとりに適した学び方があるため、子どもに合った学びのプロセスを大切にしながら課題発見力を鍛えていきたいですね。
ここでは、子どもの課題発見力を鍛える4つの方法について詳しくみていきましょう。
決して答え(正解)を教えない
課題に取り組むとき「答え」そのものを教えてしまうと課題発見力は鍛えられません。それどころか、「正解は必ずある」「答えは教えてもらえるものだ」と思い込み、自分で答えを見つける発想が育ちません。子どもが課題に取り組むときは答え(正解)を教えるのではなく、子ども自身に考えさせるようにしましょう。
義務教育では、宿題で計算ドリルや漢字ドリルなどがあり、先生によっては答えを導き出す速さや正解率に価値を置いている場合もあります。しかし実際社会に出てみると答えがある問題ばかりではありません。子どもの素朴な疑問や質問にすぐ答えるのではなく、自分で考えるよう促したり、親子で一緒に考えたりする意識を持ちましょう。
明確な指示を出さない
明確な指示を出すことが良い場合もありますが、それでは子どもの課題発見力は身につきません。自分の頭で考えずに指示を待っているようでは、いわゆる指示待ち人間になってしまうため注意が必要です。
例えば学校集団の中で指示に従える力(指示応答性)は大切ですが、社会人になると常に誰かから指導してもらえるわけではありません。自ら考えて行動する力が必要となります。
日常のふとした場面でも「早く服を着なさい」と指示を出すよりは「今は何をする時間かな?」と問いかけたほうが、自分で考えて行動する力が育まれます。何か習い事をするときも、先生が出す指示にただ従って学習していくのか、明確な指示はなく自ら考えて取り組むことを重視したカリキュラムなのかを意識してもらうよう促すと良いでしょう。
自主性を伸ばす
子どもの自主性を伸ばすことも大切です。いつも学校では先生の指示に従い、放課後は親が決めた習い事をこなす忙しい日々の中だけでは、なかなか自主性は伸びません。例えば、習い事も子供の自主性が伸びるカリキュラムとなっているか、普段の暮らしの中で子供の自主性が伸びる機会はあるか一度考えてみると良いでしょう。
優秀で素直な子供ほど、与えられたタスクをこなすことに一生懸命になりがちです。長い目で見て子ども本人の自主性が育っているか、発達段階に応じたチャレンジができているかを確認するためにも、子どもとゆっくり対話してみるのもいいかもしれませんね。
論理的思考と想像力を鍛える学習をしよう
論理的思考と想像力を鍛えることも課題発見力につながります。論理的思考とは、ロジカルシンキングとも呼ばれ、原因と結果の因果関係を理解しながら考える思考方法です。論理的思考ができると、自分の中でも筋道が通っているため、他の人に対してもわかりやすく説明できます。
また想像力は、目に見えていないことや自分の体験していないこと、相手の心情なども推し量ることができる能力です。「課題」とは、これから起こる可能性のある潜在的な問題ですので、想像力を働かせることが大切になります。
課題発見力を身につけるならSTEAM教育を取り入れよう
STEAM教育とは、以下に示す5つの単語の頭文字を組み合わせた言葉で、教科を横断した総合的な学習のことです。ここでは「理系と文系」といった学問をわけるような概念はありません。STEAM教育を学ぶことで、課題発見能力や問題解決能力が育めるでしょう。
- Science:科学
- Technology:技術
- Engineering:工学
- Art:表現力 / 創造力 / リテラシー
- Mathematics:数学
文部科学省も、教科学習を実社会における問題発見や解決に生かしていくため、STEAM教育を推進しています。これからお子さんにどのような学びをしてほしいか考える際、STEAM教育の視点を持つことは大切です。
STEAMに“R”(Reading)を加えた新たな教育を学ぶなら『Wonder Code』
現在、STEAM教育にR(Reading)を加えたSTREAM教育が注目されています。Readingとは読解力のことであり、文章を読み解くことは思考を深めることです。社会人として仕事をする上で、より多くの情報を得るためには読解力が必要ですし、文書でのやりとりも多く発生します。読解力を持っていればAI(人工知能)に勝るとも劣らない人材として活躍できるでしょう。そして読解力もまた課題発見力につながる力となり得ます。
『Wonder Code』は、英語とプログラミングを学習するだけではなく、21世紀型のSTREAM教育を提供する教室です。Wonder CodeでSTREAM教育を受講でき、社会人基礎力である課題発見力も鍛えられます。一度お近くにあるWonder Codeの教室を検索してみてはいかがでしょうか。