デジタルネイティブ世代とは、インターネットやデジタル機器が存在しているのが当たり前の時代に生まれ育った世代です。1990年代以降に生まれた人たちをこう呼ぶことが多く、デジタルネイティブ世代特有のインターネットとの付き合い方や長所・短所があるとされています。今回は、そんなデジタルネイティブ世代の特徴や強み、デジタルネイティブ世代との上手な付き合い方などをご紹介します。

デジタルネイティブとは

本来の意味での「デジタル」は、コンピューターの計算結果を数字で表示するシステムのことを指します。そして「ネイティブ」とは、生まれつきその土地に住んでいる人のことです。しかしデジタルネイティブにおいては、本来の意味とは少し違いがあります。

デジタルネイティブの「デジタル」は、インターネットやコンピューターなど、デジタルデバイス自体を指します。そして「ネイティブ」とは、生まれたときからそこにあることです。つまりデジタルネイティブとは、生まれたときからインターネットやデジタル機器が身近にある状態の人を指します。

インターネットが大衆化される前に生まれている世代の人は、世の中にインターネットが普及する過程を肌で感じてきました。インターネットの登場は世の中のシステムを大きく変え、以前とは比べ物にならないほどの利便性をもたらしましたよね。当時の感動や驚きを覚えている人も多いのではないでしょうか。

同時に、インターネットとどう付き合えばいいのかや、デジタル機器の操作方法などに未だに頭を抱えている世代の人も多いでしょう。しかしデジタルネイティブにとっては、便利なインターネットがあるのが当たり前です。文字や言葉を覚えるのと同じように、身近な存在であるインターネットとの付き合い方も自然に覚えていきます。

大の大人が頭を抱える問題をデジタル機器を使ってすぐに解決できたり、インターネットを介して気軽に自分を世界に発信したりと、デジタルに対するフットワークが軽いことがデジタルネイティブの特徴です。

デジタルネイティブ世代とは

インターネットが生まれる前の暮らしを知っている世代からすると、生まれたときから便利なインターネットがある世代は羨ましくも感じてしまいますよね。呼吸するように自然にデジタルデバイスに触れるデジタルネイティブ世代には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、デジタルネイティブ世代をさらに2つの世代に分けて詳しく解説していきます。

ミレニアル世代

ミレニアル世代は、一般的には1980年から1990年代半ばまでに生まれた世代を指します。インターネットが日本で使われるようになったのは1980年代ですが、当時はまだ学術目的に限定されていました。インターネットが大衆化されたのは1990年代からです。

ミレニアル世代は、物心がついた頃にインターネットが一般家庭にも広がり始め、子ども時代から思春期頃にかけてガラゲーが広く普及した世代です。細かな年代によっては、感受性が強い時期に「インターネットが身近ではない状態から大衆化されるまで」を体感した場合も。インターネットがない不便さと、普及後の便利さ両方知っている人もいるでしょう。

Z世代

Z世代とは、ミレニアル世代よりも少し若めの世代です。1990年代後半から2010年頃の生まれで、2022年現在から見て10代~20代前半の世代を指します。1990年代後半、インターネットはすでに世界中に普及しており、物心がついたときには一般家庭にも当たり前にインターネットやデジタル機器が存在していました。

Z世代にとって、インターネットが身近ではない時期はほぼないと言っても過言ではありません。子どもの頃からわからないことがあればインターネットを使って調べたり、遅くても中学生になる頃にはSNSを使って友達とコミュニケーションをとったりすることを当たり前のように行ってきています。

インターネット文化を自然に受け入れているデジタルネイティブだからこそ、SNSやインターネットを用いたいじめ・トラブルが発生しやすいことがあります。また、デジタルでのコミュニケーションが一般的なため、SNS疲れを感じやすいという問題もあるでしょう。

デジタルネイティブ世代の特徴

ここでは、デジタルネイティブ世代の特徴として挙げられるものをご紹介します。デジタルネイティブ世代にとって、インターネットがなかった頃の世の中を想像するのは難しいものです。便利な時代に生まれ育った彼らの特徴を学んでみましょう。

1.SNSを使いこなしている

デジタルネイティブ世代は、SNSを使いこなしています。子どもの頃や思春期の頃からSNSで他者と交流するのが当たり前であり、現実とは違うもう一つの世界としてSNSを受け入れています。普段の生活の中にSNSが組み込まれていると言っても良いでしょう。

デジタルネイティブ世代にとって、SNSは特別なものではありません。友達とのコミュニケーションはもちろん、業務連絡や会社の面接でさえもSNSのツールを用いることがあります。お互いの本名や電話番号すら知らなくても、SNSのアカウントだけでつながっている場合があるほどです。

2.検索力が高い

デジタルネイティブ世代は、検索力が高いことが特徴です。例えば、上の世代の人たちが辞書や辞典を広げて一生懸命調べている間に、デジタルネイティブ世代はスマホやパソコンですぐに検索結果を表示してしまいます。

「わからないことはすぐにスマホで調べる」が当たり前の感覚であり、インターネットで調べればすぐにわかることにわざわざ時間をかける理由が理解できないこともあります。

検索する際も「どのように調べれば求めている答えにすぐにたどり着けるか」を感覚でわかっているため、適切なキーワードを入力して作業時間を短縮できることが強みです。

3.オンラインでのコミュニケーションが多い

デジタルネイティブ世代はオンラインでのコミュニケーションが多く、一人でいてもインターネットを介して誰かと繋がっている時間が多い傾向にあります。たとえ何年も顔を合わせていない相手であっても、オンラインでのコミュニケーションを取り続けていることはよくあるでしょう。

コロナ禍において、勉強や仕事がリモート化したことは記憶に新しいですよね。現実で行っていた作業がオンラインになったことでさまざまな苦労が発生しましたが、環境の変化に最もスムーズに適応できた世代がデジタルネイティブ世代だといえます。

もともとオンラインでコミュニケーションを取ることが自然な世代であるため、ZOOMを使ったオンライン会議やテキストコミュニケーションなどにも、ストレスを感じず対応できるのでしょう。

4.働き方や職業選択の幅が広い

デジタルネイティブ世代は、働き方や職業選択の幅が広い世代でもあります。インターネットやデジタル系のサービスに親しんでいるため、人と顔を合わせずに完全在宅で働く選択肢も。インフルエンサーやYouTuberなど、インターネット環境があるからこその華やかな職業も人気です。

デジタル機器を用いたイラスト制作や音楽制作などをインターネットで世界に公開することで、収入を得られるサービスにもなじみがあります。また、プログラミング知識を身につけるための抵抗感も他の世代より低いため、WebプログラマーやWebデザイナーなども視野に入るでしょう。

5.対面でのコミュニケーションが不得意な人が多い

インターネットに親しみのあるデジタルネイティブ世代ですが、対面でのコミュニケーションが不得意な人も少なくはありません。デジタルネイティブ世代にとって人とのコミュニケーションは、対面している状態よりもSNSやインターネットを介した状態で行う機会のほうが多い場合もあります。

LINEやTwitterなどに代表されるSNSでは、気持ちを言葉にするために時間をかけられますよね。しかし対面では、リアルタイムでの自己表現が求められます。SNSでは自分の気持ちを素直に伝えられても対面では上手に伝えられないことがあり、思わず本心を偽ってしまったりスムーズに言葉が出てこなかったりする人もいるのです。

自分のリテラシーを向上させよう

デジタルネイティブ世代は、インターネットへのリテラシーが高い部分と低い部分がそれぞれ目立ちます。例えば、デジタルネイティブ世代は「何てことのない投稿が炎上してしまう怖さ」を知っています。そのため、過激な発言を人一倍控えるという部分においては、インターネットリテラシーが高いといえるでしょう。

一方、インターネットの存在が身近すぎるため、顔を含めた個人情報を迂闊に公開してしまう一面も。デジタルネイティブ世代の良い部分だけをまねしてリテラシーを高めながら、年長者として忠告することも大切です。

デジタルネイティブ世代と上手に付き合っていく方法

ここでは、デジタルネイティブ世代と上手に付き合っていく方法をご紹介します。どの世代にも長所や短所はあるものです。「自分たちと違う世代だから」と遠巻きに見ず、彼らの特徴を理解してより良いコミュニケーションを目指していきましょう。

1.報連相の重要性を伝える

デジタルネイティブ世代と上手に付き合うためには、報連相の重要性を伝えることが大切です。

  • 報……報告
  • 連……連絡
  • 相……相談

デジタルネイティブ世代は対面でのコミュニケーションが苦手な人も多いため、重要な報連相すらも避けてしまうケースがあります。

「あとでテキストで伝えればいいや」と思って失念したり、「直接叱られるのが怖いから」と対面でのコミュニケーション自体を避けてしまったりするのです。そのため、報連相をしないほうが迷惑をかけることをしっかりと伝える必要があるでしょう。

2.デジタルネイティブ世代の当たり前を理解する

世代が違えば、考え方や価値観が変わるのは当然のことです。デジタルネイティブ世代と上手に付き合うためには、彼らにとっての当たり前を理解する必要があります。自分たちの世代の当たり前も、上の世代には通じないもの。世代が変わるごとに常識は変化するのです。

「自分とは価値観が違う」と思っても否定せずに、まずは肯定的に受け入れてみましょう。デジタルネイティブ世代の常識は時に私たちを不安にさせますが、当然ながら彼らは悪意を持っているわけではありません。お互いに歩み寄るためにも、まずは年長者から理解の姿勢を示してはいかがでしょうか。

デジタルネイティブ人材の教育方法

ここでは、デジタルネイティブ世代の教育方法をご紹介します。デジタルネイティブ世代は、インターネットやデバイス機器に慣れ親しんでいるのが大きな強みです。この特徴を活かし、デジタルネイティブ世代の長所をさらに伸ばしていきましょう。

1.プログラミング教育

デジタルネイティブ世代は他の世代と比べてインターネットやSNSへの造詣が深いため、プログラミング教育を受けることをおすすめします。

インターネットを介したすべてのサービスはプログラミングによって構築されているため、興味と理解が結び付きやすいことが予想されます。プログラミング教育では論理的思考力も育つため、社会で賢く生きる力も養われるでしょう。

2.STREAM教育

STREAM教育とは、以前から注目されているSTEAM教育にロボット関連の分野を組み込んだものです。

  • S……Science(科学)
  • T……Technology(技術)
  • R……Robotics(ロボット・現実性)
  • E……Engineering(工学)
  • A……Arts(創造力・表現力)
  • M……Mathematic(数学)

STREAM教育で得られる能力は、これからの時代を生き抜くために必要な技術や考え方です。未来の世界を背負っていくデジタルネイティブ世代だからこそ、時代の需要に沿った教育を受けることが望まれます。

デジタルネイティブ世代を理解するところから始めよう!

デジタルネイティブ世代は、デバイスを介してコミュニケーションしたり、対面のやり取りを避けたりすることが多いものです。

上の世代の人によっては「そんな寂しいコミュニケーションでいいのか?」と疑問を抱くこともあるでしょう。しかし、自分たちの世代には自分たちの当たり前があるように、デジタルネイティブ世代にとっても特有で自然なコミュニケーション方法があります。

理解できない対象を否定したり、拒否したりすることは簡単です。しかし「自分とは違うもの」を遠ざけて悪いレッテルを貼っているままでは、いつまでもわかり合うことはできません。

お互いに気持ちの良い関係を築き仕事の生産性を上げるためにも、まずは相手を理解することから始めてみましょう。デジタルネイティブ世代の感覚や習慣を知ることで、彼らから学び得ることも必ずあるはずです。

将来活躍できる教育をするなら『Wonder Code』

今回は、デジタルネイティブ世代の特徴や強み、デジタルネイティブ世代との付き合い方などをご紹介しました。デジタルネイティブ世代は今まさに就職活動をしていたり、新卒として入社して活躍していたりする世代です。

そして世界を担う世代は、今後もどんどん下へと受け継がれていきます。将来社会で活躍できる大人に育てるためにも、子どものうちから始めておきたい習い事の一つが「Wonder Code」のカリキュラムです。

Wonder Codeでは、ロボットを用いたプログラミング教育や英会話教育を通し、子どもの知的好奇心を引き出しながら将来に役立つ能力を育てます。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。